熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

知識化社会へ・・・青山有紀教授

2007年06月07日 | 政治・経済・社会
   2020年には、ユビキタス社会が頂点に達して脱情報化社会に入り、新しい「知識化社会」に突入するのだと、青山有紀慶大教授は予言する。
   農業社会、工業社会、情報化社会、と進展してきた人類の経済社会発展が、第4次の新しい発展段階に達するのだと言うのである。

   次世代ネットワークNGN(Next Generation Network)の先を行く、新世代ネットワークNWGN(New Generatin Network)の時代のことのようである。
   NGNは、IPパケット転送をベースにしたTriple/Quadruple-play Serviceを実現するネットワークだが、NWGTは、このインターネットのアーキテクチュアやプロトコールとは異なった形態で将来のユビキタスサービスを提供するネットワークで、超大容量のコンテンツから、膨大な数量のセンサーや電子タグから発する極小容量のデータを疎通させるスケールフリーなネットワークだと言う。
   セクリティやプライバシィの要求条件を満たすと共に、ユーザーの要求条件に即応してカスタマイズされたネットワークを提供できるユーザーオリエンテッドなネットワークであって、IPネットワークの延長線上では実現できないので、イノベーションが必須であり、欧米では大々的な研究プロジェクトがスタートしている。

   私が興味を持つのは、経済社会発展論の方で、農業社会が産業革命によって工業化社会に到達するまでには気の遠くなるような永い年月を必要としたが、この工業化社会が情報化社会に到達するのには、仮に、ARPANETがスタートした1969年だとするとワットの蒸気機関の発明から200年しか経っていない。
   ところが、青山教授の説を取るとすると、次のこの情報化社会を脱して知識化社会に到達するまでには、半世紀しか必要としないことになる。
   一世代で産業革命を2度も経験できると言うことなどは、考えも及ばないことだが、私自身の経験でも、この情報化社会の進展が加速し始めた1980年代あたりから、世の中が急速な変化を遂げて、過去の経験や知識があれよあれよと言っている内に陳腐化して役に立たなくなって行くのをゴマンと見てきた。
   ずっと昔にドラッカーがコインした断絶の時代が実際に起こっているのである。

   さて、この経済社会発展論に沿って、人類が発展段階を上り詰めていくことが幸せなのかどうか、私自身は、進めば進むほど人類の歴史は終焉に近づかざるをえないのにと思っているのだが、最近、養老孟司先生と月尾嘉男先生の面白い講演を聴講したので、次にコメントを試みながら考えてみたいと思っている。


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