犯罪行動分析チームの仕事はすぐに結果の出るものでもない。データの蓄積もなく、前例と比べて事件を分析できないチームにとっては、データの取集、分析が欠かせない。しかし、それはすぐに犯人検挙に繋がるものでもなく、コスト的には未来を見据えて持ち出しなのだ。1年、また1年とチームの延長を認めてもらい、その間に現在起きている事件も注視しつつ、すでに収監されている犯人たちのデータを集めてそれを分析しなければならないのだ。
「事件は現場で起こっているんだ!」と現場の刑事たちが熱く訴えるのは、日本だけでなく韓国も同じ事なんだろう。現場の捜査を取り仕切る刑事たちが「分析して何が判る?」と反発するのは万国共通なのかもしれない。更に刑事たちはプライドが高く、噂話も好きだ。犯罪行動分析チームに協力する体制は、まだまだだ。
そんな中起こる、日中、高齢者しか在宅していない高級住宅地で起こる殺人事件。防御した形跡もなく殺されている被害者たち。物取りの犯行でもなく、ただ鈍器で殴られて殺されている状況から、自分たちの分析が進行中の事件に生かせるかもしれないと現場に足を運ぶ犯罪行動分析チームメンバーたちだが、現場第一主義、刑事第一主義の捜査チームからはなかなか受け入れられない。
手がかりのない中、次の事件が起こるのを防ごうとするハヨンは、後ろ姿の映った防犯カメラの映像を公開することを進言するのだ。
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怨恨や物取りが目的でない犯罪の捜査は困難を極める。欲望の赴くままの事件は、その行動パターンから解明していくしかなく、その行動パターンを常に見極め判断するしかない。見ているのも重苦しい雰囲気なのだが、主演のキム・ナムギルがこのドラマの雰囲気に驚くほどピッタリなのだ。