朝鮮戦争の退役軍人で、今はユリの栽培を行う男性。自分で栽培するユリを愛し、同業者と品評会を楽しむが、時間は有限だ。事業に時間を割かれ、家族を顧みなかったことで、妻や子供の心は離れていく。更に愛していた仕事もネット販売の波に押され、手放すことになってしまう。古い車一台しか残らなかった彼に目を付けたのは、運び屋を探していた犯罪組織だ。
80過ぎの老人が運び屋とは誰も思わない。更に彼の気ままなスタイルを受け入れてくれたボスの存在も手伝って、一度と思っていた仕事を続けることになる男性。
多くの現金を手に入れることが出来るのは、仕事が危険を伴うからだ。多額の現金が動けば、そこには裏切りもある。望んでいなくともその争いの中に身を置くことになる男性。
不思議なのは、男性が犯罪に手を染めていることが分かっていても、自分のやり方で事を進めようとするその姿を応援したくなる事だ。老人が気ままに運び屋をすることさえも許さず、システマティックに運び屋をコントロールしようとする犯罪組織の面々が、彼を切り捨てようとする姿を見ているのが辛くなってくる。
そしてそんな中で、再び家族か仕事かの選択を迫られることになる男性。
*****
ラジオの音楽とともに何キロもの道を一人で運転する男性。最後に流れる歌に涙がこぼれそうになるが、エンドロールで流れる歌のタイトルを確認しなければと、ぐっと涙を飲み込む。
Toby Keith - Don't Let the Old Man In
アンディ・ガルシアが出演しているのが嬉しかった・・・