そこに安倍晋三の配偶者の安倍昭恵妻が突如8月6日に訪れた。三宅洋平という参議院選挙東京区で25万票とって健闘した、一見反自民のようなミュージシャンの男を伴っての見学である。
思想信条が定かでなく浮遊した中でしか、状況を理解できないという点でお似合いの二人である。「何が起きているか見たかった」というのであるが、確かめる方法はいくらでもあろう。見学しただけのことならサルにでもできる。私たちも上映した「標的の村」を見て興味を持ったようである。
安倍昭恵は、これまで旦那の推し進める政策を随所に批判している。家庭内野党だのと言葉で濁しているが、それで何かをするというものではない。野党のガス抜き作用すらない。
雑誌の取材で、彼女は反原発、TPP反対、消費増税反対を表明している。それではどうするかというものが次に出てこない。そのような立場でないというのであろうか。次に踏み出せないなら、単なる冷やかしでしかない。これまで彼女は同じようなことを繰り返している。野党の主張を支持するような言動を幾度も繰り返している。
今回のことで言うなら、高江の住民が置かれているのはヘリパッドを強制的に作るところの彼らがいたという程度の認識で終わってしまっているのである。自民党はなぜ強制的にでも作る必要があるのいうか。なぜ日本政府が、つまり私たちの税金を大量に注ぎ込まなければならないのか。そうしたことを論議しなければ、彼女の見学は何の意味もない。
所詮は、富裕層のお嬢様育ちの気まぐれでしかい見学である。旦那に内緒のお忍びである。戦後一貫して(戦前もそうであったが)、虐げられ続けてきた沖縄の人々の置かれてきた立場を、どの程度理解しているのかもわからない。そして彼女は何を解決するでもない。住民の声を聴くわけでもない。何を提言するでもない。人騒がせな見学旅行である。
「旦那と意見が違うのよね~!」で済ます人騒がせな女である。旦那でも連れてくれば少しは変わろうが。