そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

大隅良典氏の基礎研究にノーベル賞受賞に思う

2016-10-05 | ノーベル賞
2016年のノーベル賞「生理学・医学賞」の受賞が、東京工業大の大隅良典栄誉教授に決まった。大隅氏は細胞内で行なわれるたんぱく質のリサイクル「オートファジー」の分子メカニズムを解明した。自身の研究の始まりについて、「ノーベル賞につながる研究と思ったことはない」と振り返り、基礎的研究の重要性を強調した。

安倍晋三の政権運営は、疑似新自由主義の経済対策を行って一見好調のように経済を見せつけることで、票を集め政権の座を維持するというものである。金融政策と公共投資で経済の様々な指数を粉飾する、疑似新自由主義である。新自由主義が掲げる小さな政府ではなく、巨大な権力構造を持つ政権がなければ、こんなでたらめな政策などできない。
安倍晋三の本音は戦前への回帰、軍事国家を築き上げて国家に国民を従わせることである。国家機密法の成立、緊急事態法の成立、憲法改正、海外出兵を狙っているのである。強大な軍事国家の建設を、経済政策を目くらましに使うのである。安倍はこうした手法を繰り返すが、政治技術と自慢げに口にする。
経済政策はデフレ脱却を謳ってはいるが、疑似新自由主義は所詮労働者の賃金カットである。購買力を削ぐことで、いくら金融政策を打って出ても、デフレ傾向を抑えることができない。ついには金融政策はマイナス金利という禁じ手を打つまでになった。黒田総裁はほどなく事実上の解任されることになる。
この疑似新自由主義は、国立大学から文系をなくすことを検討する始末になっている。金目の物、経済効果を見込める物しか国は支援しないというのである。
日本という国家限らず、人類の発展繁栄、幸福は技術発展と経済発展だけで築き上げてきたものではない。安倍政権にとっては、金目の物しか、しかも今すぐ金になる物しか研究してはならないというのである。特に軍事研究にはどんどん金を出すと、具体的に動き出している。

生命の最小単位の細胞内では新たなものが作られるなり、何らかの機能を持つものがあり、ほとんどの研究者はこうしたことの研究に取り組むものである。ところが、ノーベル賞を受賞した大隅先生の研究は、その真逆である。整理されリストラされるたんぱく質がなど消えていくメカニズム、オートファジーの研究に関するものである。成果が何に発展するか解らない、典型的な基礎研究である。
こうした地道な基礎研究こそ大切にしなければならなない。ほとんどのノーベル賞などの大きな賞を受賞した研究は、研究成果が日の目を見てから、30年以上経ったものである。
どんな分野にでも、こうした基礎研究をされている研究者がごまんといることであろう。そしてその多くの研究は失敗しているであろう。大隅先生の評価はそうした消えてしまった、無数の研究の上に咲いた大輪なのである。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-10-06 01:01:15
出て大分経ってますが、このような本があります。

情報参謀

講談社現代新書

著:小口日出彦

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062883771
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Unknown (きなこ)
2016-10-06 05:33:38
消えた人、と言われますが、その方々も、本人は楽しく、真理や自然の秘密を探究されていたのではないですかね。どんな小さな真実でも、知ることに喜びを感じる、というところで。
大隅先生のご発言を聴いていますと、他人の評価や、応用実用の軽重など、そんな気にしな~いヨ、という感じがして、研究者らしい研究者、という周囲の評判が、なるほど、と思えます。
そういう精神的自由な見栄を張らない環境からこそ、目新しい真理が見つかることがある、科学にはそういう環境が必要だ、と、大隅先生は言われているのでしょう。

空っぽ見栄っ張りのソーリーとは、全く気が合わないタイプでしょうね(^m^)

オートファジー、面白そうですね~、解説本とか出そうで楽しみです。
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