相鉄は一昨日、2022年の東急直通に備えた新車20000系を新造し、相鉄100周年に合わせた今年末にデビューさせる旨を発表し、さっそく昨日は地元『神奈川新聞』の一面ネタになったほか、公式プレスリリースには日立笠戸工場でかなり完成に近づいた姿も掲載されています。新型車の登場はかねてから噂されていたことですので、登場それ自体は驚きませんが (正面デザインは何となく、九州のミトーカ豪華列車を思い出すのが何だかなぁ~)、注意深く説明を読んでみますと、いくつかの注目すべき点があるように思えます。
* 東急→総合車両ではなく、8000系以来久しぶりに日立発注。
* JR直通用とは一言も書いていない。
* 日経新聞によると、2022年までに全16編成登場ということで、7000・新7000のみならず、8000も置換対象 (としか思えない)。
このうち、発注先が6000~8000系と同様の日立に舞い戻ってAトレ仕様となったこと、そして10連で登場するということは、相鉄から東急に乗り入れたのち、さらに副都心線を経由して東武や西武に乗り入れる際の共通性にも配慮しているということなのでしょうか?! 相鉄から直通した列車は主に目黒線経由で南北・三田線に流れるものと予想していただけに、かなり意外な展開です……(南北・三田線は6連につき、全然相鉄の8~10連と合わないのでは、という意見もあるでしょうが、武蔵小杉大開発によって目黒線も混むようになり、長編成化は時間の問題だと思っておりました)。Aトレということで、椅子の座り心地が悪くなる可能性がありますが、プレスリリースのイラストを見る限り、9000系YNB車と同等の座り心地であるはずだと期待したいものです……。
いっぽう、20000系が副都心系統準拠仕様 (?) のAトレであることからして、JR直通は主にマンセンケーが担うのでしょうか。あるいは「JR直通車は現在検討中」とのことですので、E235系の相鉄バージョンとして12000系 (勝手に仮称) が登場しそうな気もしますが、乗り入れ先として予想される埼京線が今すぐE235でごっそり置き換えられるとは到底思えませんので、相鉄としてももう少々編成を揃える必要があると判断すればマンセンケーを増備するのかも知れません。
それはさておき、一気に大量製造を仕掛けることにより、8000系まで廃車が及ぶという事態は余りにも痛い……。「8701~8706Fが消え、衝突事故で既に8707Fが廃車となっていることからして、8708F以後が生き残り?」と思ったものの、ひょっとするとJR直通対応編成を増やすという名の下で、8708F以降も全廃となる可能性も有り得ます。まぁ、8000系初期車も1990年代初頭の登場であり、2021~22年頃の段階で経年は30年前後ですので、大規模な機器更新をしていない中、消えて行くのも仕方がないのでしょうか (そして……6000系が消えていったのも、もうそんな昔なのか!俺も歳をとるわけだ……と愕然 -_-;)。これまでのところ、9000系のYNB化が進んだ一方、8000系のYNB仕様車は全く現れていませんが、要するにこういうことだったのか……。
そういえば、20000系の車内にボックスシートを設置するという触れ込みは全くありません。このため、8000系も数年以内に一気に消えるとすれば、相鉄名物として定着していた感のある4扉セミクロスシート車は結局少数派に戻ることになります。
何はともあれ、相鉄はいよいよ新たな過渡期に突入……。20000系が早速どのようなかたちで模型化されるかという関心のいっぽう、7000系目当てのヲタが沿線に多数……? 地味な車両ですのでさほど増えないことを期待したいものですが、5050引退のときも結構ヲタは集結したのを思い出すにつけ、どうなることやら。
※上の画像は2009年、下の画像は2011年撮影で、天王町も西谷も今は撮影環境が激変。8000系ももちろん新塗装化……。何てことはない地味な記録も、今となっては懐かしいものです。