BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ダーウィンズゲーム 第83話 感想: 5年後のシブヤはさながらグリード版のゾンビランドだった!

2020-03-20 12:56:59 | ダーウィンズゲーム
5年後のシブヤ、というカナメたちの世界線は、グリードが人間にも侵食しているものだった。

そのグリードたちを討伐するのは、なんとオボロとシゲル。

あれこいつ誰だっけ?と思ったけど、シゲルって、あのカナメの高校でパシリをさせられていたオタね。

そのシゲルが、オボロ(シギルは一通さんのようなベクトル変換w)を差し置いて、彼のシギル「ザ・スピナー」を使って、一気にマンモスグリードもねじ上げて瞬殺w

でも、確かにオボロがこぼしたように、シゲルの倒し方に何の品もなく、まるで子どもが虫の足を引き抜くみたいだ、というのは、うまい言い方だね。

つまり、自分が圧倒的に優位な立場にあると確信しているからこそ振るえる暴虐っぷりw

マジでイキったオタクw キモいな―、ヘイト集めるなぁw

いやー、このシゲル、どう考えてもこの先、闇落ちするタイプだよね。

俺が一番!って、イキるタイプ。

それが元いじめられっ子のオタクタイプっていうのだから、ある意味でテンプレも甚だしいw

でも、どう見てもキモいタイプだから、さっさと退場してほしい。

こういうあたりにそこはかと、この作者の、ヤンキー万歳!、オタク死ね!って、基本的な視点が投影されているようで。

さすがはチャンピオンw

しかし、GMとシロガネの同盟?も、これ、どこまで続くのだろう?

シゲル同様、このシロガネも、どちらかというと、モラルで動くタイプというよりは、科学的好奇心が最後には勝ってしまう、いわゆるマッドサイエンティスト枠のように見えて仕方ない。

となると、むしろ、このシロガネのほうが先にグリード側(のGM?)を選んでしまって、そのままシゲルも、彼の駒として使う、という展開もありえる。

いずれにしても、当面の間は、シロガネとシゲルがいかにこの世界のGMならびにカナメに対して裏切りを図るのか、それが物語のドライバーになりそうだな。


で、もう一つの物語の駆動力は、カナメが見せたククリの描いたGMの似顔絵について、スイが見たことがあるかも、と思ったところかな。

すでにカナメはGMと接触しているわけだから、意外と早く、GMとカナメたちも合流するのかもしれない。

このマンガのテンポの良さからすればありそう。

オボロをすでにカナメのもとに送っていることだし。

にしても、あの似顔絵からもしかして?と思えるスイも大概だけどw

ともあれ、GMとの合流は今後の鍵。

そして、晴れてオボロもサンセット・レーベンズ入りかね?


あと、今回の地味wな見どころはレイン。

スイの5年後の成長ぶりを見た後だから、俄然、レインの女性としての成長ぶりに期待したのだけど。。。

あれれ、全然変わってなかった!

13歳で成長が止まってしまった・・・枠ってことな? 不憫なw

でも、そうやって、カナメ時間でいえば半年前に別れた仲間と無事、というか、意外とすんなりと合流を果たし、レーベンズの拠点に到着。

そこで、最後に、グリード化した人間の「検疫」をしたところで終わり。

ここに来て、リュウジの「嘘を見抜く」というシギルの重要性が増しているのはすごい。

まわりには、もう人間の皮を被ったグリードが存在する世界なわけだから。

まさにゾンビランド。


ということで、最後まで読むと、今回の主題は、サンセット・レーベンズのメンバーの再開と、5年後のシブヤの惨状の紹介、そしてGMたちの腹づもりのちょい見せ、というところ。

要するに「5年後のシブヤ」という新章の舞台説明。

なので、次回から具体的に事件が動き出す!ということだろうな。

で、問題は、シュカたちがいつこのシブヤに帰ってくるのか、ということで。

まぁ、十中八九、カナメたちの危機に駆けつける、という形になるのだろうけど。

その場合、GMとククリの間でのやり取りも生じて、そこから、いよいよこのダーウィンゲームの真の目的の片鱗にも触れられることになるのだろうな。

なにしろ、あのマンモスグリードたちは、GMによれば、だいぶ距離のある?世界線からの侵攻のようだから。

つまり、あまたある世界線の間での、「進化」を通じたサバイバルゲーム、というのが、ダーウィンズゲームの、きっと本質だろうから。

一種のシミュレーションゲーム。

もちろん、その場合、では、その、複数の世界線の間での「適者生存」のゲームを仕組んだ存在は誰か?ということになるわけどw

普通に考えたら「自然という名の神」ということになるのだけど。

ともあれ、面白くなってきた。

とりあえず、次回、オボロがどんな形でカナメと再会するのか。

意外と、オボロはカナメスキーの一人だからねw

あとは、まぁ、ニューヨークにとばされたシゲルが、どんな形で現地のグリードマスター?としてのGMに出会い、そして籠絡されるのか?

あー、そうか、意外と、ケモナーな感じのムチムチの女性GM(でも実はババア)が、グリードたちのGMだったりしてw

そして、イキったオタのシゲルは、甘言にコロッと落とされるのかもw


ともあれ、この物語、意外とクセになる。次回が楽しみ!

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ダーウィンズゲーム 第10話 『旧王(オールドワン)』感想: あーあ、ワンさん、カナメを本気にさせちゃったよ

2020-03-14 01:50:32 | ダーウィンズゲーム
カナメをおびき出すために、シノヅカを拉致して人質にしたワン。

そのワンに対して、当然、シノヅカ救出に向かうカナメ。

このあたりは、ホント、原作を読んだ時も、チームどうしの抗争だなぁ、と思っていたのだけど、思っていたよりもサクサク進めたな。

シノヅカをダーウィンズゲームに引き込んで救出、という作戦には、あぁ、なるほど、と思い、発動したシノヅカの能力をみながら、あれ、これ自力で脱出できる?と思ったのも束の間、そんなにわか能力じゃ、ワンを出し抜くことは不可能。

ということで、哀れシノヅカ、退場。


しかし、この流れは、原作、読んでいた時には、えええ???、というぐらいにテンポが良かったのだけど、映像にすると、ちょっとショボかったような。

多分、こういう場面展開が急なところは、マンガの方が画面の速度の緩急をうまくつかえるんだな、と感じた次第。

ともあれ、ダチのシノヅカまで解体してしまったせいで、ワンは、カナメを本気にさせてしまったわけで。

あーあ、ワンさん、寝た子を起こしちゃったよ。

ということで、次回、VSワン戦で、カナメが非道になる、ということで。

しかし、そうすると、次回11話で、ワンとの決着をつけるのはいいとして、12話はどうするのだろう?

というか、これ、1クールだよね? 2クールじゃないよね?

やっぱり、ちょっと半端なところで終わってしまって、まさに、俺たちの戦いはこれからだ!エンドになりそうだな。

ホントは、この先が面白くなっていくんだけどね。。。

しかし、前回の、シュカvs雪蘭の戦いがよく動いてすごかった分、今回は、作画的には地味だったので、その分、次回に期待かな。

なんか、こうなると、花屋が登場したあたりが、一番、緊張感があったように思えるのだけど、どうだろう。

来週、あれくらい、盛り上げてくれるのだろうか。

やっぱり、高層ビルの閉鎖空間と、海辺の倉庫街という開放空間の違いなのかな。

オープンスペースだとちょっと緊張感に欠けるのがなんだなぁ。

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ダーウィンズゲーム 第9話 『決闘(ヘッズアップ)』感想: 強敵・雪蘭が意外とチョロかったw

2020-03-07 02:30:49 | ダーウィンズゲーム
うん、このあたりから、俄然、カナメの株が爆上げしていくんだったw

結局、カナメって、彼の能力から、ワンマンアーミーでありつつ、同時に、彼の統率力で、周りが勝手に彼についてくる系の、いわば、勇者なんだよねー。

しかし、雪蘭、ちょっと原作の印象と違う感じ。

なんていうか、もっとシャープな感じの中国美人だと思っていたのだけど、なんだろうなぁ、ちょっと思っていたよりも重たい感じ。

キャラデザがちょっと濃いのと、CVがかやのんだからかね? 

彼女って、この手のキャラを演じるとき、低めの野太い声を使うけど、それがやっぱり無駄に重たい感じにさせるというか。

SAOのアリスにも、そんなところがある。

どちらかというと、シュカのような、少し高めの声のイメージだったのだけど。

あのかやのんの声だと暗殺者というよりも武人、という感じだなぁ。

ていうか、かやのんのこの手の声のデフォルトがダクネスなのでw、シリアスなのに、ちょっと笑っちゃうんだよねw

カナメのクランの面々のCVがどれもわりと原作イメージに近いだけに、ちょっと残念。

レインとか、ホント、解析屋っぽい感じがしていいし、スイはソータとの使い分けも含めてものすごく合っているのに。

うーん。

とまれ、この雪蘭のクラン加入で、一気にカナメの評判が上がっていくから、ホント、国盗りゲームっぽい。

しかし、この感じだと、尺的には、やっぱりワンとの決戦で終わりかな?

その先が面白いはずなのに。

あと、微妙に、シュカがヤンデレが入ったメインヒロインになってきたのが、見ていて子心地よいw

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ダーウィンズゲーム 第82話 感想: 戻ってみたら5年後の渋谷ですか!

2020-03-02 12:36:51 | ダーウィンズゲーム
原作は未読だったのだけど、第7話『圧砕』まで見て、あれ、これ、もしかして面白い?と思って、原作に当たってみた。

そしたらサクサクと読めて、最新話(82話)まで一応フォローしたのだけど。

うん、これ、面白い。

ストレスなく読めて楽しめるエンタメの良作!って感じ。

いい意味で、昔ながらのマンガらしい元気・楽観主義があり、同時に、今どきの多様なコンテントの流行りが、それほど無理なく「てんこ盛り」になっていること。

なんていうか、コードギアスから厨二色を抜いて平行世界要素を入れた国盗りゲーム、という感じかな。

まぁ、そこまで脱色すると、今どきの物語はたいてい当てはまっちゃうのだけどw


ともあれ、思いつくままに、そういう原作全体の特徴を挙げていくと、

主人公のスドウカナメ(須藤要)は、今風の「やるときはやる悩める俺強ぇ!」系。

慎重かつ面倒見のよい兄貴気質のところもあるので、物語が進むうちに、どんどん周りを率いるリーダーとして台頭していく。

もっとも、半分くらいは、周りの人びとが(それこそゲームマスターも含めて)カナメの将来性に一目置き、むしろ、向こうの方から彼の下に集ってくるというノリなのだけど。

このあたりが、厨二病じゃないルルーシュといいたくなるところw

もちろん、転送で敵の怪獣?が突如として眼前に現れるところは、もちろん『GANZ』。

ともあれ、特に物語が進むにつれて、カナメによるクラン(=ギルド)間の調停が次々となされていくため、途中から、ルルーシュ的な「国盗り」ゲームの様相が増していく。

まぁ、このへんは、連載掲載誌に「チャンピオン」という名がつくことからもわかるように、単純に、ヤンキー同士のチーム抗争という側面もあるのだけどw

でも、もしかしたら、最近のはやりからすると、チャンピオン的なマイルド・ヤンキーなトーンが主人公キャラとしてメジャーじゃないのか?とも思えてきた。

あと目についたのは、年長者や実力上位者の中から、むしろ、カナメの潜在能力を引き出すことに面白みを抱いてしまい、積極的に助力を申し出るくらいものが続いてしまうこと。

このあたりは、『ダンまち』のベルくんみたい。

これも物語が進むうちに明らかにされるのだけど、どうやらこのダーウィンズゲームは、然るべき敵の襲来に備えて実力者による抵抗勢力を自発的に組織するためのものだったらしい。

その流れの中で、カナメは、統率者としての「王」の候補者になっていく。

つまり、ベルくんみたいに「英雄」となることが運命づけられた主人公。

それでいて、カナメ個人の攻撃能力は、武器をその場で創造する異能である『火神槌(ヒノカグツチ)』によって、ほとんどワンマン・アーミーのような突破力をもつことになる。

このあたりは、『ありふれた職業で世界最強』のハジメのようなものw

なにしろ、都合よくどんな武器でも作れてしまうから、一種の錬金術士だよね。

でも多分、その「創造」能力は、この先、もっと巨大なもの、あるいは想像を超えたものの創造にも発揮されることになるのだと思う。


で、そんなカナメを取り巻く環境がどんどん広まっていく中で、突然、というか、実際にはタイミングよく、異なる平行世界で、似たようなダーウィンズゲームに取り組んでいる者たちと接触、交戦し、最後には、そちらの世界に転移してしまう。

さらに、これもまたお約束ではあるけれど、当然のごとく、その平行世界から元いた世界に戻るとすでに世界=シブヤは破壊しつくされ、さらに、時間ははるかに進んでいて、5年後の世界になっていた(←イマココ)、ということになる。

だから、この先の展開としては、多分、カナメは、平行世界の能力者たちとも協力して、この全ての並行世界の収束点?としての「災厄」の排除に乗り出す、ということになるのだろう。

ただ、これもまた、今風の話らしく、時間軸は、平行世界を減ることで、前後しているようで、他の世界では、カナメたちの世界を襲ったシブヤ崩壊の惨劇は、はるか太古の歴史として語り継がれているものだったりする。

だから、正しく平行世界を含む物語のあり方として、現在と未来、過去が相互に入り組むような世界観といえばいいか。


・・・ということで、これ、結構、フツーに面白いw

まだ全体を通しで読んだだけなので、細部でいろいろ見落としているところもあるだろうけど、それでも、物語の展開がバランスよく考えられている、と感じる。

そもそも、物語のはじめから、人間が転送されるなんて不可解なことが起こっているから、ダーウィンズゲームのアプリが、超常のオーバーテクノロジーであることは自明なのだけれど。

それを最初の間は、その「異常さ」に読者も慣れさせるという点で、カナメたちプレイヤーに普通にゲーム攻略をさせていく。

で、そのゲーム攻略に一定の理解が、作中人物も読者もともに得られた、と思えたあたりから、ゲーム攻略自体は脇において、とっととゲームそのものの謎に挑もうとするわけで。

その展開の速さがいい。

このあたりは、ほんと、コードギアスっぽい。

敵と思っていたものが容易に味方になるし、その人たちも含めて次のステージに向かうということ。

あと、ゲームマスターもどうやら中ボスに過ぎないというのも、早々に明かされて、となると、このダーウィンズゲームの開催自体、ゲームマスターによる「やがてくる災厄」に対する抵抗策の一環だった、ということもわかって。

必要悪による屍の上で、「さらなる巨悪?」に備える、という展開。

このあたりは、『進撃の巨人』に近くて、二転三転は当たり前、という感じ。


・・・というわけで、『ダーウィンズゲーム』、思っていた以上に面白いので、これは、できれば、アニメの方も長く続けてもらえるといいのだけど。

ただ、原作でもわりと重要な役割を担っている刑事のおっさんが、アニメ版ではまったく登場していないので、多分、今回アニメ化されただけで続きはないのだろうな、とは思っている。

実際、刑事の部分は、さしあたって、なくても物語は流れるし、実際、そのほうが展開もスピーディになるのは事実。

ただ、後々、刑事、あるいは警察という司法機関の関わりは、この物語が「異世界?からの侵略者からの地球の防衛」というフェーズになったときに、物語を前進させるためには必要なものである。

だから、それが端折られているということは、この先のアニメの展開は推して知るべし、ってことなんだろうね。。。


まぁ、個人的には、あれ、これ、異世界に行っちゃったら、きっと戻った時、ウラシマ効果が発動しているよね?と思っていたら、そのままの展開になったので、そのわかりやすさにちょっとうれしくなっていたのだけど。

もっとも5年後、というのは微妙なところで。

以前は年下だった幼女キャラが、勝ち気で実行力も備えた少女キャラに転じている、というくらいの時間の流れで。

そのあたりも含めて、ストレス少なく、読みやすい物語であることはまちがいない。

ということで、連載の続きも楽しみ。


でもね、とにかく、よくも悪くも、今どきの面白さがてんこ盛り。

となると、次に気になるのは、終盤に向けて、どうこの「今風」な要素の山を畳み込むか、というところだよね。

その結果で作品の評価も割れるはず。

ともあれ、こういった感じで、安心して読める物語なので、結構、オススメw

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ダーウィンズゲーム 第8話 『平穏(フラジャイル)』感想: ルーキーの大金星でカナメ株はストップ高、ってことかな?

2020-02-29 02:05:24 | ダーウィンズゲーム
首尾よくエイスのワンを騙して、ゲームをクリアしたカナメ。

まぁ、確かにルーキーがいきなりゲームをクリアしたら、注目を集めるのも納得だね。

今回、改めてそう思った。

しかし、賭場では、雪蘭もカナメに賭けていたのか。

だったら、この後、カナメにチョッカイを出してくるのも理解できるか。

うーん、やっぱり、この(ほぼ)初陣でゲームクリアしたことで、色んな人を呼び込んだんだんだなぁ。

ということで、ここから一気にカナメの成り上がり人生が始まる。

ラッキーといえばラッキーなのだけど、その勢いでいきなりゲーマスとも直接会話をしてしまうわけだし。

しかし、ゲーマスが言ったことで今更ながら気になったのは、彼が作ったのは、あくまでもダーウィンズゲームのインターフェイスだけ、というところだな。

あ、でもそうか、インターフェイスとしてのスマフォの中にあった異次元カメラは、あれを使って、未来のシブヤの廃墟を見せていた、ということになるのか。

ともあれ、ダーウィンズゲーム自体は、ゲーマスではない誰かがすでに作っていた、ってことだよね。

ダーウィンの進化論に則れば、それは神ではなく自然、ということになるわけだけど。

しかし、この場合の自然は、ほとんど宇宙と同義なんだろうなぁ。

ってなると、結局、神のような存在がどこかにいるということになるけど、今のところ、それはまだ全く検討もつかない。
しかし、この尺で行くと、ワンとの抗争に決着をつけるあたりで終わりかな?

いや、雪蘭が合流するあたりまではやるのか。

それで、クランメンバーをきっちり固めたところで、俺達の戦いはこれからだ!エンドかな?

できれば、その先も見たいけれどねー。

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ダーウィンズゲーム 原作 感想: ストレスなく読めて楽しめるエンタメの良作!って感じ。

2020-02-28 12:41:03 | ダーウィンズゲーム

原作は未読だったのだけど、第7話『圧砕』まで見て、あれ、これ、もしかして面白い?と思って、原作を読んでみた。

そしたらサクサクと読めて、最新話(82話)まで一応フォローしたのだけど。

うん、これ、面白い。

いい意味で、昔ながらのマンガらしい元気・楽観主義があり、同時に、今どきの多様なコンテントの流行りが、それほど無理なく「てんこ盛り」になっていること。

なんていうか、コードギアスから厨二色を抜いて平行世界要素を入れた国盗りゲーム、とう感じかな。

まぁ、そこまで脱色すると、今どきの物語はたいてい当てはまっちゃうのだけどw


ともあれ、思いつくままに、そういう原作全体の特徴を挙げていくと、

主人公のスドウカナメ(須藤要)は、今風の「やるときはやる悩める俺強ぇ!」系。

慎重かつ面倒見のよい兄貴気質のところもあるので、物語が進むうちに、どんどん周りを率いるリーダーとして台頭していく。

もっとも、半分くらいは、周りの人びとが(それこそゲームマスターも含めて)カナメの将来性に一目置き、むしろ、向こうの方から彼の下に集ってくるというノリなのだけど。

このあたりが、厨二病じゃないルルーシュといいたくなるところw

ともあれ、特に物語が進むにつれて、カナメによるクラン(=ギルド)間の調停が次々となされていくため、途中から、ルルーシュ的な「国盗り」ゲームの様相が増していく。

まぁ、このへんは、連載掲載誌に「チャンピオン」という名がつくことからもわかるように、単純に、ヤンキー同士のチーム抗争という側面もあるのだけどw

でも、もしかしたら、最近のはやりからすると、チャンピオン的なマイルド・ヤンキーなトーンが主人公キャラとしてメジャーじゃないのか?とも思えてきた。

あと目についたのは、年長者や実力上位者の中から、むしろ、カナメの潜在能力を引き出すことに面白みを抱いてしまい、積極的に助力を申し出るくらいものが続いてしまうこと。

このあたりは、『ダンまち』のベルくんみたい。

これも物語が進むうちに明らかにされるのだけど、どうやらこのダーウィンズゲームは、然るべき敵の襲来に備えて実力者による抵抗勢力を自発的に組織するためのものだったらしい。

その流れの中で、カナメは、統率者としての「王」の候補者になっていく。

つまり、ベルくんみたいに「英雄」となることが運命づけられた主人公。

それでいて、カナメ個人の攻撃能力は、武器をその場で創造する異能である『火神槌(ヒノカグツチ)』によって、ほとんどワンマン・アーミーのような突破力をもつことになる。

このあたりは、『ありふれた職業で世界最強』のハジメのようなものw

なにしろ、都合よくどんな武器でも作れてしまうから、一種の錬金術士だよね。

でも多分、その「創造」能力は、この先、もっと巨大なもの、あるいは想像を超えたものの創造にも発揮されることになるのだと思う。


で、そんなカナメを取り巻く環境がどんどん広まっていく中で、突然、というか、実際にはタイミングよく、異なる平行世界で、似たようなダーウィンズゲームに取り組んでいる者たちと接触、交戦し、最後には、そちらの世界に転移してしまう。

さらに、これもまたお約束ではあるけれど、当然のごとく、その平行世界から元いた世界に戻るとすでに世界=シブヤは破壊しつくされ、さらに、時間ははるかに進んでいて、5年後の世界になっていた(←イマココ)、ということになる。

だから、この先の展開としては、多分、カナメは、平行世界の能力者たちとも協力して、この全ての並行世界の収束点?としての「災厄」の排除に乗り出す、ということになるのだろう。

ただ、これもまた、今風の話らしく、時間軸は、平行世界を減ることで、前後しているようで、他の世界では、カナメたちの世界を襲ったシブヤ崩壊の惨劇は、はるか太古の歴史として語り継がれているものだったりする。

だから、正しく平行世界を含む物語のあり方として、現在と未来、過去が相互に入り組むような世界観といえばいいか。


・・・ということで、これ、結構、フツーに面白いw

まだ全体を通しで読んだだけなので、細部でいろいろ見落としているところもあるだろうけど、それでも、物語の展開がバランスよく考えられている、と感じる。

そもそも、物語のはじめから、人間が転送されるなんて不可解なことが起こっているから、ダーウィンズゲームのアプリが、超常のオーバーテクノロジーであることは自明なのだけれど。

それを最初の間は、その「異常さ」に読者も慣れさせるという点で、カナメたちプレイヤーに普通にゲーム攻略をさせていく。

で、そのゲーム攻略に一定の理解が、作中人物も読者もともに得られた、と思えたあたりから、ゲーム攻略自体は脇において、とっととゲームそのものの謎に挑もうとするわけで。

その展開の速さがいい。

このあたりは、ほんと、コードギアスっぽい。

敵と思っていたものが容易に味方になるし、その人たちも含めて次のステージに向かうということ。

あと、ゲームマスターもどうやら中ボスに過ぎないというのも、早々に明かされて、となると、このダーウィンズゲームの開催自体、ゲームマスターによる「やがてくる災厄」に対する抵抗策の一環だった、ということもわかって。

必要悪による屍の上で、「さらなる巨悪?」に備える、という展開。

このあたりは、『進撃の巨人』に近くて、二転三転は当たり前、という感じ。


・・・というわけで、『ダーウィンズゲーム』、思っていた以上に面白いので、これは、できれば、アニメの方も長く続けてもらえるといいのだけど。

ただ、原作でもわりと重要な役割を担っている刑事のおっさんが、アニメ版ではまったく登場していないので、多分、今回アニメ化されただけで続きはないのだろうな、とは思っている。

実際、刑事の部分は、さしあたって、なくても物語は流れるし、実際、そのほうが展開もスピーディになるのは事実。

ただ、後々、刑事、あるいは警察という司法機関の関わりは、この物語が「異世界?からの侵略者からの地球の防衛」というフェーズになったときに、物語を前進させるためには必要なものである。

だから、それが端折られているということは、この先のアニメの展開は推して知るべし、ってことなんだろうね。。。


まぁ、個人的には、あれ、これ、異世界に行っちゃったら、きっと戻った時、ウラシマ効果が発動しているよね?と思っていたら、そのままの展開になったので、そのわかりやすさにちょっとうれしくなっていたのだけど。

もっとも5年後、というのは微妙なところで。

以前は年下だった幼女キャラが、勝ち気で実行力も備えた少女キャラに転じている、というくらいの時間の流れで。

そのあたりも含めて、ストレス少なく、読みやすい物語であることはまちがいない。

ということで、連載の続きも楽しみ。


でもね、とにかく、よくも悪くも、今どきの面白さがてんこ盛り。

となると、次に気になるのは、終盤に向けて、どうこの「今風」な要素の山を畳み込むか、というところだよね。

その結果で作品の評価も割れるはず。

ともあれ、こういった感じで、安心して読める物語なので、結構、オススメですw


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