小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『奇商クラブ』G・K・チェスタトン

2003年03月18日 | ミステリ感想
~収録作品~
“会員は完全に新しい商売を発明し生活を支えなければならない”
奇想天外な規約を持つ「奇商クラブ」の面々をめぐる事件を隠退した裁判官バジルが逆説で解く全六編に、中編『驕りの樹』と『背信の塔』を併録。

ブラウン少佐の大冒険
痛ましき名声の失墜
牧師はなぜ訪問したか
家屋周旋業者の珍種目
チャッド教授の奇行
老婦人軟禁事件
背信の塔
驕りの樹


~感想~
奇商クラブの六編は、ミステリとして読むと点は辛くなるが、物語は楽しめる。
むしろ実力をまざまざと見せつけられるのは『驕りの樹』
チェスタトン作品の眼目は結末にあり。二転三転の展開を収束させる手際がさすが。
個々として見ると、堅いわ難解だわと読むのに骨が折れるが、読後感は非常にいい。
皮肉や会話の妙は、時代を超えて輝く。


03.3.18
評価:★★ 4
コメント