熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

新宿御苑・・・菊花壇展

2013年11月17日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   去年は早く来たので、まだ、肥後菊などは咲いていなかった。
   今年は、逆に展示期間後に来たのだが、その年の気象状況にもよるのではあろうが、どうも、今が最盛期のようで、菊花の輝きは素晴らしい。
   言ってみれば、毎年殆ど変らない同じ菊花展を見ることになるのだが、それでも、鑑賞の楽しみは格別で、これが、伝統と言うものであろうか。

   勝手知ったる新宿御苑なので、行き当たりばったりに菊を見て回っているのだが、今回は、案内書の通りに、中央入り口から入って、懸崖作り花壇から順に歩いた。
   菊は、謂わば、国花であるから、栽培には卓越した匠の技が発揮されているのだが、この懸崖作りから始めて、その大変な技術と知恵に、何時も感心している。
   
   

   次は、伊勢菊、丁子菊、嵯峨菊花壇である。
   伊勢菊は、縮れた花が垂れ下がり、丁子菊は、花の中心部が盛り上がったアネモネ咲き、嵯峨菊は、細長い花びらが箒のように直立咲き。
   
   
   
      

   大作り花壇は、一株から数百輪の花を半円形に整然と仕立てて、同時に花を咲かせると言うのだから、とにかくすごい。
   菊花に対する憧憬も凄いだろうと思うが、技術のみならず、大変な苦労と忍耐の賜物と言えようか。
   菊にしても、自然に逆らって成長しながら開花するのであろうから、幸せかどうか、変なことを考えながら、何時も、見とれている。
   
   

   次の江戸菊花壇は、菊が踊る花壇である。
   花が咲いてから、伸びた花弁が左巻きになったり右巻きになったり、花びらが様々に変化するのだから面白い。
   
   

   一文字菊、管物菊花壇も面白い花壇で、一文字菊は、大きな花びらが16枚前後の一重咲きの御紋章菊、管物菊は、糸菊と呼ばれ、筒状に伸びた細長い花びらが放射状に咲く大輪菊で、夫々、円盤状に切られた白紙の上に乗っている。
   
   

   今度は、綺麗に咲いていた肥後菊花壇。
   肥後菖蒲や蕊の大きな肥後椿でも有名だが、肥後のお殿様は、実に風雅な文化人であったのであろう。
   武士の精神修養として発達したとかで、栽培方法や飾り方は、秀島流の厳格な様式に基づいていると言うのであるから、肥後藩は、正に、文武両道に秀でた藩であったのであろう。
   
   
   

   最後は、一番ポピュラーな大菊花壇。
   しかし、神馬の手綱模様に見立てた「手綱植え」と言う新宿御苑独自の様式だと言うから、一寸、他とは違うのであろう。
   39品種311株の大菊を、黄・白・紅の順に植えつけ、全体の花が揃って咲く美しさを鑑賞する花壇だと言う。
   
   
   

   さて、御苑全体の雰囲気は、完全なる紅葉には、まだ、大分間があるのだが、正に、秋たけなわで、夕日に映えた御苑の風景は、春の華やかさとは違って、旅愁を誘う。
   池畔に揺れるススキの佇まいが、趣があって良い。
   
   
   
   
   
    

   シーズンでもあるので、足を伸ばして、バラ花壇とプラタナス並木のあるフランス式整形庭園に向かった。
   秋バラは、花数が少ない所為もあって、遠方からは華やかには見えないのだけれど、近づいて見ると、実に色彩が鮮やかで美しい。
   まだ、結構、美しい花が残っていて、鑑賞には十分である。
   プラタナスは、まだ、少しグリーン気味で、美しく黄金色に輝くのは、もう少しした、モミジの紅葉の頃であろう。
   赤いバラをバックに、台湾からの若い家族連れであろうか、ワイワイ言いながら、妻子の写真を、撮っていた。
   日本人観光客は、スマホかデジカメで写真を撮っているのだが、東アジアからの観光客の大半が、キヤノンやニコンの一眼レフカメラを使って撮っているのが面白い。
   
   
   
        
コメント
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