世界中が憂えているロシア・ウクライナ戦争である。西側は懸命にウクライナを支援する。ウクライナは武器が足らないと、ゼレンスキーはあらゆる機会、考えられる全ての手段を用いて訴える。
ロシアのウクライナ侵略から一月経った頃に和平案が浮上した。半月もあれば首都キーウィを落とせると呼んでいたプーチンはウクライナの中立化、非ナチ化、非軍事化を条件にした。
これに対して、理不尽な侵略を受け首都侵攻するロシアを退け勢いづくゼレンスキーは、即時停戦とロシア軍の撤退とクリミア返還を条件にした。プーチンが絶対飲めない条件である。ロシアの不条理な侵略にゼレンスキーは西側の支援で譲らないし、プーチンはなおさらである。仲介する国も団体もない。
いくら西側が支援したところで、戦力の差は15倍ある。ロシアは当初のキーウィを諦め東部二州と旧首都の占領に切り替えて、甚大な被害を受けながらも最低条件をクリアーしそうである。
最近になって報道は一斉に、西側諸国の”ウクライナ疲れ”とか”支援疲れ”などと言い出すようになった。膠着状態に近いといえる。それでも戦いは続き、死者は増え戦費は嵩む。ロシアに至っては、経済制裁のボディーブローがそろそろ効きはじめている。ウクライナは現在の被害の復興に、国家予算の3割にもなり日本円で30兆円かかると試算している。
通常なら和平案が出てきそうであるが、3月末から半月交渉したが、消えてなくなってしまった。ウクライナの代表者たちが不明の毒を盛られたと訴えている。真贋のほどは不明である。
ウクライナ支援の西側の徹底抗戦の正義派と和平派は各国に差はあるが、和平派の方が若干多いように見える。
アメリカは兵器販売の大口を失くない。武器は大量に提供するが、血を流すのはお前たちだというのである。和平にバイデンは全く興味がない。この戦争はアメリカにとって願ってもないロシアの弱体化に加えて、大きなビジネスチャンスでもある。
和平に取り組むおせっかいな国や団体もいないことが、この戦争のもう一つの不幸である。