悪の心を読みながら、ナイフを凶器にする殺人犯の絞り込みに苦慮する警察だったが、とうとうその犯人も捕まえる事になる。
しかし、捕まえてからも警察にとっては地獄だ。「なぜ?」に対する答えは簡単には出てこない。ハヨンは詳細な自白を得ようと、ひたすら犯人に寄り添い、犯人に無条件とも思える同意を見せて彼に犯罪の詳細を語らせようとする。「いままでこんなに自分の事に興味を持ってもらえる事はなかった。自分の喜びをわかってもらえてうれしい」すべてを受け入れるハヨンを、自分の仲間のように感じて殺人の詳細を嬉々として説明する犯人。ハヨンの疲弊はドラマを見ている私をも疲弊させる。自身は人を殺めてはいないのに、何度も追体験をすることで犯人以上に疲弊するハヨン・・・
部屋には自分の起こした事件の新聞記事を飾り、ライフワークの殺人をいつまでも出来るようにと体力維持に余念のない犯人。どれもが想像もつかない世界の話だ。それを少しでも理解し、事件の解明に、そして今後の事件の阻止のデータにしようとするハヨン。
それはハヨンの神経を少しずつ蝕んでいく。彼の行動が犯人に近づきすぎる様子を見て、「犯人の心情になることが多分一番疲れない方法なのかもしれない」とさえ思えてくる。
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悲惨な子供時代を送っても、彼らのように道を踏み外さない者がほとんどだ。一線を超えるきっかけは一体なんなのか・・・そこに答えがあるのか・・・捜査官を演じているギム・ナムギルの顔からどんどん生気が無くなっているいるのが非常に恐ろしい・・・