終わってみれば小池百合子が圧勝した七夕決戦と言われた東京都知事選挙であったが、同時に行われた東京都議会補欠選挙が注目されている。
石破茂はこの東京都議会選挙は、衆議院選挙の先行指標になると位置づけている。ステルスで支援した小池は現職の強みで勝てたが、都議会補欠選挙は別である。地方選挙6連敗とも8連敗とも言われる自民党はここでも惨敗している。
2勝6敗であるが、2勝は下村の板橋区は野党が割れ乱立の結果であり、府中は個人的な信望のある方でようやく勝てたというのである。自民党は全敗といっていだろう。
自民党都連会長の萩生田光一の八王子は哀れであった。5万票の大差は、裏金も統一教会も真っ黒けのど真ん中の人物萩生田への批判である。
つまり国政選挙は惨敗が見込まれれる下地はそろった。岸田文雄は幾度かのなんちゃって減税の評判を見て、どこかで取り組もうと目論んいでいた解散総選挙のタイミングなど、いつまで待っても訪れることがない。
裏金問題は、党内処分もやらなければ、実態解明にも取り組まない。あれをやったとは誰も思っていない。新たな選挙資金規正法もズブズブで全く変わらないか、むしろザルの目を大きくした感すらある。
自民党は国政選挙に怖気づいたままで、自らを変える手段を持っていない。これまでやってきたように、時の流れが忘れさせるとする手法を今回も選択することになる。今のところ効果がないが。
立憲民主党も動きが取れなくなった。多くのメディアは共産党との共闘が批判するが、今年に入っての国政補欠選挙でも、知事選挙でも共産党との共闘が票を掘り起こしている。知事選挙など地方選挙は現職が圧倒的に強いのであるが、国政選挙は別であろう。ただ蓮舫の得票があまりにも少なく、石丸に食われた感がある。
小池のYouTubeは3500回に対し、蓮舫は約1万回であったが、それを石丸は約30万回と比較にならないネットの利用が今回の投票率を上げ、石丸に票を集めた。
しかし、当初から石丸の広島での動きを見ていたものにとって、石丸には組織論や運動論の持ち合わせがない。敵がいる間は存在感を示せるタイプの男である。石丸は経済成長の効率の効率を高めて、東京の持つ経済の分散を図るとするのである。
ネットの持つ急速性、拡散速度は浅薄性と同居するものである。今回のように早ければ早いほど、中身のなさが際立つものである。
石丸の言うように、国政への挑戦は可能性だけに留め置くべきである。今回の票の多くは彼のキャラクターにいよするものと理解している。
国政の動向は都知事選前と変わりはない。野党共闘でしか自民党と対峙できない。
しかしそこには民主主義のプロセスとして政治家に課された重要な説明責任が決定的に欠落している。
これはまるで絶大なカネやコネの力で試験も受けずに裏口から有名大学に入る裏口入学と変わらない。
その上公務の定例会見で御用TVであるTV朝日の島田某記者の質問で滔々と選挙活動の話をする地位利用(これについて郷原、上脇両氏が公選法違反で告発中)
安倍友早河洋会長率いるTV朝日がまるで出来の悪い不良な生徒をカンニングで助けているような構図である。
本来やるべき政治家としての義務、民主主義のプロセスである説明責任という作業をすっかりスポイル。圧倒的物量支援を頼みに圧勝した小池百合子。
そこに民主主義の正当性は皆無だ。カネと組織票だけで権力を手にする自民党方式を徹底踏襲しただけ。日本がとりわけこの十年あまり凋落が激しい根本原因。小池百合子がその図式を明確に見せて勝った。
今後は有権者の民主政治へのリテラシーが一層問わ
れるべきだろう。