そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

聖域なんてすぐになくなるさ

2013-02-23 | 政治と金

そもそも「聖域なき関税撤廃が前提ではない」という、自民党が選挙で掲げた二重否定の言葉であるが、まやかしのにおいがプンプンとする。TPP賛成派のブレインが考えたのに違いない。

オバマと首脳会談をした安倍首相は、共同声明を嫌がるオバマを説得して、このフレPhoto_2イズを引き出した。これで参加撤退が出来なくなった。これからの行く先を見据えて、財界人が賛成し、農協関係者が反対している。この共同声明の本質を二人とも理解している。日本はTPPなる無関税システムに日本は乗っかることになる。日本が参入しなめれば、アメリカも意義を見出せなくなる。

この文言は、TPP参加するために反対派に配慮したものである。TPPの本質は、すべての商品と制度について関税と規制の撤廃である。でなければ、TPPの意味がなくなる。

参入してしまえば、『聖域』など簡単になくなってしまう。何が聖域になるかを巡って、駆け引きが盛んになるだろうが、せいぜい10年程度のことである。いずれそんなものは撤廃されて、日本に地方は疲弊することになる。

農業に象徴的な意味を持たせてはいるが、大量生産システムも大消費地もない地方は、競争力という意味不明の経済用語で、あっという間に凌駕されることになる。医者が子供に注射する時に、「痛くないよ」と嘘をつくのであるが、それと全く同じである。この嘘は誰も咎めない。

やがて何が聖域かの論議で業界同士の綱引きが始まり、喧嘩両成敗になる。そしてそんなもの何時の話かということになる。地方が疲弊し、食糧の危機を感じるようになってから、やっと気が付くのであろう。

人類は、各々の国や地域や地方で、気候風土や歴史や文化や民族や宗教など、数多くのことを不均等に発達、発展させてきたのである。そのことを均一にしようとすると、経済的に優位の物が勝つに決まっている。

負けたものを弱いと揶揄するのは当たらない。固有の文化などを否定するからである。お互いに均等になるように調整する役割が、関税なのである。関税は平等のために存在するのであるが、逆の思想を持つのがTPPである。もうかなりこの枠は崩されているが、今回のTPP参入でそれはさらに加速されることになる。

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1 コメント

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多分に象徴的にはなっても、やはり農林水産業は額... (小国寡民)
2013-02-24 09:18:46
多分に象徴的にはなっても、やはり農林水産業は額に汗する人たちによって成り立っていますね。農業は国の基。関税についての的確なご意見に敬服いたします。
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