6233こと医師ヨハンの存在があり、病院に復帰することを決心するシヨンは、復帰初日に麻酔科の教授として病院に出勤するヨハンと再会することになる。
当然、病院でも彼を受け入れるかどうか協議が行われるのだが、出所していること、彼が3年前の事件が起こるまでは状況を見抜く「10秒医師」と呼ばれる程の実力者で、更には大物の後押しがあったこと等、実力プラス大人の世界の事情も相まって、免許を再び手にしたヨハンは現場復帰を果たすのだ。
出勤初日から彼の元にやってくるのは、格闘技の有名選手。痛みを避けたい選手と痛みを取り除きたい医師として、競技会場で出会った二人は、選手が試合中に痛めた目が再び見えにくくなったということで病院で再会することに・・・
「試合中に出来た血栓(?)は外科的治療で取り除いたのに、時間を空けてまた症状が復活したのは別の理由があるはずと」と疑うヨハン。眼科で異常が見られなかった選手に退院を進める医師たちを前に「神経科の診断が必要だ」と訴えるヨハン。
大病院故、科ごとのセクショナリズムは厳密のようで、要するに口出し無用ということらしいのだが、「患者を救うのが仕事」というヨハンにとってはそんな事は聞くに値しない戯言らしく、シヨンから彼の転倒の様子を聞いたヨハンは、脳に何か問題があるのでは?と検査を行うことを主張するのだ。
選手自身も何か不安に思うところがあったようで、延命措置を拒否する書面にサインをしていることが発覚する。そんな中で突然の呼吸停止・・・気道を確保することが延命措置に当たるのではと処置を拒む医師たちの前で「救える命だ」と気道確保の措置を始めるヨハン。
末期がん患者の安楽死に加担したということで、実刑を受けたヨハンの復帰に抗議するデモが病院の前で行われている。「患者は新薬での治療を望んでいたのに・・・ヨハンはそれを知っていたはずなのに、患者を殺した」という看護士の言葉に自分の状況と重ね合わせ、混乱するシヨン・・・
患者が神経科に移っても、病名を判明させて、彼の苦痛を取り除くのが医師の使命との考えのもと、検証を続けるハヨン。
(麻酔科に所属する医師にとっては、彼は特異なロールモデルだろう。反応は様々だ・・・)
しかし病院前でのデモ抗議もあり、ついこの間まで収監されていたハヨンが有名な格闘技選手の治療に当たることは問題ありと病院内で認定されることになる。しかしシヨン達の言葉から、彼が推測する病名とは違う治療方法が選ばれたことを知り、更にはその治療では呼吸器官系に麻痺が起こるだろうと判断するハヨン。
止められているにも関わらず、薬剤を投与しようとするハヨンを「確証がないじゃないですか?それにこの治療法があっているかどうかを判断する術もない」と止めるシヨンだが、「治療法があっているかの確証はないが、ただ、このままだったら確実に呼吸が止まる」と言い、選手の酸素マスクをはずし、治療の許可を本人から取るハヨン。
格闘技選手が延命措置を求めない事にすでに同意しているのはどんな意味があるのか?格闘技選手が一番恐れることはどんな事なのか?などのヒントと症状から彼の病名を判断するハヨン。
彼の行動に感化されたのか、病院内でこん睡状態にある男性患者の元を訪れ涙を流すシヨン・・・・(広い病院内にも関わらず、ハヨンは偶然にもその姿を見かけ、わからないように彼女を見守ったりするのだ・・・)
患者である格闘技選手だけでなく、患者の家族たちも救うことになるハヨンだが、シヨンにとってはそんな彼がなぜ安楽死のために法で裁かれたのかが分からない。
『末期がん患者は、彼に助けてくれとも殺してくれとも言うことはなかった。激痛に耐える彼に生きながらえるように鎮痛剤を与え続けていたハヨンだが、最後の最後に「この痛みを止めてくれ」と言われたことで、自分の行っていたことが患者を救うことでなく、ただの拷問でしかなかったと悟り、痛みを止めるために安楽死させることを選択した』とシヨンに語るハヨン。
シヨンが病院を去ることになった理由は、1年前に自分の父親を植物人間にさせてしまったことだった。そのために同じ麻酔科に勤務する姉との関係もこじれていたのだ。ハヨンの言葉から最後の最後に父と向き合うことが出来たシヨンは、心臓マッサージを続け延命治療試みる自分の母に「痛みから救ってあげたい」と言葉をかけるのだ・・・