そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

深刻になりつつある海洋酸性化

2012-12-08 | 政治と金

ドーハで開催されているCOP18(地球温暖化対策を話し合う国連気候Cop変動枠組み条約締約国会議)であるが、相変わらず京都議定書を越えることはできない。中国とインドそれにアメリカが身勝手なことを言って、CO2の排出量の削減が遅々として進まない。

北朝鮮に国際化を促す資格は、中国はもちろんアメリカにもない。

その一方で、排出されたCO2をもっと多く吸収しているのが海洋であるが、そのためにPHの低下、酸性化が留まることがないようである。数年前から指摘されていたが、かなり深刻になっているようである。

次の表は東経137度を、名古屋沖から南へ北緯32度辺りから12度までの海洋のPHを測った、筑波大学濱教授の観察データーである。(クリックすると大きくなります)

01左の表は、2年前のPHのそのままの数字である。正常では8.1というのであるが、はるか南洋でしか正常な値がないと言える。深いところでは酸性が強く空気中の影響を受けないとされていた。

この表は、上の同じ海洋の断面を1994年と比較したもの02である。古いデーターは実測ではなく、資料からの推定であるが大きな差異はない。赤く濃いいところほど酸性化が進んでいることを表している。全体の酸性化の進行が見て取れる。

海洋は人が経済活動で生み出した、CO2の半分ほどを吸収してくれるところである。それは海洋生物が、取り込んだCO2から炭酸カルシュウムを生産して体を作るからである。

大きなところでは蟹など甲殻類や貝、更にはサンゴも身体づくりに取り込んでくれる。プランクトンも、大量の炭酸カルシュウムの生産をする。

ところが、大量のCO2を取り込むことで、海洋が酸性化して炭酸カルPhotoシュウムの生産ができなくなってしまうようになる。海の生態系が壊れてしまうことが予測されれる。多くの海洋動物が、炭酸カルシュウムを巧みに利用している。酸性化で石灰化の阻害が起きるのである。

しかも地上と異なり、全く打つ手がない状況である。日本は総選挙の真っ最中であるが、地球温暖化について公約で述べている党は、民主党が当初の計画を下げて、出しているに過ぎない。日本の政治家は、この深刻な海洋の酸性化について、何にも考えていない。

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1 コメント

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 1Lの海水から30g程の食塩を抽出し驚いたことが... (紫錦唐松)
2012-12-09 19:24:42
 1Lの海水から30g程の食塩を抽出し驚いたことがあります。
当時、pHは調べなかったのですが、正常値の数値がpH8.1に直観的にうなずくことができます。この数値はアルカリ性ですから、酸性化が進んでいるという表現が適切かも知れません。

私の理解ではアルカリ性を示すのはOH-によるものです。
ちなみに、二酸化炭素が水に溶け炭酸水になる化学式です。
(CO2 + H2 → H2CO3)
さらに、炭酸水は電離して水素イオンを生じます。
(H2CO3 → 2H+ + CO32-)
海水中に含まれイオンは十種類以上あり、Na+とCl-が圧倒的でOH-は数値化されていません。
 
地球温暖化という観点で見ると、メタンガスの影響を無視することができません。ちなみに、気体は冷たいほどは多く溶けます。

 かって地球に大氷河時代(スノーボールアース)がありました。火山活動(アバロン爆発)で二酸化炭素が放出され氷河が減少し、生物が生き延びられたと説明されています。その、二酸化炭素の多くは海水に溶け固定化されています。

 炭素循環に占める人間の炭素発生量は地球規模で見るとごく少量であり、二酸化炭素増加による地球温暖化への危惧(不都合な真実)を素直に信ずることができません。
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