そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

競争力が食料の本質を置き去りにする

2007-02-15 | ドーピング

「あなたたちは車を売りたいのでしょう。私たちもあなたたちに売りたいものがあります。相互に利益が得る方向で交渉しましょう」とは、オーストラリアの、EPA担当者の発言であFood_from_cloned_animals_safe_to_eat_say_2る。

全ての品目をテーブルに上げるとも発言している。農産物、食料も例外ではないのである。食料を市場経済に委ねると、食料の持つ本質が価格の陰に隠れて見えなくなってしまう。

更に、国際化となると先進国が、機械化をして産業革命した後に、新大陸の広大な土地を先住民を追い払い、大規模化したところにかなうわけがない。オーストラリアはその典型である。日本でも、国内的には北海道が有利なのは、それに類したところPhoto_77 があるからである。

そもそも、食料の自給率を上げると、政府は大見得を切っていながら、本質的な対策はまるでやられてはいない。大型化を奨励し、企業の参入を容易にしたことで「国際競争力」が身に着くと、政府の要人たちは思い込んでいるようである。

価格競争を食料の本質にすると、安価にはなる見返りに、人の健康や環境全般や家畜を犠牲にすることになる。競争力がつくとはそういうことを意味するのである。今また、オーストラリアとのEPA交渉で、健全な農家を減らそうとこの国はしているかに見える。

日本の農業は一時的に活力を取り戻すことがあったとしても、田畑は荒れて家畜たちは使い捨てのように扱われ、環境は一層悪化することになる。

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