そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原子炉の底でやっと見つけた”穴”、これからどうする

2017-02-06 | 原発と再生可能エネルギー
この連続写真が撮影されたのは、福島第一原発2号基の圧力容器の真下にある空間部分である。横から穴をあけて、ロボットが汚染部分に入り込んで、やっと撮った連続写真である。直径2メートルほどの穴が開いている。内部の放射線量は、最大で1時間あたり530シーベルトと極めて高く、人なら3秒で死に至る高汚染度である。
しかもわかったのは穴の大きさだけである。溶融した核物質がメルトダウンしたどころか、メルトスルーしている可能性すらある、この穴である。しかも解ったのはたった一基の特定部分だけである。
この時生まれた我が家の孫は、この春小学校へ入学する。6年経ってやっと一基に核燃料が抜け落ちている、”かもしれない”穴を見つけたのである。廃炉に40年とも50年ともかかると言われているが、それらの数字さえ怪しいだろう。
人間と原子炉とでは、時間のスケールがあまりにも違い過ぎる。人が原発を扱うためには、時間の長さから見るだけでも、管理などできるものではない。たった一週間しか生命を維持できない蝉に、80年以上生きる人間の管理を任せるようなものである。
事故当初は、「爆発が起きても人体に直ちに影響はありません」と、東京大学の研究者が入れ替わり説明を繰り返し、民主党の枝野もこの無根拠のフレイズを何度も吐いた。
事故処理すら未だに取り組むことができていない日本が、再稼働を平気でやり、世界に売り込もうとさえする姿は、客観的に見ると異常ですらある。まるで犯罪者が収監されずに罪の償いをしないまま、社会復帰するようなものである。防波堤内にコントロールされていると平気で嘘つく、安倍晋三にとっては原発に対する矜持など持ち合わせてはいないのである。


羅臼港

春誓い羅臼港