そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

新たな戦前はもうすでに戦中にすらなっている

2023-11-09 | 戦争
昨年暮れの徹子の部屋で、終わる直前に徹子さんがタモリに、「来年はどんな年になるのでしょうかね」と聞いた。政治的発言は極力避けてきたタモリが少し考えながら、「新しい戦前になるのじゃないでしょうか」と答えた。タモリの思ってもみない発言に少々驚いた。彼が日本の終戦記念日の1週間後に生まれ、あのヘルメットゲバ棒で荒れた早稲田の只中での学生体験の反発であろうか、政治的発言を封印していた彼でも言わざるを得なかったのであろう。
「新しい戦前」は流行語大喪にもノミネートされている。軽薄な言葉と並べていただきたくはないが、大衆に知られることは警鐘になろう。ロシア・ウクライナ戦争、パレスチナ・イスラエル戦争と日本はアメリカの属国発言を繰り返し世界にその存在感すらない。
岸田文雄が野党からの質問で唐突に示した、「防衛予算の5年間の総額を43兆円に」が何とも奇妙な形である。そもそも予算を、予算額から発表するかつてない方法である。必要理由を積み上げて予算は決められるはずである。それを金額先行提示である。
この裏には、アメリカからの武器購入の金額の積み上げしかないからである。
FMS(Foreign Military sales )とは、メリカ国防総省が行っている対外軍事援助プログラムである。 Foreign Military Sales がどうして、「対外有償軍事援助」という訳なるのだろうか。そのまま訳すと、「外国への軍事販売」とでもなろうが、これはアメリカが、アメリカの武器輸出管理法のもと、アメリカ国防安全保障協力局(合衆国政府)が アメリカ製の兵器の取得や教育訓練等の役務を有償で提供を受けるものとなっている。支払いは前払いの即金となっている。防衛予算内では先送りとなる。早い話がリボ払である。43兆円の金額は実質50兆円越えとなる。
更に、維持管理はアメリカ側が行うとなっている。それを決めるのはアメリカ政府ということである。全く恣意的な選択が起きるし、金額は言いなりで、格落ちのかつての最新鋭を交わされる。
そんなにまでして、金額だけを決めてしまう。福祉予算や教育費でこんなに簡単には金額ですら決まらない。それほどまでしてこの国は、兵器を買わなければならないのだろうか。
そして一年前のタモリの予言は次第に現実味を帯び、新しい戦前はもう始まっているかとも見える。すでに新しい戦中になっていると、後年識者が指摘する現状にある。
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