小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『蜃気楼に手を振る』有栖川有栖

2003年09月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
冬になると、真幌の海に蜃気楼が現われる。
満彦は五歳のころ、母につれられ初めて兄弟たちとそれを見た。
母は言う「蜃気楼に手を振ったら幻の町につれていかれるのよ」
直後、こっそり手を振った長兄が事故死し、
二十五年後の今、蜃気楼が残された兄弟の運命を翻弄する。


~感想~
ありがち→奇想?→ぐだぐだ。
煙に巻いたような(いや、巻いた)トリックに雑学細工。余計な詩情。中編でも切れ味戻らず。


03.9.11
評価:☆ 1
コメント

ミステリ感想-『puzzle』恩田陸

2003年09月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。
映画館の座席に腰掛けていた感電死体――廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。
偶然による事故なのか、殺人か。二人の検事が謎に挑む。


~感想~
冒頭にのけぞった。おぉ、この大上段の振りかぶりは――と見せて腰くだけの結末。
“北辰一刀流の構え! ただし得物は魚肉ソーセージ”みたいな!((C)葵井巫女子)
面白いのはあらすじだけでした。


03.9.11
評価:★ 2
コメント

ミステリ感想-『QED 式の密室』高田崇史

2003年09月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
密室で遺体となって見つかった「陰陽師の末裔」。“式神”を信じる孫は他殺説を唱えるが……。
はたして、“安倍晴明伝説”の真実とは? “式神”の正体とは?
さらには“鬼の起源”とはいったいなんなのか?


~感想~
密室本。
密室よりも主眼は明らかに式神の正体について。
あまり大ネタではないから、それを書くためだけにとりあえず密室を作り、密室本として上梓したような。
短いし、まあそれなりに。


03.9.10
評価:★★☆ 5
コメント

ミステリ感想-『崩れる』貫井徳郎

2003年09月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
こんな生活、もう我慢できない…。
自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。
昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。
突然、高校時代の友人から招待された披露宴。
公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。
マンションの隣室から臭う腐臭…。
平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。

※アマゾンより抜粋


~感想~
……なんだこれ?
ありがち。論外。ありがち。論外。ありがち――どこをどう楽しめばいいのだろう?
一言で形容すれば「筆力がありトリック性のない折原一」
たとえば宮部みゆきならば、トリック性の低さをずば抜けた筆力で補えるのだが、氏の場合はその域にまで達していない。
ミステリはトリックが命なのだと痛感した。


03.9.7
評価:論外
コメント

ミステリ感想-『名探偵の肖像』二階堂黎人

2003年09月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
こんな生活、もう我慢できない…。
自堕落な夫と身勝手な息子に翻弄される主婦の救いのない日々。
昔、捨てた女が新婚家庭にかけてきた電話。
突然、高校時代の友人から招待された披露宴。
公園デビューした若い母親を苦しめる得体の知れない知人。
マンションの隣室から臭う腐臭…。
平穏な日常にひそむ狂気と恐怖を描きだす八編。

※アマゾンより抜粋


~感想~
……なんだこれ?
ありがち。論外。ありがち。論外。ありがち――どこをどう楽しめばいいのだろう?
一言で形容すれば「筆力がありトリック性のない折原一」
たとえば宮部みゆきならば、トリック性の低さをずば抜けた筆力で補えるのだが、氏の場合はその域にまで達していない。
ミステリはトリックが命なのだと痛感した。


03.9.7
評価:論外
コメント

ミステリ感想-『不透明な殺人』アンソロジー

2003年09月04日 | ミステリ感想
~収録作品~
女彫刻家の首  ――有栖川有栖
アニマル色の涙  ――鯨統一郎
複雑な遺贈  ――姉小路祐
スノウ・バレンタイン  ――吉田直樹
OL倶楽部にようこそ  ――若竹七海
重すぎて  ――永井するみ
エデンは月の裏側に  ――柄刀一
最終章から  ――近藤史恵
ホワイト・クリスマス  ――麻耶雄嵩
ダブル・プレイ  ――法月綸太郎


~感想~
『女彫刻家の首』
古くさいトリックだなあ。ひねりもなにもない、当たり前の切断の理由。新味がなさすぎる。

『アニマル色の涙』
(ネタバレ→)あのさ。それならネコより馬場にならないか?

『複雑な遺贈』
素材はいいと思うが、展開・描写・人物造型が台無しに。

『スノウ・バレンタイン』
どこがミステリやねんにしてどこが殺人やねんにしてどこが不透明やねん。ただのSF。でも面白かった。

『OL倶楽部にようこそ』
参った。調子のいい時の氏の切れ味はすごい。

『重すぎて』
あったりまえの展開。目新しいことのひとつもない。

『エデンは月の裏側に』
もうこの人はいいや。

『最終章から』
本書中、もっともミステリらしかった。でも決めの一言に伏線が張られていないのはいただけない。
まさか(ネタバレ→)必要最低限のもの が伏線だったなんて言わないよな。

『ホワイト・クリスマス』
幕開けで面食らった。それにつづくあたりまえの展開にも面食らった。
微妙な伏線にも面食らい、退屈な結末に面食らう。どうした麻耶雄嵩。
こんな結末じゃ(ネタバレ→)男にした意味ないじゃん。

『ダブル・プレイ』
さすがさすがの精密細工に華麗な結実。法月絶好調。


~総括~
全体的に好みでない。そんななか、掉尾を飾る法月作品に安心感心。法月はすごいね。ヤツは勇者だね。すくなくともアストロンは使えるね。
そもそも本書は選作がおかしい。不透明な作品はほぼ皆無。それどころか殺人が起こるのは10作品中7作品。看板に偽りありもいいところ。


03.9.4
評価:★☆ 3
コメント