地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

北京のトロリーバス

2005-10-02 20:17:02 | 中国の鉄道


 北京北駅シリーズはまだ続くのですが、ちょっと横道にそれまして、北京で今もなお活躍するトロリーバスの画像をアップしてみたいと思います。
 トロリーバスはもちろん鉄道・軌道ではありませんが、確か日本にも昔あったトロリーバスが軌道法に準拠していたように (間違っていたらスミマセン ^^; 唯一現存する立山黒部ルートのトロリーバスはどうでしたっけ?)、電線から電気を取って道路を走るという点で、一般のバスよりも路面電車と割と近い存在です。特に、北京のトロリーバスも昔は路面電車だったものをそのまま架線だけ流用して営業しています。
 そして、何とも感動的なことに、上海のトロリーバスが既に味気ない新型車体になってしまったのとは違って、ここ北京のトロリーバスはまだ辛うじて80年代~90年代前半の社会主義チックなボロバスが健在! 久しぶりに北京を訪れた私は、昔親しんだボロバスが最近のバブリーな経済発展のあおりですっかり引退してしまったと思っていましたので、いや~感動しました (^^)。特に、泊まっていたホテルの目の前の折り返し場で、上段の細い窓が外側に開く最旧型モデル (↑の画像。しかも広告なし!) を発見したときは、もう興奮して手ブレしまくりでした (^^;)。



 そして、こちらの画像はやや新しく、記憶では90年代中頃に新型車として登場していた、蛇腹式連接車の最後のモデルのようです (90年代末頃からの新車は連接構造をやめてしまいました)。上の画像ともども、「本車已消毒」という掲示が最近のSARS禍を今に伝えているようで生々しいものがあります……。「三八紅旗号」というHMを掲げていますが、この「三八」とは3月8日=中国の婦女節のことでして、要するに「模範的な女性運転士・女性車掌が乗務しております」という程度の意味です。

 というわけで、北京のボロいトロリーバスは今日も「モヨヨヨ~ン」というモーター音を奏でながら奮闘しておりますが、どうも先行きが余り明るくなさそうなのも否めません。何故なら、かつての路面電車の路線を引き継いでいる関係で、北京の旧城壁内+α程度の路線網の広がりしかなく、近年郊外に向かって爆発的に拡大する市街地をカバーするバス、そして猛烈な勢いで建設が進む地下鉄網と比べると、システムとしての拡張性は明らかに限界があるからです。しかも、追い越しが出来ない関係で、しばしばトロリーバスだけ数珠つなぎ、バスが追い越しまくり……という光景も見られます (特に、トロリーバスのポールが外れて修復に手間取るときなど ^^;)。 それでも、明らかに燃費が悪そうで激しい大気汚染の原因となっている中国製のタクシーや自家用車に比べれば清潔度は極めて高いので、これからも頑張って欲しいものです……。
 ちなみに、最近中国では鉄道趣味が急速に認知されつつあるようなのですが、トロリーバスを撮るヤツはほとんどいないようで、折り返し場で激写していたところ、管理員のオッサンが「お前何やっとんじゃ~」とやって来ました。余程アヤシかったのでしょうか (^^;)。勿論、日本から旅行に来た「電車迷」だと言ったら「ほ~そうかい」で無罪放免になりましたとさ (笑)。