そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

異論封じのガースー政権

2020-12-21 | 石破茂

幼いころ何でも興味を持つ私に、丁寧に説明をしてくれる親切な高校の先生が近所にいました。その方にある日警察が土足で住宅に入って、うちの中をめちゃめちゃにして、先生をしょっ引いていきました。その先生は共産党員だったのですが、幼い私はただただ恐ろしかった記憶が鮮明に残っています。これがレッド・パージだと知ったのはもっと時間が経って、高校辺りで歴史を学んでからである。
今日のBS-TBSの”報道19830”は、近代史研究家の保坂正康先生の独壇場であった。近現代史、明治維新からの歴史に詳しい我が国の第一人者である。土曜同局の昼、関口宏のもう一度近代史も欠かさず見ている。
保坂さんの指摘は、レッド・パージはマッカーサーの支持を受けて吉田茂がしたことである。戦後の戦争協力者の公職追放も、GHQの支持で20万人もの主に公務員を公職追放した。いずれも強力な権力の下、政権が行ったものである。
ところが今回の、日本学術会議の6名の任命拒否は、権力者が直接行ったという一点で異常である。学問の自由以前の問題である。6名の人権や名誉を平然と傷つけた。
権力は反対勢力を追放する。今回はその理由があまりにも拙劣である。理由の体をなしていないし、内容は解答拒否であって、行き詰ると「人事に係わることなので“お答えを差し替える”」というのである。
結局イエスマンだけを侍らせ、進言する人物がいなくなったのである。進言した杉田和博という元警察官僚の内容も見ずに、菅はめくら判を押しただけである。こんな大きな問題になるとは、菅は考えていなかったのが実情である。
警察官僚らしい、ファシズム行為といえる。良い悪いという内容は別にして、安倍晋三には側近がそれなりの数いたが、菅義偉にはほとんどいない。杉田の学術会議の一件も、8名での忘年会会食の一件も誰も耳打ちするものがいない。保坂氏は、安倍体制より良くなると思ったが、残念でならないと述べていた。
それでいて異論封じは徹底的である。引くところがない。後付け理由が醜く、私たちに未来を与えてくれない。

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