熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

何となく億劫な年中行事e-tax

2023年02月13日 | 
   年中行事の一つと言うべきか、会社を離れると、いくら収入が少なくても、毎年3月には、自ら、確定申告をしなければならない。
   確定申告をしなければ、どうなるのか調べたことがないので分からないが、義務だと思ってやっている。
   e-taxについては、既に、先月19日に、税務署からお知らせメールが送られてきており、申告開始は16日からのようだが、その前でも受け付けると言うことなので、大体毎年2月中旬にメール送信している。
   しかし、一年空けての入力で、それも、毎年遣り方などが変っているので、パソコンにはそれ程強くない後期高齢者にとっては、上手く打てるかどうか、季節が近づくと心配で億劫になるのである。

   e-taxが始まって随分経つが、最初からやっているので、もう15年くらいは続けていると思う。
   当初は、まだ、パソコンを自由に使いこなせる年齢であったのでそれ程造作はなかったのだが、この数年は、途中で行き詰まって、国税局のヘルプデスクに電話してお世話になっている。幸い、今年は、詰まり詰まりながらも、助け無しで伝送できたので、ホッとした。
   年金収入と社会保険料の支出しかなく、今回は、医療費は限度額以下であり、後は保険料くらいしかないので、記入は至ってシンプルなのだが、パソコンを上手く操作して、まず、申告記入様式に到達するかどうか、そして、申告内容確認書を作成して税務署へネット送信出来るのかどうか、それまでが厄介なので億劫になるのである。後で考えれば、何でもない単純な操作なのだが、ITデバイドの悲しさで、途中でトラブルと前に進めないので苦しむことになる。
   最近はスマホが主流のようだが、私は、慣れているパソコンで、カードリーダー使用のマイナンバーカード方式でやっているのだが、前年の遣り方は忘れてしまっているし、それに、毎年やり方が変化しているので、年に一度の操作では、老年にはきつい。

   問題は、何億も所得のある高額納税者も無税の貧窮者も10羽一絡げで同じシステムを運用していることで、我々のように年金暮らしで納税ボーダーラインの人間には、もっとシンプルなシステムを利用できないかと言うことである。マイナンバーカードを徹底して、全ての財産や会計情報など個人情報をを紐付きにすれば、自動的に収税できるのだろうが、日本では無理であろう。

   このe-taxシステムが、経済構造を変えている。
   e-taxの本来の業務の殆どは、申告者が納税関係資料を持って税務署を訪れて、税務署員が主導してやっていた税務署の仕事であったように思う。それまでは、毎年3月初から15日までが税務申告期間で、納税者は税務署へ詰めかけて税務署員と対面で申告手続きを行っていた。これらの全てが、e-taxでは、納税者が代わって行う生産消費者の責任仕事になって、税務署の仕事は、チェック業務に変化してしまった。
   先日書いたラナ・フォルーハーの「シャドーワーク(影の仕事)」と同じことで、下級の税理士や会計士の仕事の肩代わりであり、一寸ニュアンスが違うが、このe-taxがプロに外注されても高度な知識テクニックが不要で、経済構造の変化ともなる。このような行政の業務移管の生産消費者化かが進むと、下級のホワイトカラーの仕事が駆逐されて行くことになるのである。
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