哲学の科学

science of philosophy

ハードボイルドな生活(4)

2024-10-27 | その他



ハードボイルドのタマゴを作る場合でも、おいしさに徹底すればゆで時間はぴったりにしなければならないから、ストップウォッチをにらんで力んでいなければならない。これでは、あまりおいしい味を味わえないのではないでしょうか?
肩の力を抜いてハードボイルド。たくまずしてハードボイルドな生活をするためには、日ごろの心がけ、ある程度の修練が必要です。

この時代、老人はもちろん、現代人だれもがハードボイルドな生活を目指すのは仕方ないでしょう。それでよしとして、毎日を生きていく社会になるであろうし、それが当たり前、と思うしかないようです。■









(100 ハードボイルドな生活  end)





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ハードボイルドな生活(3)

2024-10-20 | その他


生活に必要な食料などは買い出しします。何日分も買いだめはしません。冷蔵庫も大きくない。ビールやワイン程度は少量、買いますが、酔うほどは飲まない。衣類は数少なく、着ない服は所持しない。それなりのキチンとしたものをいつもそろえています。
殺し屋がミニマリストなのは、今現在を生きることに徹しているから、といえます。明日に備えて蓄える必要がない。あとに残すものはない。残したくない。明日は消えていくのみ、と思う。
後も残さず消えていきたい、という見栄はあるのかもしれません。それが男の美学、孤高の魅力、ともいえる。
ニヒルな老人の感性に通じる、ともいえる。いつまで生きるか分からない。だから個人消費も少ない。経済には貢献しません。しかしこれ、美的な人生ではないか?最後は単純なその日暮らしに回帰する。パラドクシカルに言えば、現代人の理想ともいえます。
そこに、しかし、美的とかナルシズムとか見栄とかが入ってくると、自分に正直でないという自覚ができて、それがまたストレスになります。人目を気にせず、らくらくとハードボイルド、でなくてはなりません。
うつくしさ、というのは難しい。鏡を見なくてはうつくしくなれないし、見れば人目を気にしていることになってしまいます。なにごとも、うつくしさに徹しようとすれば、結局うつくしくないことになってしまいます。







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ハードボイルドな生活(2)

2024-10-12 | その他


フランスの殺し屋映画「Le Samouraï サムライ」(1967年 ジャン=ピエール・メルヴィル監督 アラン・ドロン主演)。孤独の殺し屋はカナリアを飼っています。これこそ孤高の侍のイメージをハードボイルドな男の美しさとして撮っています。
「男はつらいよ(一九六九年 山田洋次監督)」の寅さんは実におしゃれ。ハードボイルドを人生の規範としています。茶色トランク、雪駄、チェックの背広、ドタシャツ、腹巻、中折れ帽。軽薄なタンカ。いかにも無頼なテキヤ。
ハードボイルドでコワモテを狙っているが結局ドジな男を笑うドラマになっています。だれもが、どこかで共感できる、失敗するハードボイルドのエピソード集です。

ハードボイルドが目指すのはミニマリストの美学です。







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ハードボイルドな生活(1)

2024-10-07 | その他


(100  ハードボイルドな生活  begin)




100  ハードボイルドな生活

フランス映画「レオン」(1994年 リュック・ベッソン監督 ジャン・レノ主演)の主人公レオンは殺し屋。マンションで一人暮らし。毎日牛乳パックを買ってきて栄養補給をしています。部屋にあるものは鉢植え一個。水をやっています。あと、こまめに銃器の手入れをする。
ハードボイルドな生活が美しい、と思わせます。
ハードボイルドとは、かたゆで卵のこと。ニヒルで冷酷。欲もなく不安もなく淡々と仕事をこなす。孤独な殺し屋とか、ピカレスク小説の主人公になります。
かたゆで卵の作り方。 
ポットに卵を入れる。冷水、数インチ。高温加熱。沸騰と同時に蓋をして消火、10分放置。冷水で冷却。水を捨てて殻をむく。
ポーランドでのイースター卵のレシピです。ポーランド人は無類のゆで卵好きという噂がありますが、インターネットで検索しても真偽は分かりません。
ポーランドには行ったことがありませんが、最近の軍事情勢への対応か、軍備を増強しているようです。GDPの4%を目指す、というからロシアと地続きの不安はすさまじいものなのでしょう。
戦国時代にはポーランドは軍事大国で、ウクライナからロシアに領土を広げていました。貴族からなるフサリア騎兵軍団(有翼衝撃重騎兵)の画像を見ると、世界一派手な兵士という印象です。
背中に大きな羽飾りを背負い、騎乗全身甲冑姿で長槍に紅白のヒラヒラ吹き流しをつけて敵を威嚇していたらしい。鉄砲の脅威を無視する。織田信長とは逆の戦法です。数メートルの長槍で武装した重装騎兵の密集突撃で東ヨーロッパを席捲していました。日本の戦国武将の甲冑も派手ですが、それ以上です。 
ハードボイルドな殺し屋は、やはりダンディをめざしているらしいですが、派手なポーランド騎兵とは逆で、黒ずくめとか、あるいはまったくの平服に武器を隠し持つ。日本の忍者とか中東のアサシンの後継者かもしれません。
職業上、目立たない必要があるが、もともと目立ちたがらない禁欲的な生活を好むものがそれをしているのでしょう。
市井に潜む禁欲的生活の殺し屋、とは、時代劇の下級武士、必殺仕掛人(1972年、池波正太郎原作)、とかでしょうか?






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