ボクシングのコーチをしている元チャンピオンのギチョルは、忖度された試合結果が許せず暴力をふるったことでコーチの職を失ってしまう。
心配した家族の口添えで見つかった仕事は、小さな街にある女子高の体育教師だった。教師とは名ばかりで、主な仕事は学費を支払わない生徒たちに支払いの催促をすることだ。
「近々選挙があるからもめごとを起こさないように・・・」と事なかれ主義のような口調の教師たち。それでも生まれながらの熱血漢であるギチョルは、先生として生徒たちを守ろうとするが、行方がしれない生徒を探そうともしない教師や警察の動きに不信感を感じるようになる。
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邦題は守護天使にかけて守護教師だが、原題は@町の人々。映画の中でも何かに忖度するかのように、生徒一人がいなくなっても何もなかったかのように過ごす人々に対し、「この街の奴らはなんか変だ」「この街はなんかおかしい」というギチョンの台詞が繰り返される。
人は何かを隠そうとすると、どうしても行動が暗くなるようだ。その後ろめたい気持ちは町全体に広がり、更には隠されている秘密が暗いもので、これも救いようがない。守護天使とは全く思えない風貌のギチョルではあるが、「先生を信じろ」というその言葉は、その風貌の奥にある優しさを感じさせるもの。
韓国映画にしては短めの100分。ストーリーはシンプルで主演のマ・ドンソクが話全部をグイグイ引っ張る。
『新感染』のマ・ドンソク、女子高教師役でも大暴れ!映画『守護教師』予告編