地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

アムトラック初撮影 (4) ホライズン客車

2018-02-09 00:00:00 | 米国の鉄道&バス


 今回の極めて短期な米国訪問では、残念ながら二階建てのスーパーライナー客車は撮影出来ておりません。ミルウォーキーに停車する大陸横断列車「エンパイア・ビルダー Empire Builder」(毎日運転) は、西行きも東行き午後に通過しますが、午後はクライアントのところに行っておりましたので……。誠に遺憾が募ります (滝汗)。
 そんなことを思いつつ、先日KATO USAの公式HPを久しぶりに眺めたところ、開けてビックリ玉手箱……。鉄道旅客輸送が華やかなりし往年にミルウォーキー鉄道が運行していた大陸横断列車オリンピアン・ハイアワサOlympian Hiawatha号の流麗な姿をN模型として再現したという魅惑の画像がトップページを飾っているではありませんか……。如何にも大陸横断鉄道佳き時代を彷彿とさせる展望車やドームカーの雰囲気や、スリーパー客車の重厚な雰囲気に脳天をやられてしまいました。しかも幕板部分には、訪れたばかりのMilwaukeeという地名が大書され……何だこれ……余りにも欲しすぎるだろオイ……(危険すぎる物欲の罠)。



 というわけで、さっそく英語版Wikipediaを覗いてみたところ、オリンピアン・ハイアワサ号のスジはアムトラックの発足と前後してエンパイア・ビルダー (米国北西部の鉄道を建設しまくった鉄道王の通称にちなむ) と列車名を改め、ハイアワサという列車名はシカゴ〜ミルウォーキー間の短距離サービスに受け継がれて今日に至る、という筋書きが見えて来ました。ある意味、強者どもが夢のあと……な世界なのですなぁ〜。 
 そんなハイアワサ号、編成中2両はアムフリート客車が連結されていますが、他の4〜5両の客車は伝統的な客車と同じく箱形・切妻車体で、しかもイコライザー台車 (!!) を装備しているという、究極の重厚さを見せつけています (*^^*)。そこで、「へぇぇ〜、スーパーライナーやアムフリートだけでなく、こんな客車もあるのか……。しかし結構古いのだろうか?」と思いつつ、車番をもとに検索してみたところ、決して古いわけではなく、1989〜1990年製の「ホライズン」型客車だということが判明しました (とにかくアムトラック超超初心者なものでスミマセン ^^;)。ステンレス客車が大々的に闊歩する一方で、かつての大陸横断鉄道客車を彷彿とさせる雰囲気の客車も走っているとは……。アムフリートよりもホライズンに一層メロメロです (笑)。
 ちなみに、オリンピアン・ハイアワサの客車は現在も動態保存されており、ごくたまに何らかのツアーでアムトラックの定期列車に増結されているようです (You Tubeに動画あり)。恐らく、個人所有のプライベート・カーを随意契約で連結するのと同じノリなのかも知れません。

アムトラック初撮影 (3) アムフリート客車

2018-02-07 00:08:00 | 米国の鉄道&バス


 極めて個人的な思い込みではありますが、長年アムトラックの車両といえば、小学生の頃RF誌か何かに載っていたアムトラック・レポートを飾る、北西回廊の「メトロライナー」の印象が非常に強かったです。真っ直ぐな複々線上を、ギンギラギンのコルゲートに包まれたチューブ状の車体の電車や客車が走る光景は、新幹線0系とは全く異なる形容しがたい何かに満ちあふれているような気がしたものです。これがUSA的合理主義か……と (違うだろ!笑)。



 もっともその後、大陸横断列車用の二階建て「スーパーライナー」客車の存在を知ることで、アムトラックにはいろいろな客車があるものだ、という当たり前の事実を知るに至りましたが、しかしいずれにしてもギンギラコルゲートの印象は強く、米国という国には余り興味がなくても (汗) いずれギンギラ客車を眺めてみたいものだ、という秘かな願望はありました。
 というわけで、ミルウォーキー駅東の踏切で、目の前を通り過ぎるギンギラ客車=アムフリート客車を眼にした瞬間、心の奥底にあった30数年越しの思いがほとばしり、「アメ車、カッケェェ〜!!」と内心叫んでしまったのでした (^^;)。しかし、朝方は光量の関係で、踏切を横切る客車を広角側で撮ろうとしても、完全には止めきれないという遺憾が……。そこで、昼前に時間を確保してもう一度踏切に出掛け、目の前を過ぎゆくコルゲート客車をド順光で激写! 東急ギンギラコルゲートにメロメロな私が、アメ車の放つ燻し銀の輝きに抗しきれなかったことは言うまでもありません (笑)。それもそのはず、アムフリート客車はBudd社製ということで……血脈は確かに東急へと受け継がれたことを理解したのでした。
 なお、1枚目の画像はCoach Class=一般座席車で、2枚目の画像はカフェ車となっています。何故カフェ車を編成の一番端に連結するのか、全くワケがワカラン話ではありますが……(汗)。

追憶の岐阜市内線つづき・赤い電車

2018-02-05 21:53:00 | 路面電車


 昨日は、当ブログ発足時からの常連さんとして (→と申しますか、それ以前に私がネットに足を突っ込むようになった頃から) 長年お世話になっております「ぱれっと」様が久しぶりに首都圏にお越しになり、しかも夜は沼津に泊まられて今日は某アニメの聖地巡礼をされるとのことでしたので、ロマンスカー移動の途中の町田にてちょっとした宴を開催しました。入った店は、先月パクアン急行様と初めて入ったタイ屋台風居酒屋で、いや〜実に美味かったです♪ ぱれっと様は別のご予定がキャンセルになって急遽時間が出来、私も先週でしたら飛行機の中で全く対応不可でしたので、お互いの予定が絶妙に重なり合って本当に良かったです☆ ぱれっと様には、楽しいひとときを共有して頂き心よりお礼申し上げます〜!



 というわけで、絶妙な味加減のタイ料理をつつきつつ、まぁいろいろな話題に及んだのですが、ざっくり備忘録として記しますと:
 *(ぱれっと様の最近の遠征報告) 香港は最近物価が上がりすぎ (→円安もトホホ)、鉄活動するのも頭が痛い。深圳の羅湖ではないボーダーの近くに宿をとり、毎日香港に「越境通勤」するスタイルにすれば、宿代も朝晩のメシ代も安い。しかも深圳には東風3 (!) と22系客車の静態保存もある!
 *ここ1〜2年は、103系と115系を潰すというJRWの本気を見せつけられ続け、広島では8〜9割が227になり、大阪環状線でも201は既に朝晩しか来なくなった。関西線の103系6連も昨年で消滅し、奈良線の103系4連も今度の改正以後205に変わって行くだろう。稲荷駅に雲集する外国人観光客を103に乗せるという奇想天外な風景は過去のものになるだろうが、こうなるといよいよ桜井和歌山線の105系と加古川播但線の103系の貴重度は激増する。ヲタ殺到の前に乗って撮るに越したことなし。また「国鉄広島」は死語になりつつあるが、「国鉄岡山」は当面安定しているので、ここも今のうちか。あと、七尾線の415系+クハ455を北陸鉄道とからめるのも今が最後の旬か? 
 *JREではついに川越・八高線にE231 3000を入れることになり、205・209系がヤバくなったものの、宇都宮地区では当面205は安泰か? ブッ壊れそうな飛ばしっぷりで野州北部を激走する205は、北千住〜柏間の常磐快速103に匹敵する爆走ぶりといえる。
 *琴電は最近、琴平線で600形の限定運用を続けているものの、2本のみとなった1070形の限定運用をやっていない。ということは、運が良ければ1070が日中に2連で運用されている姿に遭遇出来るかも知れない。いっぽう四国の121系は、既に結構な本数が7200形に改造されている。
 *広電906号のソウル輿入れは、今のうちに行ってみたい気分が強いけれども、とにかくソウル首都圏ではホームドアのせいで列車が撮りにくくなったのは辛い。そこで路面電車事情に目を向けるにつけ、宇都宮はクルマ社会栃木にありながら中心部のバスの本数や客の数が多く、うまくやれば (富山などとは違って) 最近ゼロから路面電車を創った街として注目されるだろう。
 *そう考えるにつけ、岐阜市内線の廃線は本当に返す返すも惜しい。今でも長良北町・忠節・鏡島方面へのバスは結構頻繁運転で、きちんとバリアフリーに配慮したり安全島を整備するなどすれば絶対に生き残る余地はあったはず。かつて岐阜には名古屋とは違った独特の賑わいがあったが、繊維業が没落した街に新たに人を引き込む努力をしなかった結果、名古屋と近場のSCに買い物客を取られ、徹明町の名鉄百貨店はドンキに変わり、昔の岐阜を知る者としては実に片腹痛い。ある街が公共交通に冷淡な態度を取るということは、実は来るかも知れない客をみすみす逃して自ら没落を選ぶことに等しい。

……というわけで、公共交通を愛する者として必ず慨嘆せずにはいられない岐阜市内線の没落を改めて思い出してしまいましたので、徹明町にて撮影した570・590形の画像を貼っておきます。昨年中山道を歩いたついでに徹明町を訪れたところ、そこに線路があったことを示すものはあらかた消えていて愕然としたものです……。

ヨコハマ鉄道模型フェスタ2018煩悩録

2018-02-04 10:42:00 | 模型素人物欲見聞記


【鉄コレ第26弾】ネット上では造形の評判が芳しくないようですが、私の眼は節穴ですので、東北のローカル電車が充実するのは単純に嬉しいところです。ここらへんは明らかにバリ展を狙ってますな……。つーか、青い森はモーリー版を先に出さないところに黒い意図を感じます (汗)。



【鉄コレオープンパッケージ】期待していた西武2000系、前パンに萌えつつ発売を待つことにしたいと思います。路面電車には手を付けていないのですが、広電2000は1本だけ買って、25弾の広電1080と並べてみるのもオツかな?と思いました。ヤンゴン色に塗る猛者もいそうですね (^^;



【TOMIX】四国や九州に関連した車両、そして北の733を並べたりして、JR三島会社に傾斜した新製品ラインナップだった気がするのは私だけでしょうか? そういえば四国も北海道もしばらく行ってないなぁ〜(滝汗)。733は何となく欲しかったりします。近鉄ビスタEXの2階建てが撮りづらかったのは残念。



【KATO】完全リニューアルするキハ28・58・65を前面に押し出していましたが、全体的には控えめな展示だったような気がします。とゆーか個人的には訪米以来、KATO USAの車両を少しずつ揃えることに興味が湧きつつあります。いじったり走らせるヒマが激減しているのに、かなりヤバいことですが……。

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 この週末開催されている毎年恒例のヨコハマ鉄道模型フェスタ、金曜日は仕事で行けなかったため、家族連れの人混みを覚悟しつつ土曜の午後に出掛けて参りました。まぁ、今回会場で先行発売となった東急新3000鉄コレ、小田急2300鉄コレのいずれも、昨今の鉄コレ高騰と当該車両の人気のイマイチさが重なって、多分並ばなくても余裕で購入出来るだろうということで、超〜余裕ブチかましたわけですが、実際に待ち時間ゼロで購入出来ました。嗚呼……今後もあらゆる鉄コレがこんなにラクに購入出来れるのであれば、アラフィフに足を突っ込み始めたヲッサンにとって有り難い話ですが、東急3450・5200鉄コレとか出たら、多分覚悟を決めなければならないでしょうな。
 それはさておき、今回このイベントからGMが手を引いたようで、GMの新製品を眺めるのも楽しみにしている者としては些か寂しさを感じました。しかし、コアレスモーターの新動力を標準装備して以来、GMの売り上げは伸びていると側聞しますので、物販中心となったこのイベントで新製品展示をするよりは、バリ展が細かすぎる新製品の開発・製造に力を入れようとしているのかも知れません。

アムトラック初撮影 (2) 付随化EMD F40PH

2018-02-03 08:00:00 | 米国の鉄道&バス


 米国中西部における鉄道の総本山であるシカゴと、ラスト・ベルト (錆び付いて没落したかつての重厚長大型工業地帯ゆえに、トランプ政権の金城湯池に) の地方都市であるミルウォーキーを結ぶハイアワサ号は、アムトラック公式HPに載っている時刻表によると、基本的に2運用で機織りをしているようです。しかも朝方には、シカゴとミルウォーキーの双方でせわしなく20数分で折り返しており、シカゴ付近のジャンクションでは近郊列車や貨物列車も錯綜することから、もし遅延が発生したら相当キツいだろうな……ということが読み取れます。



 そこで、多分これは前後に罐が付いており、機回しを省略するのだろうと予想したところ、まさにビンゴ。最後尾には古い罐が連結されていました。客レの撮影でありながら、EMU・DMUの撮影と同じく、後追いで二度美味しいのは有り難いことです。
 そこでWikipediaを参照してみたところ、この罐は1970〜80年代に製造された古い電気式DL・F40PHを出自としており、老朽化して新鋭罐に主な役目を譲ったものの廃車にはせず、エンジンとモーターを外して運転機能を残しているとのこと。なるほど……米国でプッシュプルに見える列車は大方、動力があるのは片側の新しめな罐のみで、もう片側はこの手の付随化された罐なのですなぁ〜。日本も、国鉄末期に大量に余ったDD51・DE10などのエンジンを外して付随化していれば、客レも機回しを省けて、もっと生き永らえたのかも知れません。