地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

秩父・西武観光バスのスピーカー付き8E

2017-06-13 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 先月末、多摩バス色の西東京バスに乗って登った東京都最高峰の雲取山。山荘に泊まって御来光と富士山の絶景を楽しんだあとは、約20年ぶりくらいで三峯神社に下山したのですが、昔は平日であればひっそり閑としていたはずが、今やパワースポット・ブームのためでしょうか、拝礼するのに下手をすると順番待ちの行列が出来るほどなのには驚きました。まぁ、超有名どころでなければ神社にはC人・K人は来ませんから、静かに観光したい向きにも好適でしょうし……。
 しかし、そこで返す返すも惜しまれるのは、秩父鉄道の三峰ロープウェイが廃止となって久しいこと。戦前に基礎が出来上がったこのロープウェイは、搬器こそ戦後の製造でしたが、約20年前に乗ったときには悲しいほど客がおらず、したがって補修にも金をかけられず、相当宜しくない雰囲気であったのを思い出します。ロープウェイ廃止後に運行を開始した西武秩父駅直結の急行バスがしばしば満員御礼の賑わいであるのを眼にするにつけ、もう少々ロープウェイも生きながらえていれば再び脚光を浴びたのかも……と思わなくもありません。



 そんなことを思いつつ、今回は三峯神社からバスに乗らず、往年の表参道を引き続き下山して、バスとロープウェイの乗換点であった大輪から (急行ではない) 三峰口駅行きのバスに乗って帰ったのですが、今や土台を残して消え去ったロープウェイ駅、そして人影が全くなく寂れ果てた大輪の集落の雰囲気は、まさに「強者どもが夢のあと」の世界……。
 しかしそんな感傷は、4分ほど遅れてやって来た中津川発のバスを激写して吹っ飛びました。正面上にスピーカーが付いた西武色の8E、めっちゃカッコ良い……(^O^)。三峰口から荒川源流部の山奥に分け入る西武観光バスは、例えばかつて、トンネルの断面限界に対応するために特殊仕様の「三角バス」を用意していたものですが、そんな伝統 (?) は今でも生きていた……。スピーカーは恐らく、中津川線の奥の奥にある狭隘路にて、対向車に呼びかけるための機能なのでしょうか? (中津川線は山奥過ぎて、終点まで乗ったことがないのが残念!)
 残念ながら、こんなイカした出で立ちの8Eも、既に老朽化のため廃車が進んでいるようです。今回乗った「か767」は、三峰口駅での乗り換え時間が限られていたため、折返し待ちの場所まで歩いて行き撮影するヒマがなく、「他に同型車の画像はないものか?」と外付けHDを漁ったところ、数年前の夏にやはり三峰口で撮っておりました♪ しかしよく見ると、下の「か684」は、車体最後部の細い窓がありませんな……。大所帯とは思えないのに、そんな細かい差異にシビれます (^^)。ところが、いろいろ検索してみますと、「か684」は既に廃車となっており、当日もすれ違ったバスはラッピングのエルガミオ……。今回乗った「か767」も先行きは長くないのかも知れません。
 というわけで、三峰口から奥に分け入る7E・8Eを楽しみたい方は、今のうちかも知れません (エルガ・エルガミオが来る可能性も高いためご了承を)。