日本を後にして海を渡ったJR205系がジャカルタで大量にデビューしつつある一方、JRE・JRHからミャンマーに送られたキハ38・キハ40/48が約2ヶ月前に現地に到着、整備を受けている状況がネット上で散見されました。そして現地英字紙が伝えるところによりますと、ついにこのたびキハ38・キハ40/48はヤンゴン環状線の冷房車としてデビュー! 基本的にキハ38はキハ38のみで、キハ40/48はキハ40/48のみで編成を組み、しかも塗装はそのままのため、どちらの形式にしても日本時代よりも編成美を楽しめる可能性が大です。全面広告を貼られない限り……。
この結果、既にデビューしているキハ181の5連と合わせ、ヤンゴン環状線の冷房車は計3運用となり、俄然遭遇回数も増えるものと想像されます。また、運賃は400チャットから300チャットへと値下げされ、路線バスでそれなりの距離を乗る場合の200チャットと結構良い勝負にして冷房付きでもあることから、かなり鉄道利用の増加を促すことが予想されます。そして、冷房車では必ず検札が来ることから、かつてジャカルタで冷房車が増加するごとに運賃収入も確実に増えていったというサイクルが、ヤンゴンでも加速度的に進むのではないかと想像されます。
そこで気を良くしたミャンマー国鉄は、今後さらに冷房DCをヤンゴン環状線に投入することが予想されるわけで、日本からまとまった数の中古冷房DCを調達しようとすることでしょう。しかし、恐らく同じことを、路線再開が近づいているフィリピン国鉄も考えているわけで(RP誌今月発売号の、おなじみ斎藤幹雄氏レポート参照)、いやーこれからは中古DCの大争奪戦が起こるかも知れません。JRCでは、来年以後キハ40系列が大量に余剰となるわけですが、果たしてこれが海を渡ることになるのかどうか……? あるいは、DCが足りないものの冷房車は欲しいということで、フィリピン国鉄が203系で実現させたような発電機設置による冷房客車列車がヤンゴン環状線で実現しないとは誰も断言できないでしょう (私だけの妄想かも知れませんが ^^;)。まぁそもそもヤンゴン環状線などは、いっとき陸橋の大改造(嵩上げ=掛け替え)という犠牲を払いながらも思い切って電化してしまう方が良いと思うのですが……。冷房電車を客車として導入するとしても、クーラーが陸橋にぶつかってしまうことは目に見えているわけですから、いっそ架線の高さまで……。
をっと妄想が止まらなくなってしまいました。ともあれミャンマー国鉄は、整備費用さえ何とかなれば、日本から持ってきた車両をとにかく大事に活用したいという願望を持っているようで、早い段階に輸入して酷使してきたDCについても、最近次々に周到な整備を受けて見違えるような姿で活躍している……という光景を眼にします。去る3月のヤンゴン訪問の際にも、のとNT122→RBE2518が、整備終了ほやほやの極めて美しい姿を魅せてくれました♪
というわけで、ヤンゴン環状線で急増し始めた (?) 冷房車ともども、非冷房車も末永く活躍して欲しい……と改めて思うものです。