~あらすじ~
「あるべきものを、あるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンのもとに、メトロポリタン美術館に所蔵されたゴッホの絵を盗んで欲しいとの依頼が舞い込む。なんでも美術館のゴッホは偽物で、本物の絵と入れ替えろとのことだが――。
~感想~
「ミステリーランド」にあの法月が放ったのは、麻耶雄嵩も真っ青の歪んだジュヴナイル――などではなく、正々堂々、真正面からの娯楽小説。ジュヴナイルのお手本のような構成で、文字通りに大人から子供まで楽しませてくれる。
三部構成に分かれた物語は、主人公グリフィンの怪盗ぶりを描きつつも、グリフィンの追う「呪いの人形」を軸に、陰謀あり駆け引きあり謎解きありと、山場と見せ場が間断なくつづくミステリとしても整っている。
結末は予想通りに期待通り、グリフィンの信条たる「あるべきものを、あるべき場所に」に従い、パズルのピースをはめるように、ぴたりと物語を収束させてくれる。
著者初の(?)ジュヴナイルということで、どうなることかと思ったが、最近の好調ぶりを思わせる、安定感にあふれた丁寧な、しかし肩の力を抜き、楽しんでものされただろう佳作。値段相応と言ってもいいくらいの満足感は得られた。
余計な感想だが、今作で初めて法月綸太郎を知った少年少女が、氏の初期の作品に手を伸ばしたら、さぞかし驚くだろうなあ。
06.3.30
評価:★★★☆ 7
「あるべきものを、あるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンのもとに、メトロポリタン美術館に所蔵されたゴッホの絵を盗んで欲しいとの依頼が舞い込む。なんでも美術館のゴッホは偽物で、本物の絵と入れ替えろとのことだが――。
~感想~
「ミステリーランド」にあの法月が放ったのは、麻耶雄嵩も真っ青の歪んだジュヴナイル――などではなく、正々堂々、真正面からの娯楽小説。ジュヴナイルのお手本のような構成で、文字通りに大人から子供まで楽しませてくれる。
三部構成に分かれた物語は、主人公グリフィンの怪盗ぶりを描きつつも、グリフィンの追う「呪いの人形」を軸に、陰謀あり駆け引きあり謎解きありと、山場と見せ場が間断なくつづくミステリとしても整っている。
結末は予想通りに期待通り、グリフィンの信条たる「あるべきものを、あるべき場所に」に従い、パズルのピースをはめるように、ぴたりと物語を収束させてくれる。
著者初の(?)ジュヴナイルということで、どうなることかと思ったが、最近の好調ぶりを思わせる、安定感にあふれた丁寧な、しかし肩の力を抜き、楽しんでものされただろう佳作。値段相応と言ってもいいくらいの満足感は得られた。
余計な感想だが、今作で初めて法月綸太郎を知った少年少女が、氏の初期の作品に手を伸ばしたら、さぞかし驚くだろうなあ。
06.3.30
評価:★★★☆ 7