IMFが、4月10日、The Great Lockdown: Worst Economic Downturn Since the Great Depression を発表した。
April World Economic Outlook projects global growth in 2020 to fall to -3 percent.
新コロナウイルス危機で、世界中がロックダウン状態になって深刻な経済危機に直面しているが、このパンデミックが、20年第2四半期に、世界中の国々において抑え込みに成功してピークアウトして、後半の半年で終息したと仮定すると、2020年のグローバルベースの経済成長は、マイナス3%となり、この大ロックダウンは、大恐慌以来最悪の大不況となり、先の世界金融大不況のマイナス0.1よりもはるかに悪いというのである。
そして、2020年中にパンデミックが終息して、世界中で、多くの企業の倒産を回避し、雇用ロスを起こさずに、システム全体の金融危機を避けるべく経済政策が有効に働けば、2021年の経済成長は5.8%に回復する。
しかし、先に予測していた2021年の水準より悪くて、2020年と2021年を合算したグローバルGDPのロスは、9兆ドルに達しており、この数字は、日本とドイツを合算したGDPより多い。
今回の大不況は、大恐慌時とは違って、先進国のみならず、新興国や発展途上国をも巻き込んだ地球規模の大恐慌である。
特に、経済の成長をtourism, travel, hospitality, and entertainmentに依存している国家経済の破壊は顕著であり、新興国や発展途上国は、外資流出による金融危機に加えて脆弱な医療健康体制にサポートの資金不足に苦しんでおり、それに、成長から取り残されて国家債務に苛まれている政治不安定国家の危機など、深刻な状態を浮き彫りにしている。と言う。
IMFの2020年予測では、先進国のGDP成長率は、マイナス6.1%
新興国と発展途上国は、マイナス1.0%、中国を除けば、マイナス2.2%
新興国と発展途上国のマイナス数字が低いのは、中国とインドの経済が巨大で、それに引っ張られた数字であろうが、中国も第2波のパンデミック危機に直面する可能性も否定できないし、内需が貧弱な以上、欧米日からの輸入が極単に冷え切っていることを考えれば、プラスなどあり得ないと考えられるし、ロックダウン状態に突入したインドの悲惨さは極限に達していて、すぐのリバウンドの可能性は低いと思われる。
ドイツの主要経済研究所の20年のGDP成長予測は、マイナス4.2%で、21年はプラスのようだが、FTのW・ムンヒャウは、世界中のロックダウンの連鎖的な悪影響や運輸・観光など様々な業界に及ぶ長期的な損失、冬場に感染の第2波が発生する可能性などを考慮していないので、そんなに良いはずはなく、ユーロ圏のGDPは、10%近く落ち込むと言っている。
パンデミックがなくても経済的に苦境下にあったイタリアやスペイン、それにフランスの数字が、ドイツと殆ど近似なのは信じられないし、パンデミック終息後の大きなダメッジを受けた経済をどのようにして立て直すのか、気の遠くなるような苦難に直面するはずである。
これまでの恐慌や大不況は、経済循環的な突発事件的な様相を呈していたが、今回は、パンデミックとはいえ、人間がロックウダウンして急ブレーキをかけて、経済活動をストップさせた人為的大恐慌であるから、傷は途轍もなく深くなるような気がする。
まして、グローバリゼーションの浸透で、サプライチェーンなど経済関係においては世界中が雁字搦めに繋がっており、その上、先進国経済が成熟化して成長から見放された財政危機の状態にある時であるから、尚更、復興立て直しの方が難事業だと思われ、先の世界金融危機の時でさえ不況が長引いたこと考えると、経済的苦境は21年以降にも大きく尾を引くように思う。
問題は、IMFも認めているように、この予測は、楽観的な予測である。
また、4月10日の発表であるから、ムンヒャウの言うように、今現在、悪化を続けている深刻なパンデミック状態を十分に考慮したとは思えない。
このパンデミックが、2020年の第2四半期にピークアウトして、後半期に終息して、2021年には経済回復するというシナリオで、パンデミックの危機が長引いて、2020年以内に終息しなければ、混乱の収拾に目途が立たず、財政状況がさらに悪化し、グローバルベースのサプライチェーンが一層ブレイクダウンするなど、経済悪化が進行して行き、2020年のGDPは、さらに3%ダウンし、2021年は8%マイナスになるという。
IMFのレポートは、最後に、Exceptional policy actions と言う項を設けて、こうすべきだと考えたのであろうか、パンデミック対策や経済政策などを開陳している。
分かりきったようなことだろうが、これが、思うように実行できないのが現状である。
この危機を乗り切るために、世界中のポリシーメイカーの政策よろしきを得て、医師と看護師の英雄的な行動を支援強化することが必須だと結んでいる。
今回の経済対策は、まず、一気に落ち込んだ需要を埋め合わせるべく、ドラスチックなケインズ政策で、サポートすることではあろうが、歴史と世界の潮流が、人類に、「挑戦と応戦」を迫ってきた以上、この機会に、このディスラプションを受けて立って、例えば、国家は構造改革、企業はビジネスモデルの改変、個人は生き方改革を試みてはどうか。
いずれにしろ、前代未聞の歴史的危機に直面して、経済学そのものも真価を問われるであろうと思う。
April World Economic Outlook projects global growth in 2020 to fall to -3 percent.
新コロナウイルス危機で、世界中がロックダウン状態になって深刻な経済危機に直面しているが、このパンデミックが、20年第2四半期に、世界中の国々において抑え込みに成功してピークアウトして、後半の半年で終息したと仮定すると、2020年のグローバルベースの経済成長は、マイナス3%となり、この大ロックダウンは、大恐慌以来最悪の大不況となり、先の世界金融大不況のマイナス0.1よりもはるかに悪いというのである。
そして、2020年中にパンデミックが終息して、世界中で、多くの企業の倒産を回避し、雇用ロスを起こさずに、システム全体の金融危機を避けるべく経済政策が有効に働けば、2021年の経済成長は5.8%に回復する。
しかし、先に予測していた2021年の水準より悪くて、2020年と2021年を合算したグローバルGDPのロスは、9兆ドルに達しており、この数字は、日本とドイツを合算したGDPより多い。
今回の大不況は、大恐慌時とは違って、先進国のみならず、新興国や発展途上国をも巻き込んだ地球規模の大恐慌である。
特に、経済の成長をtourism, travel, hospitality, and entertainmentに依存している国家経済の破壊は顕著であり、新興国や発展途上国は、外資流出による金融危機に加えて脆弱な医療健康体制にサポートの資金不足に苦しんでおり、それに、成長から取り残されて国家債務に苛まれている政治不安定国家の危機など、深刻な状態を浮き彫りにしている。と言う。
IMFの2020年予測では、先進国のGDP成長率は、マイナス6.1%
新興国と発展途上国は、マイナス1.0%、中国を除けば、マイナス2.2%
新興国と発展途上国のマイナス数字が低いのは、中国とインドの経済が巨大で、それに引っ張られた数字であろうが、中国も第2波のパンデミック危機に直面する可能性も否定できないし、内需が貧弱な以上、欧米日からの輸入が極単に冷え切っていることを考えれば、プラスなどあり得ないと考えられるし、ロックダウン状態に突入したインドの悲惨さは極限に達していて、すぐのリバウンドの可能性は低いと思われる。
ドイツの主要経済研究所の20年のGDP成長予測は、マイナス4.2%で、21年はプラスのようだが、FTのW・ムンヒャウは、世界中のロックダウンの連鎖的な悪影響や運輸・観光など様々な業界に及ぶ長期的な損失、冬場に感染の第2波が発生する可能性などを考慮していないので、そんなに良いはずはなく、ユーロ圏のGDPは、10%近く落ち込むと言っている。
パンデミックがなくても経済的に苦境下にあったイタリアやスペイン、それにフランスの数字が、ドイツと殆ど近似なのは信じられないし、パンデミック終息後の大きなダメッジを受けた経済をどのようにして立て直すのか、気の遠くなるような苦難に直面するはずである。
これまでの恐慌や大不況は、経済循環的な突発事件的な様相を呈していたが、今回は、パンデミックとはいえ、人間がロックウダウンして急ブレーキをかけて、経済活動をストップさせた人為的大恐慌であるから、傷は途轍もなく深くなるような気がする。
まして、グローバリゼーションの浸透で、サプライチェーンなど経済関係においては世界中が雁字搦めに繋がっており、その上、先進国経済が成熟化して成長から見放された財政危機の状態にある時であるから、尚更、復興立て直しの方が難事業だと思われ、先の世界金融危機の時でさえ不況が長引いたこと考えると、経済的苦境は21年以降にも大きく尾を引くように思う。
問題は、IMFも認めているように、この予測は、楽観的な予測である。
また、4月10日の発表であるから、ムンヒャウの言うように、今現在、悪化を続けている深刻なパンデミック状態を十分に考慮したとは思えない。
このパンデミックが、2020年の第2四半期にピークアウトして、後半期に終息して、2021年には経済回復するというシナリオで、パンデミックの危機が長引いて、2020年以内に終息しなければ、混乱の収拾に目途が立たず、財政状況がさらに悪化し、グローバルベースのサプライチェーンが一層ブレイクダウンするなど、経済悪化が進行して行き、2020年のGDPは、さらに3%ダウンし、2021年は8%マイナスになるという。
IMFのレポートは、最後に、Exceptional policy actions と言う項を設けて、こうすべきだと考えたのであろうか、パンデミック対策や経済政策などを開陳している。
分かりきったようなことだろうが、これが、思うように実行できないのが現状である。
この危機を乗り切るために、世界中のポリシーメイカーの政策よろしきを得て、医師と看護師の英雄的な行動を支援強化することが必須だと結んでいる。
今回の経済対策は、まず、一気に落ち込んだ需要を埋め合わせるべく、ドラスチックなケインズ政策で、サポートすることではあろうが、歴史と世界の潮流が、人類に、「挑戦と応戦」を迫ってきた以上、この機会に、このディスラプションを受けて立って、例えば、国家は構造改革、企業はビジネスモデルの改変、個人は生き方改革を試みてはどうか。
いずれにしろ、前代未聞の歴史的危機に直面して、経済学そのものも真価を問われるであろうと思う。