哲学の科学

science of philosophy

高齢社会の終相(3)

2024-08-24 | その他

動物は身体が弱るとエサが食べられないのですぐ死ぬ。苦しむ暇がない。孤立して仲間と一緒に行動できないとエサが食べられないのですぐ死ぬ。さびしさを感じる暇がありません。
人間は身体が弱っても誰かがエサを食べさせてくれるので、かえって苦しんで死んでいく。年を取って孤立してもコンビニや福祉があるのですぐ死にはしないが、結局かえってさびしく死んでいく。因果なものです。
ペットや動物園の動物は介護されて死にます。野生の兄弟に比べて寿命は二倍以上になりますが、彼らは幸せなのか?
子孫繁栄の夢
子どもを産んでおけばその成長を楽しむことができます。昔の人は五十代くらいで死んで、そのとき子供は三十代くらいなので、たくましい子供を残して死ぬことができました。子孫の行く末が楽しみ、と思うこともできました。
後期高齢まで生き延びてしまうと、子供自身も老年に入ってきてしまい、あまり頼りがいがない。人口減少と国力低下ばかり語られるようでは、自分たちは悲観的老境にある、と思うようになるのも無理ないでしょう。








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高齢社会の終相(2)

2024-08-17 | その他

ひたすら延命
日々の生活が楽しみ。身体が衰えることで今の生活を変えたくない。
生活費は節約して、貧困化のリスクを避ける。一日でもふつうの機能を維持するため、健康対策は欠かせない。ひたすら延命を心がけます。そうはいっても、頑張りはいけません。過激な節約や健康志向はかえって身体に害ですから、適度にします。
毎日のルーティーンに節約と節制を組み込んで、それを楽しみにするとよい。歯を磨いたり、風呂に入ったり、廊下の電灯を消したりします。散歩など身体を緩慢に動かすのが人生最高の楽しみ、となってきます。

老人の夢
それでは明日の夢もなくて、退屈でしょう。過去の人生は失敗と悔恨の連続。未来はもうあり得ない。だから老人にはなりたくない、と若いころは思っていました。
だが、実際老人になってみれば、気分はそう暗くもありません。
老人には明日がない。明日がなければ「明日からは何をしたい」と言っても聞いてもらえません。ニヒルにならざるを得ません。しかし、ニヒルといってもこれは、うつうつと暗く救いがない、という若い頃のニヒルとは違います。
猫もニヒルですが、暗くない。吾輩は猫である、とも思っていませんが、猫であるのは嫌だとも思っていないらしい。どちらかといえば明るい。おおかたの年寄りは、若い人よりも実は笑っていることが多い。機嫌が悪いということはありません。
明日がなさそうな老人でも、ニヒルなりに、夢とはいえないが妄想はある。ピンピンコロリであるとか、子孫繁栄とか、夢のごときもの、はあります。その実現は、残念ながら、むずかしそうです。不可能ではない、という程度でしょうか。

動物の夢
ピンピンコロリであるとか子孫繁栄とか、人間以外の動物は、夢ではなく当然のごとく簡単に実行しています。人間は願っていてもうまくいかない。
人間だけが、最後に、苦しんでさびしく死んでいく。なぜか?







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高齢社会の終相(1)

2024-08-10 | その他


(99    高齢社会の終相  begin)




99    高齢社会の終相


筆者は今年で七八歳になりますが、この年になるともうサラリーマンや社長をしている人は少ない。ほとんどの人は家族に扶養されているか、年金生活者でしょう。年寄りには、だれも、なにも頼んでくれない。毎日のんきに暮らしていますが、さすがに年齢を感じる機会は増えてきます。
まず友人が死んでいく。配偶者をなくしたという話を聞く。身体を動かすとすぐ疲れる。手足がついてこない。運動の自由が利かなくなっています。
毎年ひとつずつ増える年齢は、ついに、親が死んだ年を越していくところです。

長寿世界一のこの国では、来年くらいから団塊の世代が後期高齢者層に達し、少子高齢化が加速する、となっています。高齢化がどこまでも進めば、全員高齢者になって国は終わる、という冗談のような社会の終相が見えてきました。
いわば最終段階に達しつつある、といわれるこの時代、後期高齢者の最期は、どうなるのでしょうか?

保守固陋
子どもには夢がある。青年にも夢はある。こういう人たちは、インタビューの最後に将来の夢は?と聞かれます。五〇歳くらいの人でも、自分から「私は六十くらいで・・・したい」とか、テレビでよく述べています。
これが後期高齢者、八十歳近くになると、もうだれも聞いてくれません。自分から「百まで元気で」などといえば、「できますよ」とかインタビュアーは励ましてくれますが(笑)目が笑っている。つまり当然の冗談が混ざってきています。
いずれにせよ、しばらくは、このまま行きたい。今日と同じように明日もあってくれれば最高。つまり保守固陋の権化にならざるを得ません。
保守固陋は変化しない。その層がどんどん増えるばかり。困ったことです。






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チンギス・カンの子孫(5)

2024-08-03 | その他




チンギス・カン個人とその後継者たちの実務能力の優秀性が、当時の歴史環境に適応していたがゆえに適者生存となり、大増殖した結果、と見ることができます。
このような過去の歴史が、一個のY染色体DNA型の急速増殖による地球規模の拡散という物理的現象になって現代に残っている、という事実の発見は、現代生物学のホールマークと言えるでしょう。■















(98 チンギス・カンの子孫  end)





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