そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

またまた、米国産牛肉にBSE危険部位混入

2009-10-10 | ゲノム編集

またまた、米国産輸入牛肉からBSEに関して除去を約束していた、脊柱部位の混入があった。もうこのブログで何度も書いているが、アメリカにはこうした部位を適切に選別するシステムそのものが存在しないのである。

日本向けの牛肉は、高価で販売できるから辛抱強い業者が対応しているだけである。しかし、それでも到底無理な要求なのである。今回で、特定部位の混入は3度目である。輸入条件そのものについていえば、13件目なのである。その都度報道が小さくなるのは、またかと思う日本人にはあまり受けないので、報道の方がそれに応じた形になるのである。

今回は、食肉大手のタイソンフレッシュミート社のレキントン工場(ネブラスカ州)から輸入したもWq_cowsのである。732箱(約15トン)の中の1箱(約16キロ)である。この工場からは、07年2月にも月例証明のない牛肉が輸入された経緯もある。確信犯とまでは言うまいが、自国内ではこのような対応をやっておらず、意識が全くないとしか言いようがないのである。

アメリカのと畜場の実体は、衛生管理も個体管理もまったくお粗末なものである。日本のように、獣医師の解体と畜の確認数の制限などもなく、解体者も極めて安価な時給で雇用されている。アメリカ人はとにかく安い牛肉を食べたいのである。多少のリスクは容認する社会風潮なのである。

アメリカでBSEが確認され、輸入規制にかけられたが、これを強引に取り払ったのが、小泉内閣である。先導したのが麻生外務大臣である。学者による科学的な検討に意味がなくなり、その後BSE検査委員の半数がこの時辞任している。

食料を他国から輸入するということは、こうしたリスクを容認することである。食文化も歴史も気候風土も異なり、当然法体系も異なる国から食料を恒常的に輸入することは、国家として国民の健康や生命を他国に委ねることを意味する。食料を自給するということは、自国の文化や生命を守ることでもあるのだ。

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アメリカ産牛肉から危険部位見つかる

2009-07-23 | ゲノム編集

またアメリカ産輸入牛肉に危険部位が除去されていないのが発見された。今月7日にアメリカ通商部代表カークが、「日本の牛肉輸入制限を大いに懸念している」と、日本政府にクレームをつけたばかりである。

アメリカでBSE発生を受けて輸入禁止になっていたのを、輸入再開したのが小泉純一郎であり、担当大臣が酔っ払い会見で有名になった中川昭一である。それを先導した外務大臣は、今回Photoバカタロー解散した麻生太郎である。

輸入再開されてから、実に12例目の違反事例である。特定部位に関しては、2例目である。日本の基準をアメリカが守れるわない。アメリカの屠場は、安価な労働と不衛生な環境と獣医師による目視観察だけである。安価な牛肉を食べたいアメリカ人は、手間のかかる高価な衛生検査基準など求めていない。これがアメリカの基準である。

現在アメリカからは20カ月以下に限り、特定部位の除去を条件に牛肉を輸入している。アメリカはこれが気にいらないのであるが、自国の基準を日本に押し付けてきているのである。今回は、カンザス州産の牛であるが、背骨が除去されていない牛肉が2箱も見つかったのである。アメリカの畜産現場で日本の要求に応えるには、応分の経費がかかる。

輸入するということは、輸出国の基準で判断されるべきではなく、輸入先の基準に合わせるべきなのである。大国アメリカは従順な従属国日本には、極めて横柄な態度で何でも要求する。食料を海外に依存するリスクを真剣に考えてもらいたいものである。これはほんの一例である。

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あれから7年経ちました

2008-09-10 | ゲノム編集

日本国内最初の、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)発生からきょうで7年経ちました。長いようで短い7年間でした。当初は、狂牛病と言われていたものの、今ではBSEという呼び名も定着した感があります。

牛を巡る行政の扱いは、大きく変わりました。何よりも、全頭検査と個体識別制度が定着したことは、大きな意義があると思われます。国は、2年ほど前にBSEの全頭検査を打ち切りました。ところが、日本のすべての自治体は全頭検査を止めていません。

商品として出回った時に、府県別単位で差別されると牛肉が売れなくなります。そうした現実的Photo なことを背景にして、国が全頭検査を放棄しても地方自治体がやっている、おかしな現状です。

国は、全頭検査の必要性をプリオン委員会に圧力をかけて、不必要の結論を出させました。この時、委員の半分が辞めたのも記憶に新しい。

プリオン研究で、ノーベル賞を受賞したこの道の世界的第一人者である、アメリカのスタンリー・プシュナー氏は、日本の全頭検査を高く評価している。アメリカも見習うべきと発言しているが、全くしの気はないようである。

全頭検査は、個体の履歴が解ることが前提になっているが、この点でも日本のBSE対策は評価されるべきであろう。未だに、BSEの病態は、推論の域を出てはいない。はっきりしていることは、最終段階の病理的な状況だけである。今後も全頭検査を続けるべきである。

農水省のお役人の失態で、一時的に大量の補助金が酪農家や肉牛農家につぎ込まれた。行政が、失政をお金で解決する現場を見ていて、ほとほと嫌になった。農家は、BSE発生後の2年ほどは黙っていても、お金をもらえた。このことが、現在の急激なのか減少に結びついているように思えてならない。

この7年で、食品を巡る動きは大きく変わった。良い方向い言っているのかは、判然とはしないが情報はかなり公開されるようになり、規制も厳しくなった。規制が多くなることで、食の安全を疑う事件が多発するのは、不況下では当然のことである。

輸入牛肉が、オーストラリア一辺倒になってしまった。アメリカは、杜撰さを指摘されながらも、何度でも輸入牛肉に、危険部位を混入させている。

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韓国は米国産牛肉の輸入自由化でもめている

2008-05-26 | ゲノム編集

韓国では、大統領になったばかりの李明博が、実質的に無条件に近い内容で、アメリカ産の牛肉を輸入するとしたことで大いにもめている。大統領の罷免をネットでやっているし、何よりも今080525月に入って17日も街頭デモが行われている。

25日には、ついに拘束者まで出た。「ろうそく集会」と銘打たれて、3000人の080526デモ隊が、道路交通法とやらで弾圧にかかった。不条理な政策に、これほどまで韓国民を熱くする勢いが日本にもあればと思う。

進歩連帯などの1700の団体が、「国民対策会議」を結成して、政権を動かすまでになり、アメリカ産牛肉の自由化反対運動は大きくなった。連合民主党は、米韓牛肉交渉を貫徹するべきと、国会 議員が終結した。

韓国では牛肉に対する食文化としての意味が、日本よりはるかに深い。より一080423 層牛肉に対する不安が、日本より大きいのであろう。ろくにBSE検査をしないばかりか、交渉で080526002 は外されるべき部分を平気で、何度もパックして輸出してくる杜撰さに辟易したのであろう。

このことに関しては、日本もほぼ同じような条件である。韓国のように自由化には至っていないが、アメリカ産牛肉に対してもっと真剣に考えるべきである。日本政府は、自由化のタイミングを見計らっているからである。

なにかあると、牛丼屋ばかりが牛肉輸入規制に不満のパフォーマンスが目につくようでは、何の解決にもならない。アメリカの食に対する対策が、自己責任と市場価格で動いている以上、アメリカは真剣に応じようとしないのである。まともな対策を取るつもりは、思想的に持っていないのである。

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やっと腰抜けを肉にしないとした米国

2008-05-22 | ゲノム編集

やっとアメリカがダウナー牛を食肉にしないと20日発表した。アメリカのシェーファー米農務長官が、これまで2回検査して通していたダウナーの牛を肉にしないと発表したのである。今まで は、肉にしていいたが、動物愛護団体などの指摘で行ったことである。

Meat_recall02ウナー牛とは、きわめていい加減な言い方である。そそも病名でないし症状名でもない。ダウナーと呼ばれる牛の多くは、分娩後などに起立できなくなった状態の牛を指す言葉である。

低カルシュウーム症(乳熱)、脂肪肝、乳房炎や産じょく期のさまざま な感染症、脱臼や筋断裂などの病名を特定できないか、特定したくない病牛の総称である。

Meat_recall01Hallmark/Westlamd社での、ダウナー牛を虐待する動画が動物愛護団体の告発を受けたり、韓国での牛肉自由化反対運動への動きに対応したものである。もちろん、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)の検査をやるなどと言っているわけではない。もともと杜撰で非衛生なアメリカの食肉体制を改善するわけでもない。

長官は3400万頭中1000頭足らずが対象になると、長官は発表している。わずか、0.0003%でしかないと言っている。日本の御用学者を含めて、BSEを危険率で発表する危うい論争がある。

BSEの発生は、航空機事故よりも少ないと御用学者は主張するのである。航空機事故は、発生すると原因が特定できる。ネジが弛んでいたとかホースに問題があったとか、あるいはパイロットの判断が悪かったなどと原因を特定できる。次への対応が求められるのである。

ところが、BSEは原因そのものが解明されていない。結果生じることに対する、病理的な解明が進んでいるだけである。対策が取れないのであるから、感染した方には、「当たりご不幸」と言いたげな、危険率主義者たちである。

食料の海外依存率を高めることは、国家としての存続を放棄することである。単に危険性からいわれるのではなく、国民の生存権を守ることでもある。この国は、長年にわたってそれを放棄してきたのである。

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こりゃエコノミック大統領だロ

2008-05-05 | ゲノム編集

日本と同じような歩調で、BSE(牛海綿状脳症:恐牛病)に関してアメリカ産牛肉の輸入体制をとっていた韓国ではあるが、先月4月18日に、この枠をOIE(世界獣医検疫所)基準に合わせると発表した。

OIEの方針に従うということであったが、実態はほぼ全面的な輸入へとなっていた。米国シェーハー農務次官は「すべての年齢の牛の、米国産牛肉・牛肉製品を完全な市場アクセスにゆだねることになった」と言わしめていた。

年齢もさることながら、危険臓器とされていた、脳、眼球、せき髄、頭蓋とうすべての臓器をも容認していたのである。韓国政府は、OIEの基準に照らし合わせてみても、30か月という縛りも、危険臓器についても撤廃してしまっていた。

韓国では、インターネットで李明博大統領の弾劾署名を行い、100万名を突破したとのことである。今日(5日)には、ソウルで1万名のデモも行われた。

李明博大統領は、経済最優先を掲げて登場した、民間の経営者である。ほとんど、経済効果か080505らのみ米国産牛肉の輸入に踏み切ったのであろう。

韓国内の米国産牛肉に対する不安が大きくなり、日本や台湾と比べて著しい不利が生じる場合は見直すと、韓国政府は発表した。アメリカも、自国の牛肉の安全性を相も変わらず強調する記者会見を行っている。080423

アメリカ産牛肉は、BSEはもちろんのことあらゆる伝染病や衛生面での危険は、歴然として存 在する。

つい先日も、あれほど日本国内では大騒ぎしていたにも拘らず、、危険部位を含んだ牛肉を平然と輸入させる国である。どんな小さなことでもいいから、輸入制限の理由を見つけ出し、輸入制限をするべきである。

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そりゃアメリカが思い出させてくれるサ

2008-04-24 | ゲノム編集

杜撰なアメリカの検査体制にお礼を言わなければならない。日本人は、熱しやすくすぐに大騒ぎをする。そのくせ物事をすぐ忘れる。

BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)がよい例である。あれほど大騒ぎをして、世間知らずの酪農家は、ただただ呆然とするだけだった。農水官僚の馬鹿な発言や、後手後手対応などもあったことが、いまでは嘘のように沈静化してしまった。

080423ところが有り難いことに、アメリカは日本人が忘れないように、ほとぼりが冷めたころに「危険部位」を除去しないで日本に輸出してしまった。たまにこのように、杜撰な検査体制のアメリカの失態が表面化してくれることで、忘れていませんかと問いかけてくれる。

そもそも、アメリカの食品の検査体制などないに等しい。中国からの輸入品に、事故が起きて初めて大騒ぎをする。それでも大量に輸入するのは、価格が安いからである。

不良商品は市場から淘汰されるとする、市場原理は商品によっては規制が必要である。市場原理主義者たちは「規制緩和」や「グローバル化」を、金科玉条のように掲げるが、こうした力の原理原則は極めて危険である。

こうした考え方は、最近の穀物高騰に拍車をかけている。21世紀は、食料の供給も生産も大きSippo な問題となる。市場原理には、将来を見越した理念がない。むしろ、形成すべき社会を破壊する作用を持つ。

日本は、30年近くにわたって、食料(米)を生産しなければ補助金を出すような政策を打ち出した、世界に類例のない国家である。穀物価格が上昇したからと、いまさら急速に食料の自給率を上げるなどと言っても、簡単にできるはずがない。

危険部位を含んだアメリカの牛肉を輸入したり、農薬にまみれた野菜や餃子などを中国から輸入したりすることで、時折目を覚まさなければ日本国民はすぐに忘れてしまう。

ちょっとひねた見方で恐縮だが、食料を本気で考えるためには、もっと悪質な事件が恒常的にあってもよかろうと思う。

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そりゃばれたからサ

2008-02-18 | ゲノム編集

アメリカ農務省が、カルフォルニアの精肉業者の牛肉の出荷停止を指示しMeat_recall03た。これは、少し前に動物愛護団体が、屠場で起てなくなった牛を、電気ショックの杖や機械で強制的に押し込んでいるビデオが公開されたからである。

ばれたから出荷停止を、政府は指示したのである。停止され た牛肉は1億4340万ポンド(約6万5000トン)にもなる。2006年2月まで遡及するために、膨大な量となった。これまでの出荷停止になた最高量は、1999年の3500万ポンドであるから、相当な量である。

放映されたビデオは、診療の現場では"ダウナー”と呼んでいる症状の牛である。日本語訳が"へたり牛”としているのは抵抗がある。ダウナーは、原因が特定できない起てなかったり、少しの間しか起てない症状の牛のことである。

Meat_recall02の症状はBSE症状でもあるため、杜撰なアメリカでさえ検査を必要としている。もちろん日本では、食肉には決してならない。検査以前の問題である。

この精肉業者(ホールマーク)は、給食用にも出荷していた。今回禁止されたものの、かなりのものはすでに消費されているようである。

ビデオを見る限り、日本では想像できないような屠場の環境である。何よりも牛の頭数に比して人がいない。次に汚い。必然的にバケットカートなどの機械作業が主体になる。動けない牛など構っていられないのは、想像に難しくない。

当然個体識別も、生前の検査もルーズになる。特にカルフォルニアでは、作業員の多くはメキシカンである。時給1ドル程度とされている。結構技術を要する作業であるが、安価な労働力は魅力であろうが、彼らが習熟することはない。背骨であろうが、足であろうがお構いなく解体して分別する。

日本の”ギュードン”屋の連中は、ここでも廃棄された胸の下の肉を集めて、味付けして、ご飯に載せて売るのである。

食料を海外に求めるなら、国内と同じ基準で対応するべきである。こんな杜撰な国の食肉を輸入して、価格競争されたらたまったものではない。安価で安全な食品など存在しないのである。

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あれから6年・・・今BSEは

2007-09-10 | ゲノム編集

日本で、BSEの初発牛が見つかって今日で6年経つ。一般の人はすっかり、BSEのことを忘れた感がある。それは、 とりもなおさず日本の対策が、一応の成果を見せているとことを物語っていると言える。

日本のとった対策とは、全頭検査と牛の個体履歴の確立である。今では日本中の牛が、耳に黄色いタグを付け即座Photo_162に、日本全国どこからでも何処のなんという牛か特定できるようになった。全頭検査も、多少の問題を残しながらも、すべての府県で実施されている。

BSEの病態は依然として、詳細のことが判明されていない。給与された餌から異常プリオンが発見されていない。生命体でない、異常プリオンがどのようにして増殖するのか、どのようにして脳、脊髄に移行するのか全く解明されていない。つまり、何歳以下が安全かも解明されてもいないのである。

あるお抱え学者たちは、危険部位を除去すればほとんど安全で検査する必要などないとまで言いだしている。これは、アメリカ産牛肉の輸入容認への布石である。日本の全頭検査は無意味であって、20か月以下は無用としている。

航空機事故より少ない確率などと、全く異なる事態を並列して論じてもいる。航空機事故は発生するとその原因が特定できる。ボルトの締め忘れとか、乱気流とか、エンジンの故障であるとか特定できるものである。原因を探り見つけだすことで、対策が取れるのである。

ところが、BSEは原因が特定されていない。発病と病理結果が解明されているだけなのである。たとえ航空機事故より低い確率であっても、予防への対策が取れないのである。

政府お抱えの御用学者たちは、確率論を持ち出してアメリカ産牛肉輸入容認を前提とした、全頭検査無用論を主張しているのである。日本の全頭検査も不要で、経費の無駄遣いと主張する始末である。

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そりゃ米国のいいなりサ

2007-08-05 | ゲノム編集

アメリカ産牛肉が大手を振って輸入されることになる。20か月以下の牛の検査が必要でないと、もうすぐ専門委員会が結論を出すのである。OIE(国際獣疫事務局)が、アメリカ産牛肉に安全で輸出可能としたことが根拠となっている。

20か月以下の牛の特定などできない国の牛肉を、20か月以上と認定して輸入するのである。20か月以下で処分される肉牛は少ないと思われるが、いないわけでない。BSE無検査のアメリカ産牛肉の輸入を、食品安全委員会が今月中に諮問を受けて今年中には容認するそうである。

アメリカは、日本の全頭検査を非科学的と当初から非難している。これに乗っかる学者たちが、日本にいるのも恥ずかPhoto_150しい話である。日本では現在33頭のBSEが確認されているが、8,9例目が24ヶ月と21ヶ月の弱令牛であった。これらの牛から検出されたプリオンは、他のBSE牛の600分の1と1000分の1程度であった。

この2頭のプリオンは、再感染 (伝達)能力がなかったと結論が出ている。このことが非検査牛の輸入容認の根拠の一つになっている。が、異常プリオンがなかったわけではない。将来的に、検査機能が向上することも考えられる。OIEの判断にも問題があるが、そもそもアメリカの牛は自由取引の中でいかなる履歴も分からないのである。

隣国の韓国では、多分4回目になるだろうと思うが今月2日に、アメリカ産牛肉から危険部位が輸入牛肉から見つかった。韓米協定に違反しているとのことで、現在輸入停止状態である。何度警告しても、この国は同じである。

中国製の食品加工品が大変危険なものが多いことが、最近報道されている。日本は、たった数%のチェックしかしていないとのことであるが、アメリカの検査体制は1%に満たないレベルである。アメリカの食品に対する、チェック体制のレベルは低く、自己責任の範疇で語られることが多い。

日本は、どうしてこんな食品管理に杜撰な国、アメリカから牛肉を何とかして輸入したいのだろうか?答えは簡単である。日米安保体制の中で核の傘下の旨みを存分に味わってきた経過が、日本のアメリカに対する従属関係を生み出したのである。

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アメリカに譲歩するBSE検査

2007-07-05 | ゲノム編集

Photo_132 BSE(狂牛病;牛海綿状脳症)に関する動きが大きく変わるものと思われる。現在日本では、食肉になるものもならないものも全ての牛は、BSEを受けている。このことが、非科学的であり、意味がないとする御用学者たちがたくさんいる。20か月以下の検査は非科学的だというのである。

それらの論客に、唐木英明東大名誉教授と小澤義博国際獣疫事務局名誉顧問がいる。この二人の主張は大きなところで一致している。20か月以下の牛の検査はOIE(国際獣疫事務局)が、検査不要としたのでやるべきでないといのである。

現在まで国内で、33頭(7月5日現在)BSEが確認されているが、21カ月令と23か月令の弱令の育成牛が255_11 頭確認されている。この2頭の、プリオン量は極めて低く、それぞれ1/600と1/1000でしかなかった。この2頭のプリオンでマウスに感染性がなかったというのが、すべての牛を検査しなくてもよいとする根拠である。リスクが低いといのである。

また、20万頭ほどのBSE発生の英国で、人に感染(伝達)した場合のvCJD(異型クロイツフェルト、ヤコブ病)の確認されて、今年で10年になる。当初、10年間で最大10万人ほどの発生の可能性を警告する者もいた。が、現実には160人の発生であった。このことが、BSE検査不要論者に活気を与えている。

しかし、20か月ほどで感染が確認されたことは重大な事実である。さらに、検査技術の開発で相当微量なプリオンでも感染が確認できる可能性もある。マウスに、感染(伝達)されなかったことが、人にも安全である保障はなにもない。単なる憶測にすぎない。

BSEは感染経路も、体内での伝達方法も何も解明されていない。結果的に、脳閂部に集約されるために、ここを死後検査して確認するのである。弱令牛の検査を放棄すると、この当たりのことが全く解明できないことになる。

ここでまた、有識者会議の登場である。集団的自衛権の検討のために、身内で固めた有識者会議と同じである。要するにアメリカのご希望に沿った結論を期待したメンバーで固めることになるのであろう。輸入解禁への露払いのためのアリバイ工作にすぎない会議の結論は見えている。

仮に20か月以下をフリーで輸入することになっても、アメリカの牛には生産履歴がない。アメリカの牛は住所不定年齢不詳なのである。身体つきや歯型で判断する、アメリカの検査のいい加減さまで我が国は輸入することになる。

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そりゃいつまで経っても変わらんだろ

2007-06-06 | ゲノム編集

韓国が米国産牛肉の輸入を、またまた禁止した。これで何度目になるのか解らないが、よくもこんないい加減Photo_123 なことを、世界最大唯一の大国がいつまでやっているのだろう。

釜山港に先月25日に輸入された15.2トンの牛肉から、現行の輸入衛生条件では認められていない骨付き肉が発見されたのである。結局は、輸入取り決め違反のカーギル社の牛肉15.2トンと、タイソン社の牛肉51.2トンも国内向け加工品であることが確認された。

明らかに、アメリカは日本を見くびっていて、韓国は更に下に置いて、見下しているように思えてならない。検疫体制などの改善など考えてもいない。アメリカは、無検査で牛肉が輸出されるのを待っているだけなのである。

日本に輸入される牛肉の多くが、オーストラリア産になっているがこの国も安心はできない。数年前に、人にも感染して死に至らしめる牛の病気「炭疽病」が何頭も確認されている。この病気は、衛生的であればそんなに見られる病気ではない。過去に発病の経歴があると、強い菌なので場所を変えるなどすれば済むことである。

オーストラリアとは、FTA交渉の最中であるが、昨年度は極端な干ばつで全く小麦などが収穫できなかったのである。安いものなら、海外に求めるのが消費者に利益を還元することになるとする、市場経済で食料を語ってはならない。

BSEについては、ここ数年で大きく検査態勢や、病気に対する獣医学的な見地が変わることが予測される。牛肉をBSE対策だけで見てはならない。

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そりゃ国益が優先するさ

2007-04-10 | ゲノム編集

北朝鮮の核実験に対する、国連の制裁は極めて速やかに行なわれた。日本とアメリカの主導によるものであった。とりわけ、中国を条件を緩和させながらも取り込んだのは、効Ussjohnc_stennis1 果的であった。と思われていた。

ところが、僅かその3ヵ月後にアメリカはこれを履行していなかったことが判明したのである。ニューヨークタイムス紙によれば、今年1月末に、北朝鮮からエチオピアが武器購入を行なっていたことを、黙認していたことがわかったのである。

アメリカは、ソマリアの反米勢力を押さえ込むために、エチオピアに肩入れしていたのである。所詮アメリカはこんな国である。アメリカにとっては、北朝鮮より急を要する中東の方が重要なのである。日本が思っている(安倍ボンは慕っているのかもしれない)ほど、北朝鮮を大きく見てはいない。

Photo_107 アメリカの関心は北朝鮮の武器が、反米のために使われるかどうかが最も重要なことなのである。京都議定書に対する態度を見ていると良く解かる。アメリカにとって、協定書や協約事項など、国益の前にはほとんど意味を持たないのである。

テロ国家、悪の枢軸となじって交渉の対象としなかった北朝鮮に、平気で何で作られたか解からないお金を返すし、重油を差し上げるのである。核の拡散を防ぐためなら、何でもやるのである。

私たちは畜産関係者は、BSEに関するアメリカの姿勢を見てそれを学んだ。アメリカはイラクに対しては「大量破壊兵器が存在しないことが証明されない限り、大量破壊兵器は存在する」と発言しイラクに侵攻した。が、BSEに関しては「BSEの存在が証明されない以上、BSEはアメリカに存在しない」と発言してアメリカ産牛肉の輸入拒否を非難した。こうして平気で、ダブルスタンダードを貫くアメリカは、国益こそ優先される課題なのである。

それを知ってか知らずか、北朝鮮への経済制裁の半年延長を決定した。こうした政府の姿は、国内へ向けてのパフォーマンスの意味はあるが、北朝鮮に向けてはいい口実を与えるばかりである。

今週いっぱいで、寧辺の核施設が封鎖されるタイムリミットなのであるが、北朝鮮もアメリカもそんなことが出来るとは誰も思っていない。日本の外交はどうしてこんなに子どものような交渉しか出来ないのだろうか?

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そりゃ食えないだろ

2007-03-30 | ゲノム編集

男性の生殖能力が、妊娠中の母親の食べた牛肉の量に比例する、衝撃的な報告(Human Reproduction2007.3.28.)が出された。1週間に7回以上牛肉を食べた母親からの生まれた男性の精子数は、正常値の24.3%も少なく、不妊治療暦が平均の3倍にもなっていた。

又、これらは男性の場合の氷山の一角であって、女性の卵巣疾患や妊娠暦や出産暦、彼女たち自信の成長に関わる問題など、複雑な内容を今後困難な調査をしなければならないとしている。

Photo_102  アメリカでは通常牛肉の生産には、3種類の天然ホルモン(エストラジーオール、テストステロン、プロジェステロン)と、3種類の合成ホルモン(ゼラノール、トレボローン・アセテート、ロール・アセテート)の6種類のホルモンが使用されている。天然ホルモンと言っても、自然界にあるホルモンと分子構造が同じだけであって、試験管内で微生物などを利用して製造されるものである。

安価に製造されるホルモンは、乳牛にも広く応用されて成長ホルモンなどは、泌乳効果が高いため数10%のアメリカの牛乳はホルモン処理されたものと言える。

ホルモンの残留に関しては報告などはないが、EUではすでに1988年にこれらの使用を禁止している。が、今回の報告は、ホルモン処理された牛肉の安全性について強く疑問を抱かせるものである。とりわけ、妊娠胎児や幼児については、より一層の安全が求められるものである。

今、国際獣疫事務局(OIE)が、アメリカのBSE危険ランクを下げたことに伴い、の本がアメリカに課している30ヶ月以下の制限撤廃を迫っている。4月にも行なわれる、日米首脳会議の主題になりそうである。

安倍ボンは、小泉前首相を見習って、手土産にホルモンまみれのアメリカ産牛肉を日本国民に食わせても良いと、言い出すのかと不安である。アメリカ産牛肉を、BSE問題に押しとどめるのは狭量で極めて危険な視点で、あると言える。

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そりゃBSEは疑問のままだろ

2007-01-11 | ゲノム編集

イギリスで、BSE(狂牛病:牛海綿状脳症)の人への感染形態とされているvCJD(異型クロイツフェルト、ヤコブ病)の発生が極端に予測を下回っている。イギリスのガーディアン紙によると、1996年の時点で人への感染予測は、この10年で最大で10万人を超える発生があるとされていた。

ところが、この10年間 でイギリスでのvCJDの発生は、160名であった。この数字を喜ぶPhoto_66べきかもしれない。イギリスでは、BSE感染牛が20万頭を超えていたが、治療方法も生前の診断ができない中で、人への感染がほとんど恐怖の中で予測されていたことを思うと、異論はあるにせよ一つの区切りとしてみたほうがいいと思われる。

イギリスでは死亡した人の、扁桃腺をかなり採集しているようであるが、異常プリオンは一例も確認されていない。1986年の初発から20年を経過しているが、いまだに病因は不明であるし、vCJDの潜在感染者数も分からないままであるし、感染経路も解明されていない。唯一判明されたのが、この20年間でvCJD160名という数字である。当初の、誰もが未経験であった中でのことを思うと、ひとまずは人間への感染は溜飲を下げていいものと思われる。

単発的な情報はあるものの、最も基本的な問題である、BSEはどこから来たのかという疑問の回答はいまだにないままである。健康なプリオンが自発的に異常になることも排除されていない。

わが国では、31例のBSEが確認されているが、本ブログで述べた(12月28日)とおり、ある傾向はつかめてはいるものの、原因などの特定にはたどり着けずにいる。

BSEの人への感染が、当初ほどの恐怖、危機感は減じたとは言うものの、いまだに病因は不明のままである。こうした意味でも、牛の検査は継続されなければならない。

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羅臼港

春誓い羅臼港