かねてから噂されていた海老名の小田急ロマンスカー博物館構想、ついに正式な大本営発表があったようですが、これもひとえに、長年最大の懸案であった複々線化が完成し、財務的に余裕が出来る (?) ことのあらわれでしょうか。あるいは、7000形と70000形の世代交代を機に、7000形の新たな保存場所を考えた結果、既に相当ボロくなりつつある3000形保管倉庫の代替と合わせて、この際思い切って私鉄最大級の博物館をつくってしまおう、ということなのかも知れません。また、こうしてロマンスカーとモハ1形の完全な保管場所を確保することによって車庫にも余裕が増え、増発にもつながるのでしょう (切実)。
そんなロマンスカー博物館の発足を、遠い長野からも祝福……というわけで、先月末に撮影した長電画像のつづき、「ゆけむり」1000系です。
1000系が走る長電の風景は、既にすっかり板についていますので、特に目新しさはありませんが、そもそも雪山をバックに快走するHiSEという絵そのものが素晴らしい。連接車であるにもかかわらず、沿線に花を添えるべく導入に踏み切った長電の先見の明というべきでしょう。
そして、導入当時恐らく夢にも思っていなかった展開として、猿と温泉目当ての外国人観光客が殺到……というほどではないにしても大いに長電を利用し、この1000系「ゆけむり」と2100系「スノモン」の一大顧客群となっているわけですが、この2形式を導入したことも、今から見れば先見の明の極みとしか言い様がありません。もし2000系が現役なうちに外国人観光客の波があれば、2000系の時代がかったシートにショボーンとして、「長電=高くてボロい」というイメージを海外に発信してしまったかも知れませんし、2000系引退を機に特急車の所有を廃止してロングシートの電車による特急運転に移行したとすれば (特急料金は100円ですので文句言えず)、これもこれでショボーンな印象を広めかねなかったことでしょう。
何はともあれ、1000・2100系いずれも2本所有、常時各1運用という余裕のある状況ですので、何時までも良好なコンディションを保ち、動く小田急ロマンスカー博物館の役割を果たして頂きたいものです。