全ての出来事を忘れる事無く記憶してしまう男イ・ジョンフン。
類まれなその能力(カンペがなくとも完璧にこなすコメント、偶然出くわしたパワハラの場面での一部始終を記憶するその能力・・・)は、ニュースキャスターとしては唯一無二であっても、人として一人の男性としては生きていくのが非常に辛いものだ。
失敗、悲しみ、寂しさ・・・・時間がたてば忘れ、忘れていくことでそれらを乗り越えることが出来るのに、それらを一つも忘れることなく、日々増えていくだろうその苦しさ全てを、自分で抱え込まなくてはならないのだ。
クリニックを営む友人もそれを心配するのだが、彼としては診察しても自分の症状が変わることがないことに諦めの様子だ。
そんな彼の前に突然現れたのは、女優のハジン。映画の宣伝のため、事務所のイメージ戦略のため、生放送のニュース番組で彼からインタビューを受ける事になった彼女。
自分の緊張を和らげるためのウイスキー入りのコーヒーを彼に飲ませてしまっただけでなく、彼のネクタイを無理やり返させ、更には彼の琴線に触れる言葉を生放送中に発してしまうのだ・・・・
「何故自分で話したことを忘れて、前と全然違う考えをSNSで上げたりするのか?」すべてを忘れることが出来ないジョンフンにとっては、一番気になる質問をぶしつけに投げかけると、ハジンは「私は単純なんです。ただ5とか6とか数えていきたい」と自分の亡くなった恋人が一番好きだと言っていた言葉をそのまま口にするのだ。
誰の言葉かも知らずにただSNSで見かけたんじゃないかな?という彼女の様子に更に混乱するジョンフン。
初恋を題材にした彼女の新作映画の宣伝にはなったものの、ネットで彼女への反論が起きたことから、局長は彼女を呼び出して慰労。彼女とは二度と関わりたくないというジョンフンも呼び出され、更にはその様子を写真に撮られてしまうのだ。
明るそうに見えても、私生活のすべてを考え無しにSNSにアップする彼女。そんな彼女は写真を撮られたことに対し「好意を持っていることは確かです」とまるで交際を認めるようなコメントを発して、更にジョンフンを困惑させる。
事態を収拾しようとこっそりと会った際にも再びパパラッチに遭遇、二人で逃げ出すも、「あなたの表情に何かを感じたから好意を感じるようになった」というハジン・・・
沈黙の中に何かを感じたという彼女だが、その言葉も自分の前で墜落死したソヨンが残した言葉と一緒だった。
ハジンの発する言葉に心乱れるジョンフン。。。
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自分の目の前で墜落死したソヨンを忘れることのないジョンフンと、明るい表情とは裏腹に「消えてなくなりたい」と口にして、ジョンフンと同じクリニックに通院するハジン。
ソヨンの事は知らないというハジンだが、彼女が忘れてしまった過去に何があったのか・・・・