小西参議院のサル発言を、中身の検証もなく泉代表が、与党などにしたためられ拙速に首切ったことで、自民党や維新の会がここぞとばかり、立憲民主党に党内で小西をつるし上げろと言いだしている。国民民主は辞任させろとまで言われている。
小西はそんなことまで言われるような問題発言をしたのだろうか。
共同通信によれば、3月29日記者団に対して、「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだ。憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、毎週議論なんてできない。何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ。国会議員は本当に考えているのかと思うだろう。いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」と述べたとのことである。
参議院憲法審査会では改憲派をズラッと並べた自民党が半数を握る。法律の専門家とまともに論議されると、法律の知識量から見ても論破されるのは明らかであろう。積み上げられた資料を読み上げる与党委員たちに苛立っていたのであろう。小西は、何時になったら集団的自衛権行使容認について論議するのだろう。安保関連法の論議はいつ行われるのだろうとも述べている。
「毎週開催は憲法のことなんか考えない者がやること」という小西の主張は、何処もおかしくなんかない。まともな意見である。法律論議、ましてや国家の最高規範、憲法論議をするのであれば、少数意見を丁寧に取り上げて行われるべきである。自民党21、立憲民主23、公明3、維新4、国民民主3,共産2、れいわ1の委員配分は、議員数に比例されているのであろうが、本来であれば得票数に比例されるべきである。
それよりなにより憲法99条の「・・・国会議員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」という条項を守るげきで、国会外の学者や法律専門家やいわゆる有識者などに、論議は委ねるべきである。
この委員会は女性が意外に多いが、それでも8人しかいない。産業や地域などについても案分された気配もない。国家の最高法規をこんないい加減なメンバーで論じる危うさを、小西は肌で感じたのであろう。
オンライン国会出席について有識者に呼び意見を聞き、オンライン出席は合法という主張を二人から得ても、自民党議員は多数でこれを拒否している。丁寧な説明もなければ、落ち着いた論議もない国会運営そのままである。
因みに、2014年に憲法審査会で憲法学者が安保法制を違憲と指摘すると、自民党はその後、約1年半も憲法審査会開催を拒否している。国会運営そのままである。丁寧で冷静な審議が、この審査会で行われているとは言い難い。
こうしたことを背景にした小西洋之の発言から、「サル」や「蛮族」だけを切り取って早々と報じたのが、読売や産経にフジテレビにNHKである。
高市早苗から捏造発言を引き出し、追及の手を休めず手柄を立てた同世代のエリートを、泉健太は容認できなかったのである。狭量な男である。
おかげで本丸の、放送法を巡る与党自民党の公平を自在に解釈する、放送への圧力問題は立ち消えになってしまった。これ等の報道は総務省の支援をしたことになる、お手柄である。そして泉代表の手柄でもある。
更に、小西の辞任や党内の除名などを、与党や与党もどきから言われるようになっている。泉は代表として失格である。
いい悪いは別にして、自民党はこれほど明らかになっても嘘をつき通し四面楚歌の高市早苗を、擁護を通している。
軽佻浮薄な泉健太こそ党代表を辞任すべきである。