磯田氏の本2冊目。
私的には★★★★
物差しが違う。
読み終わるまで終始その思い、なのに、数百年前の私たちの国であり、こんな「かつて」を経て今に至っているのだと、つくづく感慨、です。
戦国の世から、江戸期3代頃までは、戦力での圧倒的勝者でなければ、命の保証がない。
自分が、自国が安定、領土拡大のために、あらゆる策略をとるのが有能な武将。
なんどか、このころは、まだ人権という意識はない、という著者の文章にでくわすが、思いやりのある二代目などは、後継者としてはイエローマーク、という世界。
家康は3歳の孫娘珠姫を外様大名前田利家の子(加賀の3代目)に嫁がせる。乳母を始め付け人を付けて。この乳母や付け人は、隠密の役回り、なのだと。
珠姫は、子供を産める歳の16歳から24歳まで8人の子を産んで死ぬ。加賀藩3代目当主の夫である前田利常と睦まじかった珠姫に、隠密役らが家康様の使命に叛いている、将軍家の姫ともあろうものが、家臣の夫に心打ち解けては、と危惧して企んだとも。
もう少し時代が後になると、正室は江戸住まい。空閨の大名に、江戸徳川は美しい女性を側室に送りこむ。奥向きで女性三昧になったとしたら、幕府の思う壺。幕府は大名のバカ殿化大歓迎、だったのです。
武勲によって、大名の領地をあちこち変えるも、禄高の加増、取り上げも自由自在。
うーん、そういうものだったのか、と、多分膨大な古文書という資料を熟読されて記された、この話は、どれも興味深く読めました。
家康が秀吉に呼びつけられたとき、用心のために、秀吉の母親を人質に預かってから、出向いた。
そういえば、前田利家の妻まつも江戸に人質として住まわされていた、という話も。
母親や妻をいとおしいと思う感情があるからこそ、の人質効果なのでしょうが、この発想って、中世ヨーロッパの各王家の婚姻にも通ずるところがあります。
本を読めるって、いいですね。こういう歴史をもっているのだ、と文字を通して知ることが出来るのですから。
私的には★★★★
物差しが違う。
読み終わるまで終始その思い、なのに、数百年前の私たちの国であり、こんな「かつて」を経て今に至っているのだと、つくづく感慨、です。
戦国の世から、江戸期3代頃までは、戦力での圧倒的勝者でなければ、命の保証がない。
自分が、自国が安定、領土拡大のために、あらゆる策略をとるのが有能な武将。
なんどか、このころは、まだ人権という意識はない、という著者の文章にでくわすが、思いやりのある二代目などは、後継者としてはイエローマーク、という世界。
家康は3歳の孫娘珠姫を外様大名前田利家の子(加賀の3代目)に嫁がせる。乳母を始め付け人を付けて。この乳母や付け人は、隠密の役回り、なのだと。
珠姫は、子供を産める歳の16歳から24歳まで8人の子を産んで死ぬ。加賀藩3代目当主の夫である前田利常と睦まじかった珠姫に、隠密役らが家康様の使命に叛いている、将軍家の姫ともあろうものが、家臣の夫に心打ち解けては、と危惧して企んだとも。
もう少し時代が後になると、正室は江戸住まい。空閨の大名に、江戸徳川は美しい女性を側室に送りこむ。奥向きで女性三昧になったとしたら、幕府の思う壺。幕府は大名のバカ殿化大歓迎、だったのです。
武勲によって、大名の領地をあちこち変えるも、禄高の加増、取り上げも自由自在。
うーん、そういうものだったのか、と、多分膨大な古文書という資料を熟読されて記された、この話は、どれも興味深く読めました。
家康が秀吉に呼びつけられたとき、用心のために、秀吉の母親を人質に預かってから、出向いた。
そういえば、前田利家の妻まつも江戸に人質として住まわされていた、という話も。
母親や妻をいとおしいと思う感情があるからこそ、の人質効果なのでしょうが、この発想って、中世ヨーロッパの各王家の婚姻にも通ずるところがあります。
本を読めるって、いいですね。こういう歴史をもっているのだ、と文字を通して知ることが出来るのですから。