周知の通りジャカルタにおける電車シーンは、日本から新たに中古車が導入される都度、全く異なる路線になってしまったかと思えるほどの激変を見せて来ました。しかし今回の訪問にあたっては、埼京線205系の大量投入がかつてないほど巨大なインパクトを与えているような印象を受け、これまでにない衝撃を受けたのでありました……(滝汗)。
思い出してもみれば、初訪問の2009年当時は非冷房エコノミー電車の方が圧倒的に多かった一方、冷房電車と言えば都営6000・メトロ5000&東葉1000・東急8000系列が三大陣営であり (そして103系が8連2本)、とりわけ本数が多いボゴール線では東急車中心の布陣が敷かれていたことから「東急ボゴール線」という印象すら抱いたものです。その後、メトロ7000/6000系、JR203系、メトロ05系といった顔触れが参入しましたが、これらの系列はブカシ線とスルポン線の運用に多数充てられたことから (203系はスルポンには余り入らず)、「東急ボゴール線」そのものは少しずつ変容しつつも決定的な印象変化には至らず……。
しかしながら、既に205系が13編成運用入りし、かつ8連化されたハエ31編成を除けば全て中央~ボゴール線の運用専属となっているのみならず、昨年絶不調気味であったメトロ6000系の一大陣営が懸命の保守作業を経て大挙して運用に戻り、ボゴール~環状線運用においても大きな座を占めるようになりました。また、メトロ5000&東葉1000は故障知らずの最高に使いやすい電車として認知されているようで、検査入りしない限り常に終日運用されているかのような印象があり、呼ばなくても来る状態 (笑)。一方東急8000系列は、8613Fが完全に廃車同然といわれ (今回は直接確認していませんが)、8611Fは検査中のため全く見かけず。計9編成はボゴール線のみならずブカシ・タンゲランの運用に入っていました。
その結果……いくら5~6編成がボゴール線の運用に入っているといっても、圧倒的なJR・メトロ軍団の布陣のもとでは多勢に無勢。東急ファンのはしくれとして抱き続けていた「東急ボゴール線」という印象は完全に崩壊してしまったのでありました……。裏返していえば、今後の横浜線205系22編成大量投入と合わせ、これはJREの一発逆転大勝利であります。さらに、メトロ東西線・千代田線のいずれもJREに乗り入れることを加味しますと、ジャカルタはいつの間にかJRE巨大帝国となってしまった感があります……。しかも最近JREとKCJのあいだで結ばれた技術提携といい、KCJの親会社であるKAIの城南社長がJREに心酔しているといわれていることといい、この巨大帝国の地位は今後も永きにわたって揺らぐことはないでしょう。
いや勿論、個人的には205系も203系も103系も大大大好き♪ですし (笑)、とりわけ今回はこの3形式の大爆走を堪能しましたので (^O^)、今回の205系激増そのものに文句を言うつもりは全くございません。否それ以上に、何故もっと早くから、少なくとも10年以上前から、JREとKAIは親密な関係にならなかったのか……とすら思うこともあります。もしそうであれば、103系が今でも大量にジャカルタで走っているかも知れないのですから。
しかし同時に、東急ファンのはしくれとしましては、「東急8000系列は負けた」……という印象を拭えず、一抹の寂しさを禁じ得ないものがあります。もしJAL問題で東急が大損失を蒙っていなければ、今頃はもっと大量に8500系がジャカルタ入りし、「東急ボゴール線」の座は鉄壁不動だったのではないかと……。
とりわけ、今回は東急8000/8500系のうち8611・8613Fを除く全編成の現状を激写できたとはいえ、駅で待っていても一度もすぐには現れず、結局ジャカルタで一度も東急8000系列に乗る機会がなかったという衝撃の結果となってしまっただけに、なおさら「東急破れたり……」の感を強くしてしまうのであります (苦笑)。否もちろん、来るまで待てば良く、ボゴール線であれば日中でも8~10本待てば必ず東急もやって来ます。しかし、5日間と限られた訪問にあっては、何時までも待っているわけには行きません。パクアン急行様から事前に頂いた運用表がいくら手許にあると言っても、常にダイヤが大幅に乱れている中では、その通りの順序で運用が回っているかどうか確信など抱きようもありませんし……。
というわけで、帰路空港へ向かうタクシーの車内からジャカルタの夜景を眺めつつ、「いいもん!どうせ東急8500系なら田都でまだいっぱい走ってるし!」「伊豆急に行けば全部8000」などと強がったのでありました (^^;)。