やっとアニマルフウエルフェアについて語られる時が来た。一昨日のNHKクローズアップ現代で、「卵の値段が上がるかも!?アニマルフウエルフェアって何?」と題して、やっと報道された。本ブログでは幾度にもわたって述べてきたが、これが国内最大の養鶏団体アキタフーズの吉川貴盛農水大臣への贈収賄問題がきっかけであったのは、さすが自民党というか日本のいかにも遅れた側面を見せつけている。
しかもこの事件は、安倍晋三が河合案里に1.5億円という過大な選挙資金を与えたことから起きた、未曾有の選挙違反事件の捜査過程でたまたま発覚した事件である。たまたま発覚した事案である。
鶏を命ある生き物とはとらえずに、産卵機械として飼養し、施設を巨大化して一養鶏施設で数万羽は当たり前で、時には10万羽を超えるのも珍しくはない。農業というには余りにも巨大で、膨大な外部資本と大量の外部資源(輸入穀物)に頼る工業的形態は、最早畜産加工業でしかない。
せまい施設に押し込めて、大量の飼料を給与できるのも輸入穀物飼料が無関税て安価であるからに他ならない。近年鳥インフルエンザなどの伝染病が間断なく発生し、大量の鶏が殺処分される報道が絶え間ないのも、こうした不自然な飼養形態と無縁ではない。
幸せな家畜から美味しく安全な畜産物をと呼び掛けてても、巨大な畜産資本は一向にお構いなしである。消費者も、本ブログで50円以下の卵は買わないようにと呼び掛けても、貧困層を大量に生み出す社会のシステムには歯が立たない。
この番組ではもう一つ大きなことを省いている。食料の問題である。世界には10億以上の飢餓状態の人たちがいる一方で、飽食を強要される家畜がいることに触れられていないのである。そのことも知っていただきたいものである。
かつて、上級国民しか食べられないとコメントした方がいらっしゃったようですが、そんなことはありません。食生活、ひいては普段の生活の考え方次第で自然卵くらいフツーに買えますよ。何から何まで自然卵でなくとも、生卵で食べる時は自然卵にしておこう、と言った考え方から始めればいいのです。
食という、生きるに基本的なことを第三者におんぶするようになってほとんどの方が今の食べ物がどのように生産されているのか知ることもないでしょう。知ったら最後、何を食べたらいいのか困惑するかもしれませんよ。
何も知らないで食べている人ほど、知ってから怒ったりするもので、知っているけれどそれでもそれを選択するというくらいの気構えで食べてほしいものです。