党首討論をところどころ聞いていた。続けて聞く気にもならないお粗末な論戦であった。少なくとも、菅首相の言う“熟議”なるものではなく、菅首相自身からぶち壊すものであった。
税制のことであるが、話し合いましょうとやんわり持ちかけたようにも思えたが、カド番になって八百長相撲を持ちかけられて乗れるものかと、谷垣が語気荒く切ってしまった。菅は論戦を持ち出したのは彼方の方だと気色ばむ場面もあった。熟議どころか論戦にもなっていない。総じて、マニフェストの破綻を掲げる谷垣に、明快な反論もなく、徒に論点をずらそうとする菅の反論が目立った。
社民党の福島瑞穂党首の発言が正しい。「政策を盗んだものと、盗まれたものの論戦である」と言うのである。なるほど。国民は政党難民になるはずである。
消費税の自民党への抱きつきや、与謝野の入閣で自民党に近づいたと思いきや、迂闊にこれに乗ってしまうと菅政権の延命に手を貸す結果になると、谷垣の懸命の反論である。自民党は地方選挙で連敗中の民主党の足元をすくうのに躍起である。
民主党は、参議院の半数を確保したいために、公明党に秋波を送っていたがこれは多分無視されたことになったのであろう。それではと、参議院で否決されて衆議院に戻った時に、3分の2を確保するために、社民党に声をかけたが、これも断られた。普天間関連予算を計上しないなどと言ういい加減な言葉に社民党は乗らなかったのであるが、これは正しい。
この間に起きた、愛知知事、名古屋市長選挙を報道は大きく取り上げた。国政はその下になるのもやむを得ないだろう。民主主義の根幹問題は、国会になく地方議会の在り方に問われるものを求めたのである。
ところで民主党さん、「コンクリートから人へ」の政権奪取直後の、威勢のいい言葉は何処に行ったのでしょうかね。