日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

明治村の乗り合いバスで一巡しながら、の話。

2018-07-01 06:56:55 | 私の雑感あれこれ
梅雨の季節。降雨が心配される中の行楽でした。
だから、広葉樹の葉っぱは生き生きとしていて、東京ドーム21個分の広さがある村内を巡るのです。
昭和36年に開業。開業当時は15棟の明治時代の建築物が移築されてのスタート。現在は68棟あるそうです。
正門から旧帝国ホテル前まで20分かけての運行。そしてまた正門へと戻ります。道中に見える建物について、都度都度アナウンスが入るという親切バージョンです。
旧帝国ホテルはが東京に建築されたのは大正12年。あの関東大震災の年でしたが、建物の被害はなかったそうです。
昭和42年まで現役のホテルとして、内外の要人に利用されたホテルでした。閉館となったホテルがこの地に移築するには10年超の歳月と今のお金にして30億円もの費用を要した、とか。
こんな、運転手さんの説明を聞いていると(車内は、Sさんと私の二人だけ)
Sさんが、ポツンと「私、帝国ホテルに泊まったわ。帝国ホテルの前から人力車が出ていて、それに乗って東京見物したものよ」と。
アレレ!!
いくらなんでも、このホテル(旧)ではないでしょう。

うん、今の帝国ホテル。観光用の人力車がホテルの前に来ているのよ、と。

運転手さん「そりゃ~、(お宅は)お金持ちなんだ~」と。

・・・そうなのです。彼女が特に、じゃなく、豊かな高齢者軍団みたいなところがあります。・・・

人力車に誰と乗ったの?

お父さんと。

お父さんって、あなた、一人暮らしでは?
(この日帰り旅行は、一人暮らし高齢者であることが参加条件なのです)

そうよ。

では、お父さんはいつな亡くなったの?

10年前。

ということは、今の話(帝国ホテルと人力車の話)は、お父さんが生きていらっしゃった頃のことね。

ということで、納得。

なんだか、いい話を聞いた気がしました。
晩年(多分80代になって)、奥様を連れて帝国ホテルに宿泊して、人力車に揺られながら、東京の街を巡る企画をなさったお気持ちが伝わってくる気がしました。

間接的に聞いたことがあるのです。Sさんの夫君はシベリア抑留体験者ということ。一兵卒ではなく、将校コース(軍隊の仕組みは知らないけれど)で、とにかく勉強しないことには認められなくて、一生懸命勉強した人だった、とか。

大勢の死者が出た中で帰国でしたひとり。

人力車は大本営があったあたりをも案内したかもしれないけれど、どんな思いで眺められたことか。

※ 実は私、先日、秋田の角館で初めて人力車体験をしたのですが、車夫の方の解説が江戸時代の佐竹藩の事情から戊辰戦争の話題までと、期待以上だったので、人力車体験に好意的なんです。


前前記事書いたように、時間には間に合ったし、彼女は大いに喜んでいたし、で良かったかな、と。

コメント (4)
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