そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ノーベル文学賞を受賞したボブディランに思う

2016-12-13 | ノーベル賞
同世代の反戦フォーク歌手のボブ・ディランが、ノーベル賞を受賞したのは少々驚いた。それが平和賞ならともかく文学賞であることも驚いた。ひょっとしたら辞退してくれるかと思ってはみたが、受賞はするとかなり遅れて公表したのにも驚かされた。受賞の記者会見がないのはともかくとして、授賞式に出席しないのも驚かされた。相変わらずシャイな男である。
ノールウェーでは、ボブ・ディランが文学賞を受け取ったのであるから、詩への評価ということであるからと、それをどのように評価するかというシンポジュウムさえ開かれている。
ボブ・ディランの若いころの記者会見は、軽妙洒脱で彼の記者へ返す言葉が面白かった。決して刺のある言葉で返すことはなかった。デビュー当時に、30代以上の人間には理解できないからあなたの歌をどういうレッテルを貼ればいいのかと聞かれ、30代以下の歌と思って聞いてくれと答えている。彼は詩と曲は一体化していて私は単なる芸人でしかないとも述べている。歌のためならどんなレッテルでも呼び名でも与えてくれて構わないと述べている。歌とは反して人には背くことのない従順な人間であるが、シャイになったのは40歳以降ではないだろうか。
ジョーンバエズが彼は変わっていて気まぐれである。聴衆に背を向けたまま歌ったこともあるが、変人であるから彼を評価すると彼女は述べている。
それにしても、ボブ・ディランにノーベル文学賞を与えるのは、反対ではないがどうしても違和感がある。平和賞もそうであるが医学や物理などの科学の世界とは異なり、評価については主観があまりにも強くなり過ぎている気がしてならない。オバマや佐藤栄作などに与えた、平和賞については後に噓がばれたり異なる見解や行動をした時には、はく奪するくらいの勇気があれば、ノーベル賞の権威が上がるものである。化学賞を受賞したフリッツ・ハーパーのように、研究成果を毒ガスや化学兵器に転用させヒトラーに貢献し戦争に加担した場合も、はく奪するべきではないか。そうした方が、ノーベルの思想に沿うものと思われる。
絵画や彫刻などの芸術一般を対象にした、芸術賞などがあれば文学に偏る芸術分野の解消にもなろう。ボブ・ディランの文学賞受賞に違和感を覚えながらも喜ぶ一人である。

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2 コメント

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金に翻弄さてはならないのが科学者 (唐松)
2016-12-13 21:29:16
 先週です、近所の学生アパート入り口に「ボブおめでとう」と書かれた垂れ幕の前で集合写真を写していた若者がいました。思わす仲間になりたいと近づいたら3m×0.5m程の垂れ幕を外し、蜘蛛の子を散らすように霧散しました。若者!!、自信を持てと思った瞬間でした。

 アインシュタインは物理学者として、核開発に反対しました。フリッツ・ハーパーは無機から有機化学へ橋渡し導いた天才です。
 思えば、黒煙火薬からダイナマイトを発明したノーベルが政治利用された遺恨で作られた賞です。
 これが大隅さんのオートファジーにつながっています。ちなみに、私の時代は遺伝子解錠の鍵を探していた時代でした。
 今でも子作り励むディランに憧れを持つだけです。
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Unknown (タンケ)
2016-12-14 11:32:50
爆薬発明したノーベルの悔恨と反省で生まれたとされるノーベル賞だが、これの受賞を手放しで喜んでよいのだろうか。デイランは、彼自身が体制エリート側に最後に取り込まれたことに躊躇し、暫くの間受賞を躊躇したり授賞式参加しなかったと考えられないだろうか。この賞はいかにも権威的なため一部エリートらを喜ばせるだろうが、やはり愚賞そのものだ。なぜなら、佐藤栄作やオバマなどが平和賞を貰ったことを見てもそれが判るからだ。ノーベル賞は正に「お笑い草」であり「金持ちの悪過ぎる冗談」に見えて仕方がない。
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