哲学の科学

science of philosophy

内容解説と抜粋

2010-09-11 | 読者のための案内

 

    

 どの章から入っても読めます。飛ばし読みでも大丈夫。

 専門知識は要りません。科学用語や哲学用語は少しだけありますが、知らなくて問題ありません。

哲学的な発想に興味はあるけれど勉強は嫌い、という人にお勧め。筆者がそうです。

わずかな数の筆者自家製の造語がありますが、『拙稿のキーワード』としてサイドバーに索引があります。見なくても問題ありません。ひっかかる言葉があったら、「哲学の科学」の索引検索を引いてください。

 

やさしい書き方でも科学的に品質の高い内容は表現できます。哲学的内容も、ことさらむずかしい言葉づかいをする必要はありません。やさしい言葉のほうが、むずかしい内容を正確に伝えることができる、という拙稿の信条にしたがって、書かれています。

 

  最新版→『哲学の科学』の草稿版はブログ『哲学はなぜ間違うのか?』にほぼ毎日掲載。草稿はたいてい土曜日にまとめられて、『哲学の科学』に掲載されます。

  挿絵→ブログ『哲学はなぜ間違うのか?』には一回飛ばしくらいで挿絵がありますが、本文と何の関係もありません。クリックする必要なし。筆者の自己中な西洋古典画趣味の押しつけです。

 

プロローグprologue

 

 

目次contents

 

 

第一部 哲学はなぜ間違うのか  why philosophy fails?

 

 

1  哲学はなぜ間違うのか?   why philosophy fails?

 

哲学はなぜ負け犬なのか?

 言語を使って哲学を語ろうと思うことから、もう哲学は間違う。言語は哲学を語る道具ではなく、空気を読み合うための道具です。命とか心とか、自分とか社会とか、愛とか死とか、感情に訴える神秘的で深遠に思える人生上の問題を、言葉だけを使って語りつくそうとするから、哲学は間違えていく。

 

2  言葉は錯覚からできている  words are made of illusions

 

言葉は現実を語れるのか?

 言葉は現実を記述する道具ではなく、仲間と錯覚を共有するための道具です。たとえば「自分の命」あるいは「地獄」などという実体が脳の外には存在しないとしても、そういう錯覚の存在感を発生させ、仲間とその感情を共有して集団行動に結びつける脳の機能は、人間が子孫を残すためにとても役に立つ。

 

3  人間はなぜ哲学をするのか?  why do humans do philosophy?

 

哲学が謎であることは謎ではない。

人間が自分の人生を謎と感じるような脳を持っていること、その事実自体は、まったく謎ではない。人間は、世界が変化する原理を知りたがり、仲間の多数派の考え方を知りたがり、権威ある教えを身につけ、それを自分の行動に織り込んで集団として効率よく生活していくような脳を持っている。

 

4  世界という錯覚を共有する動物   animal sharing an illusion of the world

 

人間は、世界が存在すると錯覚する動物である。

人間の脳は、仲間の人間集団の運動に共鳴する神経回路を働かすことで、世界があるように共感する仕組みを持っている。人間は、言語以前に仲間と共鳴共感することで世界の存在感を獲得していてそれが言語の発生を導いた。自然科学の描くような物質世界はもともと存在しない。もちろん、目に映るこの世は存在しない、命は存在しない、心は存在しない、意識、苦痛、幸福というものは、実は存在しない。自我とか自分というものも、やはり存在しない。私は存在しない。死は存在しない。存在は存在しない。そして、それら存在しないものが、なぜ存在しているようなのか? なぜ存在しているように思えるのか? それは現代の科学知識だけを使っても、ある程度見分けることができる。そしてそれを知ることはちっとも怖いことではない。

 

5  哲学する人間を科学する  science of doing philosophy

 

世界があると錯覚する人間の身体構造を科学する。

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