地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

叡電探訪2019初夏 (2) 三陸鉄道色

2019-07-10 00:00:00 | 地方民鉄 (近畿)


 最近の叡電では、叡電〜比叡山〜坂本ケーブルルートの魅力を強く発信したいという親会社・京阪の方針もあって、どちらかと言うと動きが少なく地味な車両であった (?) デオ700系列に様々な手を加えつつあります。そこで、去る5月の京都出張ついで叡電訪問も、自ずとデオ700系列が最大のお目当てとなり、昔の叡電訪問時からは考えられないような心境の変化でもあるのですが (笑)、とりわけこんな車両が登場してしまっては、はやる心が疼かない方がどうかしているというものです。三陸鉄道塗装のデオ712、何と素晴らしいのでしょう……バンザ〜イ!!



 では、何故叡電に三陸なのでしょうか? それは詳論するまでもなく、震災からの復興を機にした絆というものです。とりわけ、去る3月に山田線の海沿い区間が三陸鉄道に移管され、釜石から久慈までの全体を「リアス線」として復興の新たなる道程が始まったことから、それを大いに祝賀する意味での特別塗装ということです。
 ……それにしても、余りにもツボり過ぎでは?!と思うのは私だけではないでしょう☆ 正面の形状が36形DCと似ているだけでなく、二段窓が続く側面も何となくそれっぽくもあります。車体がさほど長くないのも、なおさら「似てる」感を盛り上げているように思えます。
 というわけで、三陸の大自然に映えているはずのこの塗装が、忽然として洛北の箱庭然とした自然や街並みの中に放り込まれたのもまた一興。出来ればもう1両用意して頂き、観光ハイシーズンの鞍馬行きとして重連運転して頂きたいものですが、これはさすがに妄想の至りでしょうか……。いやいやそういえば、デオ800形にも三陸色を塗れば一発で、最高の日常風景が展開することになるでしょう (3ドアですが。笑)。

宮城乗物縦断 (5) ED75・快速花めぐり

2019-07-07 11:30:00 | 国鉄型車両


 JRE仙台支社は、毎年春の大河原〜船岡桜、そして福島花見山のピークに合わせて、ED75と高崎所属客車による「快速花めぐり」を運行しており、概ね隔年ごとに12系と旧客が往年の東北線客レを彷彿とさせるかたちで花見客やヲタを楽しませているようです。というわけで、運行される時間帯の有名撮影地はどこも大変なことになるようですし、福島行きのJR夜行バスも車内のかなりの割合が早朝から場所取りを狙うヲタだったりするのですが (今回の街道歩きで乗って内心大爆笑)、まぁ私自身は熱烈なJRヲタ・ネタ鉄ではありませんので、そんなの何処吹く風と思いつつ春の街道を歩き、日中やや人出が減った撮影名所陸橋にて (パンピーの皆様は凄い人出 ^^;) 701・E721系や貨物の撮影に興じたのですが、午後の「快速花めぐり」仙台ゆきは、蔵王と桜に対して罐の顔がダメダメ逆光ですので、待つ意味は薄し。まぁ皆さん頑張って……と思いつつ、元の街道に戻ったのでした。



 とはいえ、一応「快速花めぐり」の船岡発車時刻は、手持ちの地図に書き込んでおりまして、自分が歩いている位置が線路に近くなり、しかも通過時刻と重なり、撮り易い場所も見つかりそうであれば、折角の機会につき撮ってやろうと思っておりました。そこで、槻木の手前、白石川のJR橋梁に着いたところで、通過まであと20分ほどとなりましたが、橋そのものはコンクリートが下回りを隠すなど撮りづらいという……。そして何人かのヲタが、橋に来たものの期待したほどの眺めではないためでしょうか、満開の桜越しにED75のサイドビューを撮ろうとしているようでしたが、これもどうも、周囲の物とのからみで、すっきりと美しい絵にはならないような気が。
 というわけで「最初から狙っているわけではないし、まいっか」と諦めまして、槻木市街の南部へと進んだのでした。改めて時計を見ると、「花めぐり」通過まであと5〜6分……。一方、地図を仔細に眺めると、どうやら線路沿いに入る横道があるらしい。そこで、これは一か八かの勝負に打って出ることにしました (笑)。槻木駅南側の、東北線と阿武急が並行する区間は撮り易いのか否か、全く知る由もありませんが、もしハズレであったとしても、歩いて僅か数分のロスにしかなりません。角度的にはド逆光ですが、それはまぁそれ。他のヲタとの場所取り争いも長時間待機も一切抜きにして、まさに一瞬芸でネタ列車を撮るという最高のチャンスかも知れません……。
 そこで駆け足で線路脇に出たところ、をを!若干架線柱とヲタ除けロープと草が鬱陶しいものの、何とかイケそうではないか! と思った間もなく、遠くからフィーーーーーッ!と甲高い汽笛一発、猛スピードでED75と12系が駆け抜けて行きました……! 
 う〜〜〜ん、これはまさに、国鉄時代の12系臨時急行というノリですな!! 個人的に、ED75は貨物や鈍行を牽引しているという印象が強かったため、この小粒な罐の何処にこんな高速走行性能があったのかと驚くばかりですが、まぁ12系を牽引する程度ならお茶の子さいさい、小粒でピリリと辛い赤唐辛子、ということなのでしょう。
 こんな感じで、期待していなかったものが運良く撮れてしまったことで、満開の桜を眺めながらの奥州街道の旅に、またとない思い出が加わったのでありました。その後は再び東北線から離れ、岩沼の手前では全線再開を待つ常磐線を跨ぎ、製紙工場への専用線の様子を観察したのち、岩沼の街の北にあるルートインに泊まったのでした。

数を減らし始めるも奮闘する東急8500系

2019-07-05 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 周知の通り、東急がついに田園都市線8500系・8590系を置き換えるべく2020系の大量増備を進めている昨今。既に2020系は9本となり、田都を利用して当たる確率は格段に高くなりました。椅子の座り心地がもっとマシであれば、個人的には悪くない電車だと思いますが。
 いち早く消えた8590系が富山地鉄17480形の追加分になるであろうことは何となく予想できるのですが、8500系については大井町線の軽量鋼体車に続いて8620Fも10連まるごと解体されたことから、今後8500系は譲渡もほとんどなされず急速に解体されることになるのでしょうか……。



 というわけで8500系は、大量に消え始める頃合の、主力として最後の活躍というモードに確実に入りました。最近は仕事の多忙が増し、昔のような出退勤ついで鉄をするヒマがほぼ無くなったのと、ホームドアの整備が進んで確実に撮りにくくなった中、8500系については「撮る」よりも「乗る」ことにシフトしていたのですが(まぁ、K運用を狙って、8500系に当たったら喜ぶといった程度です ^^;)、先日久しぶりにちょこっと、数分間のみ撮影しました (どちらも、ホームドアから手を出すことはせず、内側から超望遠撮影しています)。この期に及んで奇跡的に検査を通った8630Fはピカピカで、恐らく2022年の最期まで活躍すると思われる反面、8615Fはやや汚れも目立ち、果たして何時まで活躍するだろうか……というわけで、これからは編成ごとの汚れ具合を見るたびに、残された時間を思うことが増えるのかも知れません。

 それはさておき、かねてから去就が注目されていた「ゆうマニ」はやっぱり、伊豆急のミトーカを北海道で走らせるための電源車になるとのことで、一昨日長津田に到着し、今後は一旦恩田入りでしょうか?? 何でもありですな……(笑)。

インドネシアの線路検測車 (16年8月)

2019-07-04 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 今週土曜の夜7時半からNHK BSプレミアムで放送される『行くぞ!最果て! 秘境×鉄道』は、インドネシア特集ということで、ジャカルタ鉄経験済みで今からワクワクしておられる方も多いことかと存じます。番組の前半はジャカルタ編のようで、ジャカルタとバンドゥンを結ぶ老舗特急「アルゴ・パラヒャンガン」が密林の中の巨大鉄橋を渡るシーンの空撮が公式HPで予告されており、さらに日本中古電車も登場する模様です。



 しかし、番組の後半は……落花生。様をはじめごく僅かな鉄だけが乗車を果たした、スマトラの激ヤバ森林鉄道!! これは楽しみ過ぎます……。
 というわけで、スマトラの森林鉄道のヘロい車両とは全く異なりますが、何となく風貌がユーモラスなインドネシアの車両として、国鉄所有の軌道検測車の画像をアップしておきたく存じます。神出鬼没で、小粒ながらも如何にも重々しそうな車両が通過し、思わず「何じゃこりゃ〜!」と内心叫びながら連写しまくったものです (笑)。

京釜線土砂降り鉄 (10) 初期型5000系

2019-07-03 00:00:00 | 韓国の鉄道


 去る7月1日に経済産業省が発表した、輸出貿易管理令の運用をめぐる通達の改正内容が、ウリナラにおいて激震と捉えられているようですが、これはまぁ言ってみれば、昨年来ローソク革命政権が日韓関係のあらゆるお約束を無視し毀損してきた結果、ついに日本政府としても、信用出来ない国家に対する待遇を変えざるを得なくなったということで、今回の発表はとりあえず、レーダー照射事件の後始末の一つではないかと愚考しています。
 レーダー照射事件は、ウリナラ軍が北の瀬取りによる戦略物資調達を助けていたのを見られてしまったが故に起きた出来事だったと思われ、日本を核とミサイルで脅かす北に日本製の戦略物資を国家ぐるみで横流すウリナラなどは最早安全保障上の友好国と呼ぶには値しない以上、輸出手続を簡素化した従来の優遇措置を止め、ウリナラについてはとりわけ厳しく審査するカテゴリに移すのは当然のことでしょう(省令で様々な国をカテゴライズする中に「り地域」というカテゴリを新設してウリナラを当てはめ、経産省の安全保障貿易審査課が極めて厳格なチェックを入れるようです)。これぐらいのことは自由貿易諸国でも普通にやっているはず。それをWTO違反だなどと騒ぐこと自体がお門違いも甚だしく、この期に及んで相変わらず日本に甘えているとしか思えません。
 かねてから、日本との関係で利益を得てきた人々を、「民族の正気」に照らして汚れた存在と見做す「積弊精算」を推し進め、「克日」を高らかにうたってきたのは、ローソク革命精神の発露に他なりません。というわけで今般の措置は「この際、戦略物資を日本から送るのも厳格な条件にしてやるから、今こそ本当に望み通りに日本を排除し克服し、完全な独立自主をやれるものならやってみろ」というイルボンからの愛の鞭だとどうして思わないのでしょう? たとえ物資がなくとも独立自主・自力更生の精神、そして千里馬・万里馬の速度戦・強行軍精神で、無いものも自分で創る。この世にうらやむものは無し! そのような思想的覚悟こそ、間もなくウリナラも喜々として懐に抱かれるところの、先軍チョソンの主体思想というものではありませんか。



 ともあれ今後ウリナラは、「本来であれば日本と密接な経済関係がありながらも、日本の安全保障上極めて疑わしくなった国・地域」である「り地域」に指定されましたので、さて、どれほどスムーズに半導体素材を調達できるのでしょうか。かつて尖閣事件に際して中共が日本向けレアアースを禁輸にした後、日本企業が必死に代替技術を模索したのと同じく、ウリナラで製造技術を早急に固めるも良し。あるいは中国様に戦略物資を頂けるよう頭を下げ、この際思い切って現代版の朝貢国の座を復活させて、天朝大中華の恩恵に喜々として浸るも良し。しかし、どれだけ時間がかかるか分かりませんし、あるいは天朝大中華もこれを奇貨として、袁世凱のような輩をウリナラに送り込んで政治と外交を全面指導するようなことになるやも知れません。朝鮮王朝末期のような、思わず息を呑むようなどんでん返しや荒波が、これからのウリナラで起こるかと思うと、脇で見ている物好きとしては本当に楽しみでなりません(110年以上前とは違うのは、もう日本は何らの領土・経済的関心も持っていないということ。だって、軍国主義じゃないんですから)。
 そしてもう一つの見どころは、ウリナラ半導体の生産が本当に止まったとき(そして今後、日本による厳しい貿易管理の対象が工作機械やその他の戦略的素材・部品にまで及んだとき)、ウリナラのVVVF電車は果たして潤沢に部品を確保出来るのでしょうか。日本的なDNAを受け継ぐ首都圏電鉄の電車に罪はないものと思いますが、部品が足りずやがて間引き運転の度合いが増すことになるとすれば、それもまた運命というものでしょう。また、ただでさえウリナラ製の電車は、中国製と比べてもどうも怪しい……と思わずにはいられないのですが(一番の代表例は、僅か2〜3ヶ月で運用を外れた、宇進産電製品搭載のインドネシア・Holec AC。タンゲラン線で乗った俺すげぇ、と改めて痛感します。笑)、今後世界中で、ウリナラ製電車のメンテナンスが滞ることも予想されます。
 まぁその時は、日本製品を買って頂きたいと思うものです。そもそも半導体供給も、ここに来て国産品が改めて世に打って出ようとしています。現在、岩手県の北上工業団地に、東芝メモリ岩手の巨大工場が建設中で、今秋完成と伝えられますので……(先日奥州街道を歩いていた際、街道の一部を潰して建設されていた巨大な建物に震撼しました。この手の精密機器産業が、いま北上周辺にバンバン進出しており、岩手県は非常に景気が良いようです)。

 というわけで、昨年夏のソウル出張ついでに、土砂降りの中で撮影した画像の続き……「205系5000番台の標準軌・交直流版」とも呼ぶべき (?)、KORAILの5000系改め311000系初期車です。出来れば、これが京釜線の急行線をかっ飛ばして来て欲しかったのですが、結局緩行線で来たのみで、編成写真はキレイに撮れなかったため、代わりに一両一両形式写真っぽく撮ってみました。とくにWパンタの中間車をはじめ、結構良い味出していて好きなんですよ、この電車……。