このたびJREは、世界初の高圧水素による燃料電池ハイブリッド車であるFV-E991系を製造し、鶴見線と南武線(武蔵中原~浜川崎)で実証試験を行う計画を発表しましたが、今日の京浜工業地帯を過去の重厚長大産業からゼロ・エミッションの最先端技術集積エリアへと脱皮させるべく行政が旗を振っていることに加え、高圧水素の供給地(昭和電工の工場)が目の前にあることから、確かに実証実験の地として相応しいと思いました。また現実問題として、205系が投入されてから約15年を迎え、そろそろ置き換えが視野に入る中、かつてほど混雑するわけではない鶴見線・南武支線に烏山線と同様の3扉車2連を投入することで、需要と供給のバランスを最適化するとともに、老朽化した架線電化設備をこの際全て取り払い、大幅なコストダウンを図ろうとしているのかも知れません。烏山線EV-E301のお試し編成が最初から営業用車両として登場したのに対し、こちらは形式名からしてあくまで試験車扱いですが、窓配置は営業車そのものであり、順調に所期の成果が得られれば、そのまま営業用車両に転用してしまうのでしょう。
というわけで、鶴見線の新たな節目が迫りつつあるのを記念して、205系の投入が始まった2004年の秋に撮影した103系の未アップ画像をレタッチしてみました。当時はまだまだ他の路線でも103系が健在でしたので、引退迫る鶴見線103系を撮っているヲタなんてほとんどいなかったよなぁ~ということを思い出しますが、とにかくまぁ、バブル崩壊後のうらぶれた工業地帯を103系がチンタラと走る光景は、いま思えば侘び寂びの一言に尽きるよなぁ……と痛感します。その一方で、ある意味とてもジオラマ的な雰囲気の鶴見線を、最新鋭技術のカタマリのような試験車が走ることになり、やがて量産化で鶴見線の新たな風景となって行くことにワクワクしております。架線が不要ということであれば、例えば東海道貨物線から神奈臨浮島線に直通する列車を設定することも可能であり(JRFも実証試験に協賛するとのこと)、机上の空論に等しい妄想は止むところを知りません (笑)。
いやその前に……そろそろ鶴見線・南武支線の205系は、今一度真面目に撮っておいた方が良さそうですね。そして、高圧水素の供給がしやすい場所ほど、燃料電池電車に移行して架線設備不要という流れになって行きそうですが(あるいは、EV-E301よりも容易に非電化路線の電車運行移行に資することになるでしょう)、さて、そういう路線は果たしてどこになるのやら。今後様々な予測で趣味界が盛り上がることになりそうです。
※多忙で更新頻度が相変わらず低下し、大変恐れ入ります。また、頂いたメールもなかなかレス出来ず、本当に申し訳ございません。m(_ _)m
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