そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

幸せに飼われている家畜から生産された肉・卵・牛乳を戴きたくありませんか

2016-06-19 | アニマルウエルフェアー
家畜に優しい飼い方をすることを支援する法人を立ち上げました。北海道新聞の記事です参照ください。先進国の畜産は、この30年ほどで大きく変わりました。多頭化・高能力化が設備として、機械としてさらには穀物給与を大量に消費する形として大きく変貌しました。この間の畜産をめぐる技術革新は、すべてが大型化と高生産への道であると断言してもいいものでした。
特に採卵鶏の飼養形態は全く異質なものになってしいました。私の知るある県では、約1000戸ほどの養鶏農家がいました。ところが現在は1戸しかありません。しかも大きな企業が行っていて、鶏舎が10ほどあるでしょうか、1鶏舎には1万羽ほど閉塞された空間に飼われています。それでいて県内の生産量は以前を上回るほどになっています。飼養形態は穀物給与が主体で、ケージという檻の中で羽根も広げることができない、地面に接することもできない、それでいてエサはたっぷり与えられる環境です。ニワトリに苦痛を与えるこうした飼い方といえます。この間卵の値段は上がらず、”物価の優等生”といわれるまでになっていますが、その陰には家畜の苦痛があるのです。すでにEUではこのようなケージ養鶏を禁止するようになりました。それは家畜を命ある動物として扱い、苦痛を取り除き、人間の貢献してくれることはの感謝をこめて、『家畜福祉(アニマルウエルフェアー)』という考え方です。
乳牛でも同じような現象が起きています。多頭化は牛との触れ合いをなくし、管理を疎かにし牛が出すシグナルを見落とします。高泌乳化は乳牛に多くの病気を引き起こします。高泌乳化は人と競合する大量の穀物を給与することになります。多頭化・高泌乳化は多大の投資を伴います。高泌乳化は乳牛の早期淘汰につながります。
つまり農家には多くの牛乳代金が入りますが、8~9割は関係企業や団体に支払うことになるのです。つまり農家の手取りはあまり上がっていないのです。しかも乳牛には閉塞された牛舎で管理上の不行き届きや、高泌乳による苦痛を与えるばかりなのです。しかも乳牛は短命に終わっているのです。
これまでのように少頭数で酪農をしている穀物給与も少ない農家の収入と、大型農家の手取りに大きな変化はないのです。しかも少頭数農家は人も乳牛ものんびりとしています。特に乳牛はとても幸せそうなのです。こうした家畜から生産された畜産物を評価しようというのが、アニマルウエルフェアーの認証制度なのです。
そのために私たちは、社団法人アニマルウエルフェアー(AW)畜産協会を立ち上げました。大型化しその中で苦悩する家畜たちを救おうと思っています。消費者には、幸せで健康な牛からの牛乳を届けたいと思っています。

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2 コメント

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Unknown (タンケ)
2016-06-19 19:45:38
家畜や野菜を含む自然から命を戴き生きている我々人間は彼らに素朴に深く感謝すべきだと思う。豚や養鶏場の鶏の寿命は半年~1年ほど、乳牛は2~3年ほどだと聞く。乳牛も用が済めば肉にされるそうだ。子牛なら、雄は生後半年程で肉牛にされたり、死産ならそのままグラインドされて肥料飼料にされると聞く。鶏は雄ヒヨコはそのまま肉となり、雌鳥は体を動かせないほど狭いケージに入れられ、卵生むための機械如く扱いを受け続ける。そして、生まなくなれば肉にされる。(これら実態はYouTubeでも見れる。)

同じ命なのにこんな扱い受けながらも反乱などせず、人間のために従順にその命を捧げ続けている家畜にはあらためて感謝したいと思う。
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AW (サビちゃん)
2016-06-21 07:42:39

最近はもっぱらべジミートを買いますが、

社団法人アニマルウエルフェアー(AW)畜産協会 応援します。この記事も拡散します。

市場に商品が出回るのが楽しみです。
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