地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ジャカルタ炎鉄録 (28) 都営6000猫バス

2014-03-29 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 ジャカルタの都営三田線における改造先頭車の歴史は、あたかも流線型のナゾ生物へと進化して行く歴史であったわけですが、その進化の頂点に存在しているのが、現地では「Djoko Lelono3」と愛称される6151Fであると言えましょう。しかし日本人の間では、誰が呼んだか……愛称は断トツで「猫バス」(笑)。それ以外の形容は全く考えられません。
 そんな猫バス、元はといえばボゴールでの正面衝突事故の生き残り車両に新たな顔をくっつけて誕生したものですが、如何せん車両数の限界により、登場後はしばらく4連として、タンジュンプリオク~ブカシ間の誰も乗らない運用 (爆) や、環状西線フィーダ、ジャカルタコタ~カンプンバンダン・フィーダとして運用されるにとどまっており、圧倒的な印象の顔に似合わずマイナーな存在感に過ぎませんでした。個人的には、その捕まえにくさとヘンテコさ故に、一度運用中の光景を眼にしたならば撮らずにはいられなくなり、2011年の訪問時には無理な行動が禍して骨折してしまったという暗い過去も……(汗)。



 しかし、それは決して猫バス自身の責任ではありませんので、骨折から再起した今となってはやはり、来てくれると嬉しい存在であることに変わりはありません。しかもこの編成、やはり8連化&カラーリング変更を受けて、よりグニョ~ンと胴体が長くなってナゾな雰囲気の猫バスに変貌し、日々ボゴール線を中心に大活躍していました (昨年8月の時点で)。
 今後は205系の中央~ボゴール線系統への集中投入により、ボゴール線を走るとしても環状線直通列車に充当されることが多くなり、したがってボゴール線での目撃可能性は下がることが予想されます (環状線直通に入りますと一往復するのに非常に時間がかかりますので)。というわけで、ボゴール線で猫バス新スタイルを撮り貯めることが出来たのはラッキーでした♪ もちろん、タンゲラン・スルポン線の運用に入れば、もっと遭遇確率は高まるでしょう (ブカシ線は最近東京メトロブカシ線状態となって久しいため、多分来ない可能性大)。
 ちなみに、先日ご紹介した「Espass」編成の中間に連結されている、帯パターンが異なる車両の正体は……この猫バス編成が4連だった頃の中間車 (滝汗)。4連運用の減少や一時的な調子の悪さゆえに (?) しばらく運用を離れていた猫バス4連が一旦バラされ、2両は「Espass」編成の8連化のために用いられ、先頭2両は休車。その後この猫バスを再活用するべく、中間車6両かき集められ挿入されたわけですが、腰回りがブルーとなっている先頭車との違いは明らかです (笑)。

 それはさておき、去る3月21日の『じゃかるた新聞』によりますと、インドネシア政府はこのたび「中国」の訳について、反共反中色が際だつスハルト時代に公的に固定された「チナ」から、「ティオンクォック・ティオンホア (中国・中華の福建風発音)」とすることを決定し、公文書での「チナ」の使用を禁止したとのこと。これによって、民主化&スハルト政権崩壊以来の華人を含めた国民統合のさらなる促進を目指すとのことであり、裏の意図として華人・中国マネーへのさらなる期待があるものと思われるわけですが (その経済的席巻ぶりをプリブミ=マレー系住民がどう思っているかはさておき)、そこで問題になりそうなのが、ボゴール線のポンドック・チナ駅でしょうか。
 これはさしずめ「唐人屋敷」という程度の歴史的地名と思われますので、果たして改名の対象となるかどうかは分かりません。とはいえ、一応ボゴール線の中でも乗降が多い駅のひとつであり (インドネシア大の裏口前。グーグル検索では、駅構内からの個人経営者退去問題にからむインドネシア大生と警察との衝突事件の画像がワラワラと ^^;)、地名変更とあわせて、あるいは国有企業KAIが持つ象徴的意味合いとからめて、「ポンドック・ティオンホア (中華屋敷)」となるのかも知れません。ちょっと読みづらいなぁ~。ま、元町・中華街みたいなものでしょうか。

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