早いもので2週間前の話となった京都出張ついで撮り鉄では、京都近辺での撮影→京阪ちょい撮影ののち、南海高野線・中百舌鳥以南の初乗車を果たしたのですが、その他にも昨年5月に中百舌鳥以北を訪れて以来塩漬けのカットが多数ありますので、ここらで満を持して (?) 南海高野線シリーズを連載したく存じます (ただ、例によって他の話題との同時並行ですので、完結はいつのことやら ^^;)。
そこで記念すべき (?) 第1回目として何を扱おうか……と思ったのですが、イマドキの高野線といえばやっぱりこれ、モハ2208+2258「天空」でしょう!
周知の通り、高野山を含む紀伊山地の霊場と巡礼道が数年前に世界遺産に登録され、南海は高野山への宗教観光のテコ入れを大いに図っているところですが、首都圏の私鉄車内にまで特急「こうや」の宣伝が現れたときには、私鉄間交流が増えつつある昨今とはいえさすがにびっくりした次第。そんな南海が、単に目的地としての高野山だけでなく、急勾配と急カーブに喘ぎながら高野山へと登って行く列車そのものを第一級の観光資源として前面に押し出すべく、今春のプレ運行を経て去る7月から本格運行しているのがこの「天空」。具体的には、もと高野線・なんば=極楽橋直通 (大運転) 用にして、現在は支線で用いられている「角ズーム」22000系改め2200系の余剰車を、やっつけオープンデッキつきの観光車両として改装・改番したものですが(「8」は橋本・高野を意味しているそうな……^^;)、個人的には22000系の高野線現役時代を目にしておらず、是非この車両が噂に聞く高野線の末端区間を力走するシーンを眼にしてみたい……と長年思っておりましたので、何はさておき照準を定めた次第です (笑)。
そこでまずは淀屋橋から御堂筋線でなんばに向かい、12時発の「りんかん」に乗車。緑したたる紀見峠越えをスカスカの車内 (^^;) で楽しむ間もなく橋本に到着しますと、さっそく極楽橋から「天空」が戻って来ましたが、残念ながら橋本駅ではキレイな編成写真を撮ることは叶わず……。とりあえず2000系普通列車の車端部ボックスシートを確保し、のどかな田園風景を愛でながら、九度山から先のデンジャラス=ゾーンを目指しました。
そして、適当なところで当たりをつけて「天空」のご来臨を待っていますと……この日は梅雨の中休みで異常に蒸し暑く、しかも無風! 山中に籠もった湿気と熱気で一気に全身が汗でズブ濡れ状態 (爆)。こりゃぁ脱水症状にならないか心配だ……と思いつつも、待った甲斐あって無事急カーブを行く勇姿をゲット! (^O^)。いや~一気に気分爽快です (笑)。
その後、極楽橋からの折り返しは、「こうや」との交換のため停車時間が長い紀伊細川で……というわけで、遥か谷底に僅かな人家があるだけの秘境駅で森林浴 (?) がてら待ち構えていたのですが、ここを選んだのは誤算でした……。ドピーカンで逆光なうえ、超広角がないと停車中は撮影出来ず (本当に限られたスペースに4両分のホームと構内踏切があるのです……)、そもそも「天空」の塗装が異様に艶光りしているため、下りホームの柵を反射しまくり……(-_-;)。まぁ、如何せん私自身が高野線末端部初訪問ですので、今後どう撮り貯めてゆくかは検討課題ですね~。
それにしても、高野線末端部の急勾配・急カーブは、本当に険しい山岳地帯をギリギリまで分け入り、鉄橋からは対岸の稜線が真正面に見えたり……という感じで、ひたすら興奮のスペクタクル。人口密度が極めて少ないという点も合わせると、ある意味で箱根登山よりも壮絶ですらありまして、「天空」という列車名は決して誇大広告ではない……と痛感したのでした。塗装につきましても、真言密教の聖地に分け入る列車がミ○ーカの如きチャラい (好きな人には失礼) デザインでは宜しくないと思うわけで、深い森と伽藍の赤を適度に組み合わせた沿線映えするものなのではないか、と思った次第です。ただ、もう少し彩度を落とした方が味があるような……。いや、逆に沿線風景に融け込みすぎてしまうかも (^^;)。
ちなみに、今回乗ってはいないのですが (と申しますか、連休中につき満員)、橋本駅でちょいと覗いたところ、車内はどれだけ飾ろうともあくまで2200系の基本を保っているという印象です (貴志川線のミ○ーカ・シリーズのように徹底改装しているわけではなし)。いずれ客が少ない時期に乗ってみるのが楽しみですが、そもそも閑散期の週末に走るのかどうか……(^^;)。
あとそういえば……2208+2258の2連単独では保安上万全を期すことが出来ないためか (ブレーキが古いため?)、「天空」は橋本方に必ず2000系または2300系の2連を連結していますが、この2連は自由席・料金不要の臨時列車扱いのようで、ちらほら客が乗っているのを目にしました。「天空」の2両がギチギチに混んでいたのとは好対照で、ある意味で超穴場かも知れません。
【お知らせ】いつもお楽しみ頂いているところ恐れ入りますが、多忙&撮り鉄遠征のため、次回更新はお盆明けの18~20日頃以降とさせて頂きます。m(_ _)m