私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

泥棒に入られた話④床が軋んで気が付いた話

2024-02-26 21:14:25 | なんということはない日常

泥棒に入られた話①

泥棒に入られた話②窓の話

泥棒に入られた話③結局格子を設置した話

 

築60年で部分部分のリフォーム工事しかしていない自宅は、歩くと所々ミシミシと嫌な音がする。
警察官の人に「足音で目が覚めたのですか?」と聞かれたが、正確に言うと足音で目覚めたのではない。抜き足差し足忍び足でも、床がミシミシと軋む音は避ける事が出来ず、そのミシミシという音と気配で目が覚めたのだ。

ただ、このミシミシという音は経年劣化によるものだけでなく、残念な事にそもそもの作りが当初からちゃち(安普請か・・・)であった事に起因している。
新築当時こそミシミシという音は出なかったが、所々「この下はちょっと造りが弱めなのでは?」と思う箇所があった。歩くとなんとなく下が脆弱な造りなのでは?と子供心にも心配になる箇所があったのだ。それ故、両親からは「家の中は体育館ではないので走らないように」と注意された。時々それを忘れて小走りでもしようものなら「何故走る?」と厳しく注意され、カラーボックスを利用したちょっとした本棚に関しても「床が抜けたら困るから、本は読んだら捨てる事」と注意された。

泥棒も、床がミシミシとなるとは思っていなかったのだろう。6畳ほどの大きさのフローリングのキッチンの床が鳴る音は、襖を隔てた私の寝室にも伝わってきたのだ。
台所のフローリングも一度張り替え直しているのだが、基礎までは直していない。ミシミシと言う音のおかげで早めに泥棒が入った事に気づけたのだった。

泥棒は台所内を徘徊の末(足跡が山ほど残っていた)、金目の物を見つけられず、私が音で目覚めた事も気づかずに、私が寝ている部屋の襖を静かに少しだけ開けたのだった。


ベットの中で目覚めても、静かに動かなかった私の気配に気づかなかったのだろう。

ただ、部屋に入られては困ると思った私は、襖が音もなく開けられた時に「誰!」と声を出した。その声に驚いた泥棒は、開けた襖を音もなく閉め、静かに入ってきた場所から外に出て行ったのだった・・・・

その日、私はひどい風邪をひいており、声が全然でない状況だった。風邪をひくと喉からやられる私は、ヒューヒューと息が出る音がするだけで、スターウォーズのダースベイダーのような声が辛うじて出るだけだったのだ。
怖いとは思わず、寝ていた事を邪魔された気持ちが先に立ち、邪魔するのは誰だという思いから、普通ではない声で「誰?」と言ったのだろう。
女性が寝ているとは思わず、男性の声だと思ったのかもしれない。

警察官の人達は、2時間ほどの調査の間、あれやこれや状況を私に確認したが、息しかでない私の声について言及する人はいなかった。ただ110番通報の際、電話に出てくれた人は私の声がはっきり聞こえず、訝しがっていた。電話を切られたら大変なので、私は出ない声を更に張り上げるしかなかった。

泥棒に入られた話はまだまだ続く。