ここしばらく揺れに揺れてきたJAL再建問題は、周知の通り近日中の会社更生法適用申請、すなわち倒産によって一つの大きな節目を迎えるわけですが、飛行機・航空業界に疎い私もとりあえずJALを心の底では応援しておりますので (まぁ正直、ちゃんと飛べばどんな航空会社でも良いのですが、以前ANAの国際線に乗った際、自分とその隣のおじさんのみ何故か機内食を超!後回しにされるという最高に不愉快な待遇を受けて以来、自分で金を払って日本の飛行機に乗るときはJAL派)、現場で地道に働く関係者の皆様の努力に期待したいものです……。
まぁ、JAL倒産が単にJALだけの問題であるならば、飛行機ヲタ度ゼロな私の所感としては以上でおしまい!ですが (いや、様々な負の経済効果が自分の商売にも及んで来る可能性を心配するべきなのでしょうが、とりあえず省略 ^^;)、今回の問題は鉄道および鉄道趣味にも大きく影響しそうな点が実に厄介なところです。
まず、趣味活動に直結した問題といえば、時間がない中でジャカルタ撮り鉄を敢行する際に大いに利用価値があるジャカルタ線が果たして今後も残るのかどうか……という心配がよぎります。日本とインドネシアの極めて重要な政治・経済関係を思えば、1日1便のジャカルタ線はまさに「The 国策路線」なのですが、如何せんジャカルタおよびジャワ島はバリ島とは比べて観光地としての訴求力が弱いように思われ (史跡の宝庫である中部ジャワや諸々の火山群へは時間を要します)、乗客もビジネス客とその家族がほとんどでガラガラ……。運賃も一番安いのがJAL悟空……(-_-;)。
しかし、それ以上に深刻なのが、大株主である東急の経営への影響。JALに統合される前の東亜国内航空 (懐かしい名前……) 改め日本エアシステムは東急の子会社であり、統合後も東急はJAL株を大量に保有し続けてきたことは有名な話でしょう。もっとも、保有比率は次第に下がっていたようですが、それでも昨年末の時点で約3%ということで、決して無視できない重みがあったことになります。しかし、ついに示された100%減資方針と、そのあおりを受けた株価ストップ安に伴い、東急は手持ちの株が完全な紙屑 (実際には電子化に伴いデータ上の処理) になる直前に全ての売却に踏み切り、特別損失として90億円を計上したとか……。
90億円といえば、5000系列の1両の値段が約1億円と仮定して(実際にはお幾らなのでしょうか? ^^;)、10連9本を製造出来る金額……。2~3年前にブチ上げられた「今後2~3年で田都8500系の大部分を5000系化」という方針は、一昨年秋以来の不動産事業大打撃に伴い完全に棚上げされ、廃車予定であった非軽量鋼体車が続々と検査を受けているわけですが、いっぽう周囲のJR・私鉄 (とくに、大東急から戦後再独立した京急・相鉄・小田急・京王) では「走るんです」化やVVVF100%化への猛烈なうねりが続いているのも事実。そこで、東急としては恐らく、いつまでも8500系を使い続けることで「一般客の見た目」から見て田園都市線が「ボロい」という印象になってしまうのを避けるためにも、5000系の増備を再開したいところなのでしょう。いっぽう、これから副都心線直通を控え、東横線の車両にもテコ入れが必要なはず (10連の特急・急行には、果たして5050系への増結で対応するのか、それとも10連新型車投入→5050系の8連各停化→9000系の大井町線転属→8090系廃車で対応するのか・・・)。鉄道部門とは関係ない部門での大幅な欠損さえなければ、これらの変動も躊躇なく進むことでしょうが、何はともあれここ1年数ヶ月の間に起こった事態に、東急は頭を抱えていることでしょう……。
まぁ8000系列ファンとしましては、これで8500系が命拾いし、さらにしばらくお気楽な撮影や田都急行としての激走を楽しめそうだ……という期待があるのですが (本数が減ってしまうと大変なことになるのは東横線で痛いほど味わっておりますので、そうなる前に記録をきっちりとやっておきたいという思いが募ります)、いっぽうで地方私鉄やジャカルタなどの車両事情にも大きな影響が生じるわけで、う~む複雑な気分ですね。一昨日の8091F回送のあと、恩田で久しぶりに複雑な入れ換えに遭遇し、出場間近の8627F (中央林間寄り5両) と伊賀向け1310+1011が出場線に押し込まれるところを眺めたのですが、シャッターを切りまくりながら、ますます先が見えない東急車両事情や地方私鉄への譲渡事情が脳裏をよぎったのでした……(^^;