朝、車の中で目覚めた刑事。捜査中の事件の事を考えつつ、自分の勤務している警察署に向かうものの何かが違う。自分が知らない間に6年もの時間が経っていたことに気づく刑事。
ミステリーとタイムトリップの融合なのか?などと突っ込みを入れる間などない。6年が経ってしまっていることを周囲に隠しつつ、もう一度6年前の事件の謎を追いかけることになる刑事。
6年の謎を解くカギがどこかにあるはず、案外簡単にその謎は解けるはず、騙されるな・・・と思いながら読んでいても、狭い香港の中をスピーディーに駆け回る展開にあっという間に飲み込まれてしまう。謎を解くために、次の場所に向かうのも、狭い香港ではあっという間なのだ。読みながら「あれ?」と思うところがあっても、そのパワフルな熱気に押され、立ち止まって考える暇がないのだ。眠らない街香港の熱気を感じながら、勢いに乗って読み進めたい本だ。
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世界を売った男 (文春文庫) |
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