およそ鉄ヲタという人種であれば、リバイバル塗装や珍車の類いを見聞するにつけ、それがシブい塗装やヘンテコな造形、あるいは激レアな存在感であればあるほど激しく脳内物質が分泌され、是非一度は実車を拝んでみたいと思うのではないでしょうか。しかし往々にしてそのような存在は当たりにくく、運用が公開されていない限りハズレるリスクも極めて大きいため、敢えてそれらを目当てに遠出しようとは余り思わないのも事実です。勿論、学校の長い休みや永遠の休日で時間はいっぱいあるという学生さんやリタイア組であれば、そのようなリスクに関係なく珍車を求めてぶらりと出かけやすいでしょうが、仕事が多忙になればなるほどハズレのリスクを恐れて出不精になり、結局全く撮らないという悪循環に陥る可能性もあります。個人的に申しまして、そんな車両の一つが、キハ38登場時塗装の八高線キハ111・112であったりします。
この編成、八高線全通80周年を記念して2014年10月に登場したとのことですが、個人的にはキハ110系列の標準塗装が好きではないのと (そういえば拙ブログでも、キハ110の標準塗装が出演したのは山田線を訪ねた際の1回のみ……)、この塗装自体にシンプルな見映えを感じて好感を抱いていることから、「これは初めての、マジで撮りたいと思うキハ110系列かも知れない」と思ったものでした。そして敢えて極論を申しますと……左沢線にしても陸羽東線にしてもキハ101や110系列の路線別独自色を採用することにやぶさかでないのならば、是非このキハ38登場時塗装を八高線標準塗装に採用せよ!!と思うほどです。それでも今までついつい撮りそびれていたのは、とにかく「来ない」というリスクを爆弾を踏みたくない、という小心者らしさの現れだったのでありました (汗)。
しかし、こうして撮りそびれ、やがて存在自体をほとんど気にしなくなった時に、究極の奇跡は訪れるものです。何と……先日ハイキングに出かけるため東武越生駅に降り立ったところ、続いて八高線の接近を報せる踏切音が鳴り出し、やって来ましたキハ38色!! そこで速攻でカメラを取り出し、到着~停車中~発車後追いをとにかくひたすら激写しまくったのでした (^^;)。
やっぱり鉄道車両の塗装デザインは、スタンダードなストライプが一番♪……と思うのは私だけでしょうか。